万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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金で釣るのは良くない

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結局俺はアクセサリーを買うこと無く店を出た。
ただ、どうやらマックはシェリーに何かを買ってあげたようだが……シェリーの反応を見る限り、その選択が正しかったのかは分からない。

「マック、財布の中身は大丈夫なのか?」

「お、おう! なんとかな。小遣いはしっかりと貰ってるからまだ大丈夫だぜ!!」

「そ、そうか。それならまぁ……別に良いんだけどさ」

マックからアクセサリーを受け取ったシェリーの表情は少々微妙なものだった。
嬉しくないという訳では無いと思う。

少なからず好感度は上がった筈。ただ、あれが本当にシェリーが心の底から欲しかったかといえばそうで無い気がする。

でも、あれはただのアクセサリーではなかったと思うんだよな。
俺の感覚が正しいなら、マックがシェリーに買ってあげたアクセサリーはなにかしらマジックアイテムだ。

もしかしたら、それが何かのきっかけになるかもしれない。
それはそうと、一つだけ言っといた方が良さそうだな。

「マック、さっきのプレゼントは良かったかもしれないけど、飯の時とかに金を全部出すのは良くないんじゃないかと思うぞ」

「なんでだ? そこら辺は男の甲斐性ってやつだろ」

「そうかもしれないけどさ、相手からなんでも奢ってくれる男って見られるのは嫌だろ」

大して恋愛に詳しい訳では無い。
それでも自分のアピールポイントを財力で示すのは良くないと思う。

相手がマックにどこまで気があるのかにもよるけど、それだと最悪騙されかねない。

「それは……確かに嫌だな。もっと俺自身を見て欲しいというか、中身を見て欲しいって感じだな」

「そ、そうだろ。だからあんまりなんでもかんでも奢るってのは良く無いと思うんだよ」

いや、マックの場合ピンク色に染まっている中身まで見られるのは宜しく無いと思うが……今はそんな事関係無い。
シェリー、ルナ、エリスの三人の中で誰が一番距離が縮まるのかは分からないけど、その縮まった要因が金ってのは絶対に駄目だと思う。

仮にマックがそれでも俺は女にモテたいんだと思っていたとしても、そもそもマック自身が金を稼げてる訳じゃ無いし、限度がある。

「シュラの言う通りだぞマック。さっきのプレゼントは結果はどうであれ良かったと思うが、全てを奢れば良いという訳では無い。そうだなぁ……夕食の時は大体相手の半分は払う形で良いと思うぞ」

「そうか……分かった。そこら辺をもう少し気にしながら行動する」

マックが良くない方向に突き進まずに済んでホッとした後、外装と内装もオシャレなカフェに入って昼食を取る。

今のところ雰囲気も悪く無く、マックのしくじりも無い。
シェリーだけじゃ無くてルナやエリスともちょいちょい話してる。

「シュラは休日には何をしてるの?」

「……基本的にはラガスさんに付いて回ってるから訓練だったりあとは趣味の鍛冶をやったりって感じだな」

「へぇーーーー、もしかしてラガス様にちょっと影響されて始めたの?」

「あぁ~~、確かにそういうところはあるだろうな」

ルナの言葉通り、錬金術の最中に楽しそうな顔をしているラガスさんやメリルを見て自分もなにか造ってみたいって気持ちになった部分はある。
まだまだ素人の域は抜けてない気がするけど、それでも楽しさはある。

俺も早くラガスさんやメリルの様に一人前に作品を造りたいもんだ。

「でも、あんまり余裕のある休日って感じがしないよね」

「もしかしたらそうかもしれないな。でも、学園に入学する前と比べれば訓練時間は結構減ったな」

ラガスさんが授業を受けている時間等を考えれば、毎日が休日だった以前と比べたら随分と一日の訓練時間は短くなったと思う。

ただ、それでも質が高くなった様に感じるから、悪い事では無い。

「ふふ、大変そうに見えるけど、シュラにとっては全くそうじゃ無いんだね」

「ラガスさんと一緒にいて、つまらないと感じることは無いからな」

なんだが主人自慢みたいになってるかもしれないけど、本当にラガスさんと一緒に居ると楽しいことだらけだからな。
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