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再戦
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「さてと、いっちょ頑張りますか」
「頑張る程の相手でもないでしょう。ラガス坊ちゃまなら瞬殺かと」
「俺もそう思います。だって、一度は余裕で倒した相手なんですから」
二人共むっちゃ断言するよな。
まぁ……本気の本気を出せば確かに瞬殺出来るのは間違いないだろうけど。
「あんまり相手が格下だからって嘗めるのは良くないぞ。向こうは才ある侯爵家の子息なんだしな」
それに、結構努力を積み重ねるタイプだろう。
もしかしたらあれは既に完成してるかもしれないな。
「まぁ、負けないように行ってくる」
「「いってらっしゃいませ(っす)」」
少し前に戦ったあいつがどこまで強くなったのか……そこら辺はちょっと楽しみだな。
入り口から出てリングへと上がると、既に俺の対戦相手は立っていた。
というか、今日の観客ちょっと多くないか?
「よう、待たせたか?」
「いいや、そこまで待っていないよ」
今日の俺の相手はジーク・ナーガルス。
俺が入学したその日に決闘をして圧勝した相手だ。
初日のときは俺を完全に格下として見下ろしていたけど、今は随分とまっしな顔付になってるな。
「ラガス・リゼード、今日は勝たせてもらうよ」
「それは無理な話だ。俺はお前に勝って後の試合にも勝って代表として優勝する。そんでもって賞金と景品を貰う」
あれ、景品だけだったか?
まぁいいや、絶対に勝つって事だけは決めてる。問題はどう勝つかだけど。
「ふっふっふ、大会で優勝すれば貰える賞金と景品が目当て、か。他の生徒達が聞けば血眼になりながら怒り出すよ、きっとね」
「俺もそう思ってる。ただ、俺にはそれだけ心に余裕があるってだけだ。本当に強い奴は、心に余裕がある奴が多いらしいぞ」
相手の方が実力が上だからってジタバタと無駄に動けば勝てるって訳じゃ無い。
まっ、ラッキーパンチで戦況が変わるって状況もあるかもしれないけど。
「それは実力に関しても余裕がる、そう言いたげに思えるのは僕だけかな?」
「別にそんなこと言って無いだろ。だって、お前が前より強くなってるって事は分かるもん。だから、気は抜かない」
「そうか……それは光栄だ」
俺とジークの会話が終わると、それを見計らっていた教師がリングの中央にやってくる。
「二人共、代表に選ばれて大会に挑みたいという思いがあるなら、己の力を全て出し尽くせ。悔いが無いようにね」
己の力を全て出し尽くしたらジークを殺してしまいそうなので遠慮しまう。
「それでは……はじめッ!!!!!!」
「シッ!!!」
おっ、いきなりの突進か。
しかもちゃんと身体強化のアビリティを使っている。
上、斜め、下、突き、右回し蹴り。
体術も混ぜてきたか。前よりも戦いに慣れてるって気がするな。
「受けてばかりかい?」
「さぁ、どうだろな?」
これがジークの全力だとは思わない。
だって特に考えなくても目で追って対処出来る速さと強さだ。
こんなもんじゃないでしょ。飢えた虎の強さは。
「それなら、どんどん行かせてもらうよ!!!」
おほっ、動きが加速し始めた!
三連突きに斬撃、昇線、アビリティ技の回し蹴り、拳打。
ぶっちゃけ、剣術から体術の切り替え、体術から剣術の切り替えには隙が多いけど、ほんの少し前から始めたって考えれば中々に上手い。
やっぱり才能が……というより、呑み込みが早いってのが正しいか。
「ッ! 本当に、君は強い、な!!! もしかして防御技術の方が剣や体術、魔弾よりも上なのかい!!??」
「どうだろうな? この学園に入る前に、やれることの多くはやってきたからな」
回避と防御の技術は並みと比べれば上だろうけど、回避はメリルで防御はシュラの方が上だと思うぞ。
ただ、やっぱりまだしっかりと見えるんだよな。
「それなら、これでどうだ!!!」
後ろに大きくバックステップして……へぇーーー、ちゃんと様になってるじゃん、魔弾。
ただ、一直線に動く魔弾じゃぁ~多少大きくても……ッ!!??
