286 / 965
残るは決勝戦
しおりを挟む
ライオットを倒し終えた後、その後は四回戦と五回戦も当然の様に勝利した。
学生という事を考えれば弱くは無かった。寧ろ強い部類だろう。
でも所詮学生は学生。イーリスの様な特別な才も無かったので手こずる事無く試合は終わった。
二年生のシングルスではロッソ学園の生徒が決勝戦に残ることは無かったが、それでも三年生のシングルではリース会長が決勝戦に残った。
いや~~~、あの人俺が思っていたよりも化け物だった。
マジやり合えば俺が負けることは無いだろうし、シュラもメリルも負けることは無いと思う。
ただ、準決勝でクレア姉さんが負けた。
勿論圧倒的にボロカスに負けたわけでは無く、かなりの接戦だったと思う。
それでもまぁ……相性が悪かったというべきか、俺とイーリスの戦いに似ていたな。
基本的にクレア姉さんは魔法職の遠距離タイプ、そしてリース会長は中途半端では無く、レベルが高く両立している魔法剣士タイプ。
やや剣術の方が得意といった感じだったが、とりあえず相性が悪かった。
それでもクレア姉さんは近づかれたら杖と短剣で応戦し、接近戦でも高い実力を見せ付けていたな。
観客達の中には本当に魔法職なのかって驚いた顔をしてる人が多かったけど、あそこまで出来てこそ実戦で戦える魔法職だよな。
そして決勝戦の相手はアリク……どうなるのか。
一応アリクは俺の兄なんだからアリクに勝って欲しいと思ってるけど、流石は二つの騎士団から声が掛かってるだけあってリース会長は超強い。
アリクだって今まで頑張って来たのは分る……解かるよ。
でも、難しいところだと思う。
「ラガス坊ちゃま、難しい顔をされていますが何を何を悩んでいるのですか?」
「いや、悩んでるというか……三年生の決勝戦でアリクが勝てるかちょっと不安でな」
「あぁ、なるほど。そうですねぇ……相手がリースさんでなければ問題は無かったでしょう」
「メリルの言う通りっすね。あれはあの歳を考えれば中々のものっすよ」
だよな、俺もそう思う。
まぁ……俺達はその歳にしてその強さはあり得ないだろって思われてるだろうけど。
「そこまで大きな差があるとは思いませんが……ただ、魔法の腕はリースさんが上でしょうね」
「やっぱりそうだよな」
イーリスよりも才が上だとは思わないけど、それでも技量ではそこまで差は無いだろう。
それに対して剣術はどうなのかと言えば……ちょっと比べるのが難しいんだよな。
「剣術は……ちょっと比べるのが難しいよな」
「アリクさんはどちらかといえば剛の剣、リースさんは柔の剣っすからね」
扱う剣質が違うからハッキリとどちらが上とは言えない。
ただ、アリクだって柔の剣が使えない訳では無い。そう考えれば剣術面ではやっぱりアリクの方が上か?
