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心を乱す声
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SIDE 神の視点
ラガスはジークが魔闘気を纏って突っ込んでくるタイミングに合わせてイリュージョンボイスを発動する。
(さてさて……実際に使うのは今回が初めてだけど、上手く行くかどうか)
技が成功するかどうか事態はメリルやシュラで実験済みだが、本番で効果が有るのかどうかは解っていない。
(お前の弱点は解っている、それを最大限に突いたつもりだが……どうだ?)
既にラガスの両手からイリュージョンボイスは放たれており、音という性質上目視出来る攻撃では無い。
ジークはラガスが既に先手を打っている事など知らず、全力で自信に満ちた表情で突き進む。
だが、イリュージョンボイスがジークの両耳に触れた瞬間……ある人の声がジークの耳に流れた。
『ねぇ、ジーク。私と……一緒に寝て欲しい、の』
「のわッ! だ、え、えッ!!!???」
普段のセルシアからは考えられないセリフが聞こえ、ジークの自信満々だった表情は一瞬にして崩れた。
セルシアがラガスのパートナーとなる前から知ってるジークにとって、まだ心の底では諦めきれていない女性からの色気を含んだ誘い。
そんなジークにとって中毒性すらありそうな言葉に、心が乱れまくる。
「だからって狼狽え過ぎだ阿呆」
そんな隙をラガス見逃すはずが無かった。
念のためにと思い、もう一つイリュージョンボイスを用意していたラガスだが、意味無し解り隙だらけの腹に前蹴りを叩きこむ。
「ガ、ハッ!!!!????」
セルシアの誘い言葉に心も構えも見だされていたジークはそれを防御するという意識すら削がれており、モロにラガス前蹴りを喰らってしまった。
いくらジークが身体強化のアビリティを使い、魔闘気を纏っていたとはいえラガスの中々にマジな前蹴りを喰らって無事な訳は無く、リングから離れて壁に激突した。
一気に戦況を変えたラガスの前蹴りに驚く生徒もいるが、大半の生徒は突然戦いという意識が完全に削がれてしまったジークに注目を向けている。
「今、ナーガルスの動きが完全に止まった……というか、おかしくなったよな」
「だよな、表情まで一気に変わっちまってた。何があったんだ?」
「もしかしてあの基本属性魔法が使えない方は呪術が使えるのではないでしょうか?」
「そ、そうなのですか? そんな話は聞いたことありませんが、今ジーク様の動きがおかしくなった事を考えれば……」
(悪くない考えを持っている人もいるようだな。確かに呪弾を撃てるから呪術が使えるって考えは間違っていない)
ラガスが使ったイリュージョンボイスは魔法の方向性としては、幻惑魔法に分類される。
なので耐性がある人には耐えられるが、そうでない人には効いてしまう。
先程の幻聴がなんかのか、疑問が尽きないジークだが直ぐに起き上がらなければと思い、必死に立ち上がってリングに戻ろうとする。
カウント内にリングに戻れば選抜戦は再開されるのだが……左手では魔弾を構え、右手に持つ長剣の刃に荒々しい魔闘気が纏われており、完全に臨戦態勢のラガスが待っていた。
(・・・・・・はは、流石に今この状態で戻ったとしても直ぐにリングアウトされるのは目に見えているね)
まだ魔力も闘気も尽きておらず、スタミナも底を尽いた訳では無い。
だが、少し慢心していたジークのプライドをへし折るには十分な程の戦意をラガスは迸らせていた。
「参った、降参だ」
両手を上げ、完全に降参の意を示したジーク。
審判である教師は本当にそれで良いのかと言いたげな顔を向けるが、ジークの答えは変わらない。
「ジーク・ナーガルスの降参により、勝者はラガス・リゼート!!!!」
一瞬、奇妙な流れはあったものの二人の攻撃と防御に回避の技術は十分な程に見せられており、生徒達は二人に向かって大きな拍手を与えた。
ラガスはジークが魔闘気を纏って突っ込んでくるタイミングに合わせてイリュージョンボイスを発動する。
(さてさて……実際に使うのは今回が初めてだけど、上手く行くかどうか)
技が成功するかどうか事態はメリルやシュラで実験済みだが、本番で効果が有るのかどうかは解っていない。
(お前の弱点は解っている、それを最大限に突いたつもりだが……どうだ?)