「頑張る程の相手でもないでしょう。ラガス坊ちゃまなら瞬殺かと」
「俺もそう思います。だって、一度は余裕で倒した相手なんですから」
二人共むっちゃ断言するよな。
まぁ……本気の本気を出せば確かに瞬殺出来るのは間違いないだろうけど。
「あんまり相手が格下だからって嘗めるのは良くないぞ。向こうは才ある侯爵家の子息なんだしな」
それに、結構努力を積み重ねるタイプだろう。
もしかしたらあれは既に完成してるかもしれないな。
「まぁ、負けないように行ってくる」
「「いってらっしゃいませ(っす)」」
少し前に戦ったあいつがどこまで強くなったのか……そこら辺はちょっと楽しみだな。
入り口から出てリングへと上がると、既に俺の対戦相手は立っていた。
というか、今日の観客ちょっと多くないか?
「よう、待たせたか?」
「いいや、そこまで待っていないよ」
今日の俺の相手はジーク・ナーガルス。
俺が入学したその日に決闘をして圧勝した相手だ。
初日のときは俺を完全に格下として見下ろしていたけど、今は随分とまっしな顔付になってるな。
「ラガス・リゼード、今日は勝たせてもらうよ」
「それは無理な話だ。俺はお前に勝って後の試合にも勝って代表として優勝する。そんでもって賞金と景品を貰う」
あれ、景品だけだったか?
まぁいいや、絶対に勝つって事だけは決めてる。問題はどう勝つかだけど。
「ふっふっふ、大会で優勝すれば貰える賞金と景品が目当て、か。他の生徒達が聞けば血眼になりながら怒り出すよ、きっとね」
「俺もそう思ってる。ただ、俺にはそれだけ心に余裕があるってだけだ。本当に強い奴は、心に余裕がある奴が多いらしいぞ」
相手の方が実力が上だからってジタバタと無駄に動けば勝てるって訳じゃ無い。
まっ、ラッキーパンチで戦況が変わるって状況もあるかもしれないけど。
「それは実力に関しても余裕がる、そう言いたげに思えるのは僕だけかな?」
「別にそんなこと言って無いだろ。だって、お前が前より強くなってるって事は分かるもん。だから、気は抜かない」
「そうか……それは光栄だ」
俺とジークの会話が終わると、それを見計らっていた教師がリングの中央にやってくる。
「二人共、代表に選ばれて大会に挑みたいという思いがあるなら、己の力を全て出し尽くせ。悔いが無いようにね」
己の力を全て出し尽くしたらジークを殺してしまいそうなので遠慮しまう。
「それでは……はじめッ!!!!!!」
「シッ!!!」
おっ、いきなりの突進か。
しかもちゃんと身体強化のアビリティを使っている。
上、斜め、下、突き、右回し蹴り。
体術も混ぜてきたか。前よりも戦いに慣れてるって気がするな。
「受けてばかりかい?」
「さぁ、どうだろな?」
これがジークの全力だとは思わない。
だって特に考えなくても目で追って対処出来る速さと強さだ。
こんなもんじゃないでしょ。飢えた虎の強さは。
「それなら、どんどん行かせてもらうよ!!!」
おほっ、動きが加速し始めた!
三連突きに斬撃、昇線、アビリティ技の回し蹴り、拳打。
ぶっちゃけ、剣術から体術の切り替え、体術から剣術の切り替えには隙が多いけど、ほんの少し前から始めたって考えれば中々に上手い。
やっぱり才能が……というより、呑み込みが早いってのが正しいか。
「ッ! 本当に、君は強い、な!!! もしかして防御技術の方が剣や体術、魔弾よりも上なのかい!!??」
「どうだろうな? この学園に入る前に、やれることの多くはやってきたからな」
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ただ、やっぱりまだしっかりと見えるんだよな。
「それなら、これでどうだ!!!」
後ろに大きくバックステップして……へぇーーー、ちゃんと様になってるじゃん、魔弾。
ただ、一直線に動く魔弾じゃぁ~多少大きくても……ッ!!??
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