万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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選抜戦と褒美

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学園に入学してから約二か月ほどが過ぎ、少し暑くなり始めた。

そんな中、学園内では他校の学園と競い合う大会に出場する生徒を選考するために、多くの生徒が選抜戦に参加する。

大会は一年生の部、二年生の部に三年生の部と別れている。
そして一対一のシングル、二対二のダブルスの部門が存在する。

最後に学年関係無しの団体戦。実質これが数ある学園の中で最強の学園を決める戦いだと言われている。

俺はダブルスだけ出ようと思っていたが、生徒会長さんからシングルスと団体戦にも出来れば出て欲しいと言われた。
遠慮しようと思ったが、毎年優勝者は賞金とランクの高い武器が渡されると聞き、なら出てみようかと思った。

というか、会長の中では俺が出場するのは確定なんだな。

そして一か月の間、休日以外は毎日選抜戦に参加した生徒と一戦を行う。
なるべく実力が離れた生徒同士が戦わないようにマッチングされているらしいが、そうでない場合もある。
だが、一戦一戦に審判が付いてるので最悪の事態は起こらない。

あと、マッチングが裏で操作される可能性も無い。
過去には結構あったとか無かったとか……まっ、その一戦一戦を先生や学園長が参考にするってだけなので、格下相手に連戦連勝しても選考から外されてしまうとレックス先生が教えてくれた。

「連戦連勝ですね、ラガス坊ちゃま」

「まぁ……毎日相手にしてたのが殺す気で襲ってくるモンスターやそれを撃退するのに慣れているお前らだからな。苦戦することは殆ど無いだろう。ダブルスも全く問題は無い」

基本的には俺がセルシアに合わせる感じだが、俺とセルシアは同じく接近戦ではスピード重視。
なので同じ一年の間では特に手間取る相手はいない。というか、俺が後方に回ったとしても魔弾で完全援護が出来る。

まっ、それは大会が始まってからお披露目で良いか。

「そういえば、俺ら学生の大会の前に前座の大会として、メイドと執事の大会もあるそうだな」

内容が学生と同じくバトル。
ただしダブルスと団体戦は無く、学年等は関係無い。

「お前達も出るんだろ?」

「ラガス坊ちゃまが出場する大会と同じく、賞金と景品が貰えるそうなので出ようかと」

「自分も同じ理由っすね」

「お前らに敵うメイドと執事なんて、絶対にいないだろうな」

だって、普通の武器を使った戦闘スタイルだけでも強いのに、二人が切り札にしているアビリティが結構所見殺し。
いや、シュラの場合はそこまで珍しく無いかもしれないけど……規模が違うよな。

「それはラガス坊ちゃまやセルシア様にも言えることですよ。それで……どこまで使用するつもりですか?」

「ん~~~……消せるし、あんまり俺の手の内はバレないんじゃないか?」

「熟達した腕を持つ方達には見破られるかと」

そういえば俺の黒い意味でジョーカーの中のおっさんは俺の魔弾に気付いていたな。
……気付かれたそれはその時だ。いずれ魔力感知を常時使えば対処出来るって解かる人が出るだろう。

スピード重視の俺からすればそれは自分の首を絞めているのと変わらないけど。

「それとラガス坊ちゃま、今日は特に用事は無いのですか?」

「気ままに散歩だ」

セルシアは友達と王都を回ると言っていたので別行動。
日課の訓練は終わったのメリルとシュラ、ルーフェイスを連れてブラブラと王都を歩き回っている。

『僕もラガス達みたいに戦いたいなぁ~~』

『俺達が実家で生活していた時に戦っていたモンスターと比べれば大した戦意や殺気は無い相手だぞ』

本当に命を狩とってくると感じさせる殺気や戦意が有ると無いとでは緊張感が全く違う。
というか、そもそもルーフェイスでは他の生徒達と比べて差があり過ぎるのでマジで相手にならない。
生徒にとっては真剣に戦っているつもりでも、ルーフェイスとっては本当に遊びだ。

『でも、殺気はしょうも無くてもラガス達が出る大会は生徒達にとって重要な戦いなんでしょ? だったら見ている大人や両親達に良い所を見せようとして死に物狂いで向かってくるんじゃないの? 僕はお母さんが自分の戦いを見ている時はいつもより気合が入ってたと思うんだよね』

……なるほどね。今度の大会は国王様も見に来るって話だし、騎士団への入団を考えてる奴とかは絶好の見せ場だ。
そういった連中はルーフェイスの言う通り、死に物狂いで立ち向かってきそうだ。

「……ラガスさん、あそこを見てください」

シュラが指さす方向に顔を向けると、明らかに面倒ごとに匂いが漂ってきた。
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