万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
上 下
232 / 981

再戦

しおりを挟む
「さてと、いっちょ頑張りますか」

「頑張る程の相手でもないでしょう。ラガス坊ちゃまなら瞬殺かと」

「俺もそう思います。だって、一度は余裕で倒した相手なんですから」

二人共むっちゃ断言するよな。
まぁ……本気の本気を出せば確かに瞬殺出来るのは間違いないだろうけど。

「あんまり相手が格下だからって嘗めるのは良くないぞ。向こうは才ある侯爵家の子息なんだしな」

それに、結構努力を積み重ねるタイプだろう。
もしかしたらあれは既に完成してるかもしれないな。

「まぁ、負けないように行ってくる」

「「いってらっしゃいませ(っす)」」

少し前に戦ったあいつがどこまで強くなったのか……そこら辺はちょっと楽しみだな。

入り口から出てリングへと上がると、既に俺の対戦相手は立っていた。
というか、今日の観客ちょっと多くないか?

「よう、待たせたか?」

「いいや、そこまで待っていないよ」

今日の俺の相手はジーク・ナーガルス。
俺が入学したその日に決闘をして圧勝した相手だ。

初日のときは俺を完全に格下として見下ろしていたけど、今は随分とまっしな顔付になってるな。

「ラガス・リゼード、今日は勝たせてもらうよ」

「それは無理な話だ。俺はお前に勝って後の試合にも勝って代表として優勝する。そんでもって賞金と景品を貰う」

あれ、景品だけだったか?
まぁいいや、絶対に勝つって事だけは決めてる。問題はどう勝つかだけど。

「ふっふっふ、大会で優勝すれば貰える賞金と景品が目当て、か。他の生徒達が聞けば血眼になりながら怒り出すよ、きっとね」

「俺もそう思ってる。ただ、俺にはそれだけ心に余裕があるってだけだ。本当に強い奴は、心に余裕がある奴が多いらしいぞ」

相手の方が実力が上だからってジタバタと無駄に動けば勝てるって訳じゃ無い。
まっ、ラッキーパンチで戦況が変わるって状況もあるかもしれないけど。

「それは実力に関しても余裕がる、そう言いたげに思えるのは僕だけかな?」

「別にそんなこと言って無いだろ。だって、お前が前より強くなってるって事は分かるもん。だから、気は抜かない」

「そうか……それは光栄だ」

俺とジークの会話が終わると、それを見計らっていた教師がリングの中央にやってくる。

「二人共、代表に選ばれて大会に挑みたいという思いがあるなら、己の力を全て出し尽くせ。悔いが無いようにね」

己の力を全て出し尽くしたらジークを殺してしまいそうなので遠慮しまう。

「それでは……はじめッ!!!!!!」

「シッ!!!」

おっ、いきなりの突進か。
しかもちゃんと身体強化のアビリティを使っている。

上、斜め、下、突き、右回し蹴り。
体術も混ぜてきたか。前よりも戦いに慣れてるって気がするな。

「受けてばかりかい?」

「さぁ、どうだろな?」

これがジークの全力だとは思わない。
だって特に考えなくても目で追って対処出来る速さと強さだ。

こんなもんじゃないでしょ。飢えた虎の強さは。

「それなら、どんどん行かせてもらうよ!!!」

おほっ、動きが加速し始めた!
三連突きに斬撃、昇線、アビリティ技の回し蹴り、拳打。

ぶっちゃけ、剣術から体術の切り替え、体術から剣術の切り替えには隙が多いけど、ほんの少し前から始めたって考えれば中々に上手い。

やっぱり才能が……というより、呑み込みが早いってのが正しいか。

「ッ! 本当に、君は強い、な!!! もしかして防御技術の方が剣や体術、魔弾よりも上なのかい!!??」

「どうだろうな? この学園に入る前に、やれることの多くはやってきたからな」

回避と防御の技術は並みと比べれば上だろうけど、回避はメリルで防御はシュラの方が上だと思うぞ。
ただ、やっぱりまだしっかりと見えるんだよな。

「それなら、これでどうだ!!!」

後ろに大きくバックステップして……へぇーーー、ちゃんと様になってるじゃん、魔弾。

ただ、一直線に動く魔弾じゃぁ~多少大きくても……ッ!!??
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜

言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。 しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。 それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。 「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」 破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。 気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。 「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。 「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」 学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス! "悪役令嬢"、ここに爆誕!

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

『伯爵令嬢 爆死する』

三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。 その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。 カクヨムでも公開しています。

処理中です...