「ところでラガス坊ちゃま、後少しで始まる決勝戦に集中しなくても良いのですか?」
「相手はパートナーのセルシアさんっすけど……どう戦うんですか?」
「どう戦うか……とりあえず、剣をメインで戦ってみようと思う。それが語り合うには一番良いからな」
お互いに使う武器は長剣。
ただ、セルシアが持ってる長剣がちょっと洒落にならないんだよなぁ……俺が持っているアブストラクトも大概だけどさ。
「それと、メリル……俺が負ける姿が想像出来るか?」
「・・・・・・いいえ、無理ですね」
そうだろ、相手が誰であっても学生相手には負けない。というか、これだけチートを神から貰っておいて負ける訳にはいかない。
「ですが、万が一はあり得るかと」
「それは分かってるよ。だから全力で楽しみはするけど、油断はしない」
現時点での身体能力では絶対に負けない。剣術でも負けない……とは思う。
こっちは色々と手札が揃っているんだ。どんな攻撃にも対応出来るように考えておかないとな。
「……ラガスさん、審判がリングに出てきました」
「決勝戦開始の合図だな。……よし、行ってくるわ」
「「ご武運を」」
学生という事を考えれば弱くは無かった。寧ろ強い部類だろう。
でも所詮学生は学生。イーリスの様な特別な才も無かったので手こずる事無く試合は終わった。
二年生のシングルスではロッソ学園の生徒が決勝戦に残ることは無かったが、それでも三年生のシングルではリース会長が決勝戦に残った。
いや~~~、あの人俺が思っていたよりも化け物だった。
マジやり合えば俺が負けることは無いだろうし、シュラもメリルも負けることは無いと思う。
ただ、準決勝でクレア姉さんが負けた。
勿論圧倒的にボロカスに負けたわけでは無く、かなりの接戦だったと思う。
それでもまぁ……相性が悪かったというべきか、俺とイーリスの戦いに似ていたな。
基本的にクレア姉さんは魔法職の遠距離タイプ、そしてリース会長は中途半端では無く、レベルが高く両立している魔法剣士タイプ。
やや剣術の方が得意といった感じだったが、とりあえず相性が悪かった。
それでもクレア姉さんは近づかれたら杖と短剣で応戦し、接近戦でも高い実力を見せ付けていたな。
観客達の中には本当に魔法職なのかって驚いた顔をしてる人が多かったけど、あそこまで出来てこそ実戦で戦える魔法職だよな。
そして決勝戦の相手はアリク……どうなるのか。
一応アリクは俺の兄なんだからアリクに勝って欲しいと思ってるけど、流石は二つの騎士団から声が掛かってるだけあってリース会長は超強い。
アリクだって今まで頑張って来たのは分る……解かるよ。
でも、難しいところだと思う。
「ラガス坊ちゃま、難しい顔をされていますが何を何を悩んでいるのですか?」
「いや、悩んでるというか……三年生の決勝戦でアリクが勝てるかちょっと不安でな」
「あぁ、なるほど。そうですねぇ……相手がリースさんでなければ問題は無かったでしょう」
「メリルの言う通りっすね。あれはあの歳を考えれば中々のものっすよ」
だよな、俺もそう思う。
まぁ……俺達はその歳にしてその強さはあり得ないだろって思われてるだろうけど。
「そこまで大きな差があるとは思いませんが……ただ、魔法の腕はリースさんが上でしょうね」
「やっぱりそうだよな」
イーリスよりも才が上だとは思わないけど、それでも技量ではそこまで差は無いだろう。
それに対して剣術はどうなのかと言えば……ちょっと比べるのが難しいんだよな。
「剣術は……ちょっと比べるのが難しいよな」
「アリクさんはどちらかといえば剛の剣、リースさんは柔の剣っすからね」
扱う剣質が違うからハッキリとどちらが上とは言えない。
ただ、アリクだって柔の剣が使えない訳では無い。そう考えれば剣術面ではやっぱりアリクの方が上か?
「ところでラガス坊ちゃま、後少しで始まる決勝戦に集中しなくても良いのですか?」
「相手はパートナーのセルシアさんっすけど……どう戦うんですか?」
「どう戦うか……とりあえず、剣をメインで戦ってみようと思う。それが語り合うには一番良いからな」
お互いに使う武器は長剣。
ただ、セルシアが持ってる長剣がちょっと洒落にならないんだよなぁ……俺が持っているアブストラクトも大概だけどさ。
「それと、メリル……俺が負ける姿が想像出来るか?」
「・・・・・・いいえ、無理ですね」
そうだろ、相手が誰であっても学生相手には負けない。というか、これだけチートを神から貰っておいて負ける訳にはいかない。
「ですが、万が一はあり得るかと」
「それは分かってるよ。だから全力で楽しみはするけど、油断はしない」
現時点での身体能力では絶対に負けない。剣術でも負けない……とは思う。
こっちは色々と手札が揃っているんだ。どんな攻撃にも対応出来るように考えておかないとな。
「……ラガスさん、審判がリングに出てきました」
「決勝戦開始の合図だな。……よし、行ってくるわ」
「「ご武運を」」
62
お気に入りに追加
3,491
あなたにおすすめの小説
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる