251 / 989
金で釣るのは良くない
しおりを挟む
結局俺はアクセサリーを買うこと無く店を出た。
ただ、どうやらマックはシェリーに何かを買ってあげたようだが……シェリーの反応を見る限り、その選択が正しかったのかは分からない。
「マック、財布の中身は大丈夫なのか?」
「お、おう! なんとかな。小遣いはしっかりと貰ってるからまだ大丈夫だぜ!!」
「そ、そうか。それならまぁ……別に良いんだけどさ」
マックからアクセサリーを受け取ったシェリーの表情は少々微妙なものだった。
嬉しくないという訳では無いと思う。
少なからず好感度は上がった筈。ただ、あれが本当にシェリーが心の底から欲しかったかといえばそうで無い気がする。
でも、あれはただのアクセサリーではなかったと思うんだよな。
俺の感覚が正しいなら、マックがシェリーに買ってあげたアクセサリーはなにかしらマジックアイテムだ。
もしかしたら、それが何かのきっかけになるかもしれない。
それはそうと、一つだけ言っといた方が良さそうだな。
「マック、さっきのプレゼントは良かったかもしれないけど、飯の時とかに金を全部出すのは良くないんじゃないかと思うぞ」
「なんでだ? そこら辺は男の甲斐性ってやつだろ」
「そうかもしれないけどさ、相手からなんでも奢ってくれる男って見られるのは嫌だろ」
大して恋愛に詳しい訳では無い。
それでも自分のアピールポイントを財力で示すのは良くないと思う。
相手がマックにどこまで気があるのかにもよるけど、それだと最悪騙されかねない。
「それは……確かに嫌だな。もっと俺自身を見て欲しいというか、中身を見て欲しいって感じだな」
「そ、そうだろ。だからあんまりなんでもかんでも奢るってのは良く無いと思うんだよ」
いや、マックの場合ピンク色に染まっている中身まで見られるのは宜しく無いと思うが……今はそんな事関係無い。
シェリー、ルナ、エリスの三人の中で誰が一番距離が縮まるのかは分からないけど、その縮まった要因が金ってのは絶対に駄目だと思う。
仮にマックがそれでも俺は女にモテたいんだと思っていたとしても、そもそもマック自身が金を稼げてる訳じゃ無いし、限度がある。
「シュラの言う通りだぞマック。さっきのプレゼントは結果はどうであれ良かったと思うが、全てを奢れば良いという訳では無い。そうだなぁ……夕食の時は大体相手の半分は払う形で良いと思うぞ」
「そうか……分かった。そこら辺をもう少し気にしながら行動する」
マックが良くない方向に突き進まずに済んでホッとした後、外装と内装もオシャレなカフェに入って昼食を取る。
今のところ雰囲気も悪く無く、マックのしくじりも無い。
シェリーだけじゃ無くてルナやエリスともちょいちょい話してる。
「シュラは休日には何をしてるの?」
「……基本的にはラガスさんに付いて回ってるから訓練だったりあとは趣味の鍛冶をやったりって感じだな」
「へぇーーーー、もしかしてラガス様にちょっと影響されて始めたの?」
「あぁ~~、確かにそういうところはあるだろうな」
ルナの言葉通り、錬金術の最中に楽しそうな顔をしているラガスさんやメリルを見て自分もなにか造ってみたいって気持ちになった部分はある。
まだまだ素人の域は抜けてない気がするけど、それでも楽しさはある。
俺も早くラガスさんやメリルの様に一人前に作品を造りたいもんだ。
「でも、あんまり余裕のある休日って感じがしないよね」
「もしかしたらそうかもしれないな。でも、学園に入学する前と比べれば訓練時間は結構減ったな」
ラガスさんが授業を受けている時間等を考えれば、毎日が休日だった以前と比べたら随分と一日の訓練時間は短くなったと思う。
ただ、それでも質が高くなった様に感じるから、悪い事では無い。
「ふふ、大変そうに見えるけど、シュラにとっては全くそうじゃ無いんだね」
「ラガスさんと一緒にいて、つまらないと感じることは無いからな」
なんだが主人自慢みたいになってるかもしれないけど、本当にラガスさんと一緒に居ると楽しいことだらけだからな。
ただ、どうやらマックはシェリーに何かを買ってあげたようだが……シェリーの反応を見る限り、その選択が正しかったのかは分からない。
「マック、財布の中身は大丈夫なのか?」
「お、おう! なんとかな。小遣いはしっかりと貰ってるからまだ大丈夫だぜ!!」
「そ、そうか。それならまぁ……別に良いんだけどさ」
マックからアクセサリーを受け取ったシェリーの表情は少々微妙なものだった。
嬉しくないという訳では無いと思う。
少なからず好感度は上がった筈。ただ、あれが本当にシェリーが心の底から欲しかったかといえばそうで無い気がする。