既にラガスの両手からイリュージョンボイスは放たれており、音という性質上目視出来る攻撃では無い。
ジークはラガスが既に先手を打っている事など知らず、全力で自信に満ちた表情で突き進む。
だが、イリュージョンボイスがジークの両耳に触れた瞬間……ある人の声がジークの耳に流れた。
『ねぇ、ジーク。私と……一緒に寝て欲しい、の』
「のわッ! だ、え、えッ!!!???」
普段のセルシアからは考えられないセリフが聞こえ、ジークの自信満々だった表情は一瞬にして崩れた。
セルシアがラガスのパートナーとなる前から知ってるジークにとって、まだ心の底では諦めきれていない女性からの色気を含んだ誘い。
そんなジークにとって中毒性すらありそうな言葉に、心が乱れまくる。
「だからって狼狽え過ぎだ阿呆」
そんな隙をラガス見逃すはずが無かった。
念のためにと思い、もう一つイリュージョンボイスを用意していたラガスだが、意味無し解り隙だらけの腹に前蹴りを叩きこむ。
「ガ、ハッ!!!!????」
セルシアの誘い言葉に心も構えも見だされていたジークはそれを防御するという意識すら削がれており、モロにラガス前蹴りを喰らってしまった。
いくらジークが身体強化のアビリティを使い、魔闘気を纏っていたとはいえラガスの中々にマジな前蹴りを喰らって無事な訳は無く、リングから離れて壁に激突した。
一気に戦況を変えたラガスの前蹴りに驚く生徒もいるが、大半の生徒は突然戦いという意識が完全に削がれてしまったジークに注目を向けている。
「今、ナーガルスの動きが完全に止まった……というか、おかしくなったよな」
「だよな、表情まで一気に変わっちまってた。何があったんだ?」
「もしかしてあの基本属性魔法が使えない方は呪術が使えるのではないでしょうか?」
「そ、そうなのですか? そんな話は聞いたことありませんが、今ジーク様の動きがおかしくなった事を考えれば……」
(悪くない考えを持っている人もいるようだな。確かに呪弾を撃てるから呪術が使えるって考えは間違っていない)
ラガスが使ったイリュージョンボイスは魔法の方向性としては、幻惑魔法に分類される。
なので耐性がある人には耐えられるが、そうでない人には効いてしまう。
先程の幻聴がなんかのか、疑問が尽きないジークだが直ぐに起き上がらなければと思い、必死に立ち上がってリングに戻ろうとする。
カウント内にリングに戻れば選抜戦は再開されるのだが……左手では魔弾を構え、右手に持つ長剣の刃に荒々しい魔闘気が纏われており、完全に臨戦態勢のラガスが待っていた。
(・・・・・・はは、流石に今この状態で戻ったとしても直ぐにリングアウトされるのは目に見えているね)
まだ魔力も闘気も尽きておらず、スタミナも底を尽いた訳では無い。
だが、少し慢心していたジークのプライドをへし折るには十分な程の戦意をラガスは迸らせていた。
「参った、降参だ」
両手を上げ、完全に降参の意を示したジーク。
審判である教師は本当にそれで良いのかと言いたげな顔を向けるが、ジークの答えは変わらない。
「ジーク・ナーガルスの降参により、勝者はラガス・リゼート!!!!」
一瞬、奇妙な流れはあったものの二人の攻撃と防御に回避の技術は十分な程に見せられており、生徒達は二人に向かって大きな拍手を与えた。
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