万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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間抜けさを見る限り

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SIDE シュラ

面倒な新米ハンターどもを潰し終えた後、ラガスさんやメリル達と別れてそのまま何事も無かったかのように遊び、現在は少々値段が高いレストランで夕食を取っている。

「ハンターって自意識過剰の人が多いのかな?」

昼間の出来事を思い出したのか、ルナがそんな事を口に出す。
ただ、それを俺は直ぐに否定する。

「そんなことは無いだろ。自意識過剰な連中はどんな職業にでも存在する。ただ、ハンターの場合はなる条件が殆ど無いからハンターになっただけで強くなった気になってる奴らが多いんだろ」

「シュラの言う通りだ。まぁ……俺達相手に下手な喧嘩を売ろうとする知能の低さには驚いたがな」

貴族の子息や令嬢、それに仕える者達は基本的に戦闘に特化している。
俺達が授業で受ける戦闘訓練もまだ対人を想定したものしか行われていない。

「もしかしてですが、対人の訓練を受けていたのではありませんか? それならばあの馬鹿さも多少は納得出来ます」

「シェリー、流石に容赦無さ過ぎるだろ。当たってるけどさ。ん~~~……こういう人を見極めるのはシュラが一番慣れてるだろ」

「あの馬鹿三人は……特に対人に慣れていないと思うぞ」

「ほぉ……それはどうしてだ?」

「まずは三人とも俺の間合いにズカズカと入って来た」

俺の体格を見れば素手で戦闘が得意だと気付いてもおかしく無い。
いや、それをウッドランクのハンターに求めるのは酷なのか?

でも少しはそういった攻撃を警戒しても良い筈だ。

そうとも解らず奴らは全く警戒心を抱かずに俺の拳や蹴りが届くエリアに入って来た。
本当に馬鹿としか言いようがない。

「それと、いつでも武器を取れるようにしていなかった」

三人ともそれぞれ武器を携帯していたので、俺みたいに素手での戦闘が得意という訳では無いのだろう。
それなのにも拘わらず戦闘に発展しそうな雰囲気なのに直ぐ武器を取れるようにしていなかった。

モンスターも相手の準備を待つような考えを持っていないが、それは人も同じでこちらが相手の準備が整うのをわざわざ待つ必要はない。

「とりあえずはそんな感じか。本当にハンターになって一年経つか経たないか程度のゴロツキだ。周りで活動しているベテランのハンター達がある程度強いからか、自分達まで強くなった気でいたんだろ。あんなの、俺らかしたらサンドバッグにもなりゃしない相手だ」

「シュラはあいつらを瞬殺したからな。ただ……その動きはあまり正確には見えなかったが」

「デイビスの言う通りですね。というか、私は殆ど見えませんでした。シェリーさんはどうでした?」

「私もエリスさんと同じで殆ど見えませんでした。ルナさんは?」

「私も同じ。シュラが三人の前を通ったと思ったら急に下を抑えて蹲って……ねぇ、あの時に何をしたの?」

何をしたと言われてもなぁ……多分、無意識で身体強化にプラスして闘気は発動していたか? 魔力を使っていなかったはずだ。あくまで速度重視で相手を殺さない様にしていたからな。

魔闘気を纏っていたら骨をボキボキに折って、もしかしたら最悪殺していたかもしれない。
流石にそこまでするのは良くない。というか、それはラガスさんに迷惑が掛かる。

今後ラガスさんもハンターになる訳だし、そういった不祥事は起こらない方が身のためだ。

「速く動いて腹と急所に一撃ずつ入れただけだ。特にこれといって特別な事はして無いぞ」

「……まぁ、お前がそういうのならそうなのだろうが、シュラが改めて頭二つは抜けて強いという事が分かった」

「悔しいが、デイビスの言う通りだ。まっ、絶対に追い越してやるけどな!!」

そうか。相変わらずマックは熱いな。
それが女子へのアピールなのかどうかは……まっ、これは絶対に素だろう。

だって全く女子達の反応を気にしてないし。

「言っておくが、メリルも俺と同じことは出来るからな」

「……マジでか?」

「マジでだ」

最後にサラっと事実を述べると、マックにはダメージ大だったのか肩をがっくりと落としていた。
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