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幅が広すぎる

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「選抜戦が終わった後だというのに悪いね」

「別に、美味しいお茶とお菓子があるんで良いですよ」

セルシア達と合流した後、生徒会長のリース先輩に呼ばれて生徒会室にやって来た。
ただ、生徒会室には誰もおらず、お茶すらリース先輩が淹れたのは驚いた。

単なる趣味かもしれないけど、令嬢が自分でお茶を入れるのはやっぱり意外だ。

「それで、何か用があったんですよね」

メリルもシュラも、リース先輩のメイドと執事も俺達二人以外は誰もいない生徒会室。
ここで何を話しても誰かに聞かれることは無い。

もしかして結構重要な内容なのか?

「そうだね。ラガス君に聞いておきたいことがあってね」

「自分が答えられる内容なら全然大丈夫ですけど」

「そうか、なら怠場に甘えさせて貰おう。単刀直入に訊きたい、生徒達が強くなる方法を教えて欲しい」

生徒達が強くなる方法……そ、それはまた随分と幅が広い質問だな。
何故そんな事を俺に訊くのか、という返しは置いといて真面目に考えた方が良さそうな顔だよなぁ~。

超真剣な顔をしたリース先輩も綺麗だが、生徒達が強くなる方法をしっかりと考えないと・・・・・・ん~~~~~、やっぱし幅が広い!!

「それって、ここの在校生全員がって事ですか?」

「基本的にはそうだね」

「誰でもってなると……やっぱり投擲と魔弾じゃないですか」

「投擲と魔弾か。確か魔弾の授業中に有効性を示したのはラガスだったか」

えっ、そんな事広まってんの? 確かに魔弾を使って授業中に先生のサポートをしてるけどさ。

「二つともそこまで技術が要らない技だね」

「そこまできっぱり言えるのはリース先輩だからですよ、きっと」

この人もジークと同じで努力する才能の持ち主って感じ。
ただ、センスがあるからある程度の種目、特技? に関してはある程度のラインまで直ぐに覚えられるんだろうな。

「投擲は何か物があれば使える技です。木の枝、石ころ、壊れた武器、鉄の塊、モンスターの牙や爪、死体だって物なんで投擲出来ます」

「そ、それは……あれかな。実体験かな?」

「はい。ゴブリンとか素材に需要が無いんで複数いれば殺した一体を投擲物として投げて倒したりしたことがあります。魔核が無事なら死体はどうでもいいんで」

「そうなのか。ラガス君は本当に戦い慣れているんだな」

そりゃ今よりガキの頃から戦って戦っての人生だったからな。
というか、単純に貴族の皆さんの頭が固いだけだと思うけど。

「投擲って、アビリティレベルを上げれば腕力が上がりますし、全然関係無い方向に向かって投げても狙った場所に向かって飛んでいきます。それに投げた物が対象を追尾したりするので、結構有能ですよ」

「ほほぉ~~~~、それは中々に有能だね。でも、攻撃力に関してはどうなんだい?」

やっぱりそこが気になるところだよな。
ただ、そこまで珍しい考えは無く一般的なんだが……一応きっちり説明した方が良いか。

「魔力を纏えば問題無いかと。後は本人の腕力次第ですね。風魔法のアビリティを習得してるなら風の魔力で加速させることも可能ですね。後は……単純に鉱石の弾丸でも常備しておけば問題無いかと」

「こ、鉱石の弾丸か・・・・・・そ、それは少し無理があると思わないかな」

「自分もそう思いました」

というか、そんなのどうやって常備するんだって話だよな。
服の中に入れてたら重さで服がダルンダルンになる。

いや、弾丸の大きさを考えれば問題無いか?

指で弾丸の大きさを示す。
これぐらいなら大丈夫でしょ。

「大きさはこれぐらいが丁度良いかと。というか、別に投擲は攻撃のメインとして考える必要は無いですよ。主に牽制目的な訳ですし。あっ、でも目や耳に鼻とかに狙って投げれば結構大ダメージかもしれませんね:

「さらっとえげつない事を思いつくね君は。でも、相手の視覚や聴覚、場合によっては嗅覚を潰すことは重要ね」

なんだ、ちゃんと解ってるじゃないですか生徒会長さん。

その一つが欠けるだけで急に不安が襲ってくるもんだよね。
試しに目を閉じてモンスター相手に戦ったことがあるけど、最初の方はノーダメージで勝っても多少の不安感は消えなかったし。

さてと、次は魔弾の説明・・・・・・というかプレゼン?
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