でも、あれはただのアクセサリーではなかったと思うんだよな。
俺の感覚が正しいなら、マックがシェリーに買ってあげたアクセサリーはなにかしらマジックアイテムだ。
もしかしたら、それが何かのきっかけになるかもしれない。
それはそうと、一つだけ言っといた方が良さそうだな。
「マック、さっきのプレゼントは良かったかもしれないけど、飯の時とかに金を全部出すのは良くないんじゃないかと思うぞ」
「なんでだ? そこら辺は男の甲斐性ってやつだろ」
「そうかもしれないけどさ、相手からなんでも奢ってくれる男って見られるのは嫌だろ」
大して恋愛に詳しい訳では無い。
それでも自分のアピールポイントを財力で示すのは良くないと思う。
相手がマックにどこまで気があるのかにもよるけど、それだと最悪騙されかねない。
「それは……確かに嫌だな。もっと俺自身を見て欲しいというか、中身を見て欲しいって感じだな」
「そ、そうだろ。だからあんまりなんでもかんでも奢るってのは良く無いと思うんだよ」
いや、マックの場合ピンク色に染まっている中身まで見られるのは宜しく無いと思うが……今はそんな事関係無い。
シェリー、ルナ、エリスの三人の中で誰が一番距離が縮まるのかは分からないけど、その縮まった要因が金ってのは絶対に駄目だと思う。
仮にマックがそれでも俺は女にモテたいんだと思っていたとしても、そもそもマック自身が金を稼げてる訳じゃ無いし、限度がある。
「シュラの言う通りだぞマック。さっきのプレゼントは結果はどうであれ良かったと思うが、全てを奢れば良いという訳では無い。そうだなぁ……夕食の時は大体相手の半分は払う形で良いと思うぞ」
「そうか……分かった。そこら辺をもう少し気にしながら行動する」
マックが良くない方向に突き進まずに済んでホッとした後、外装と内装もオシャレなカフェに入って昼食を取る。
今のところ雰囲気も悪く無く、マックのしくじりも無い。
シェリーだけじゃ無くてルナやエリスともちょいちょい話してる。
「シュラは休日には何をしてるの?」
「……基本的にはラガスさんに付いて回ってるから訓練だったりあとは趣味の鍛冶をやったりって感じだな」
「へぇーーーー、もしかしてラガス様にちょっと影響されて始めたの?」
「あぁ~~、確かにそういうところはあるだろうな」
ルナの言葉通り、錬金術の最中に楽しそうな顔をしているラガスさんやメリルを見て自分もなにか造ってみたいって気持ちになった部分はある。
まだまだ素人の域は抜けてない気がするけど、それでも楽しさはある。
俺も早くラガスさんやメリルの様に一人前に作品を造りたいもんだ。
「でも、あんまり余裕のある休日って感じがしないよね」
「もしかしたらそうかもしれないな。でも、学園に入学する前と比べれば訓練時間は結構減ったな」
ラガスさんが授業を受けている時間等を考えれば、毎日が休日だった以前と比べたら随分と一日の訓練時間は短くなったと思う。
ただ、それでも質が高くなった様に感じるから、悪い事では無い。
「ふふ、大変そうに見えるけど、シュラにとっては全くそうじゃ無いんだね」
「ラガスさんと一緒にいて、つまらないと感じることは無いからな」
なんだが主人自慢みたいになってるかもしれないけど、本当にラガスさんと一緒に居ると楽しいことだらけだからな。
77
お気に入りに追加
3,501
あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。
まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。
だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥
たまにやりたくなる短編。
ちょっと連載作品
「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー
すもも太郎
ファンタジー
この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)
主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)
しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。
命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥
※1話1500文字くらいで書いております

私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる