万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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時間が掛かる作業

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「ラガスさん、いったいどの様な魔道具を造ってるんですか?」

「ん~~~……魔法職の為の防具? そんな感じかな」

魔剛石がメイン。後はブラックウルフの牙と風魔石を少々使用。
これらで現在手甲と手袋混ぜた防具を造っている。

そこまで構造は難しく無いんだが、魔剛石がマジで固いので形を変形させるのに時間が掛かる。

「防御力に特化した防具ですか?」

「そりゃ防具だからな。一応防御がメインだが、相手によっては反撃する事も可能だ」

相手が攻めてくる武器にもよるけど、五体で攻撃してくる相手ならかなり有効だろう。

「でも、魔剛石を使えば結構重くなりそうっすね」

「多少はな。でもそこら辺も考慮して造ってる」

とは言っても、身体強化を使えれば殆ど重さは感じない筈だ。
というか、多少なりともモンスターの討伐経験がある奴ならそんなに苦は無い。

「そういえば、最近モンスターを狩ってないっすけど、今度の休みに王都に出てモンスターを狩りますか?」

「そうだなぁ……ここ最近モンスターを相手にしてないからな」

ルーティは確かにモンスターだが、戦う場合は模擬戦なので実際に殺し合いはしない。

それでも野生のモンスターなら俺達を倒す、もしくは食うために本物の殺意を持って襲い掛かる。
そういう相手は弱くても強くても良い刺激になるんだよ。殺し合いとはこういう物だって思い出させてくれる。

「一応セルシアとロックスにも声を掛けておくか」

全員で行くとルーティも含めて数は十……ちょっと多いな。
大抵のモンスターは容姿で威圧感の無い俺らに襲ってくるとは思うが、数が十だともしかしたらビビッて襲い掛かってこないパターンがあるかもな。

なら一応数を半分に分けた方が良さそうだ。

「……ラガスさん、それって手甲と手袋外せた方が良く無いですか? 指輪型のマジックアイテムだってあるのでその方が邪魔にならないかと」

「・・・・・・その通りだな。手袋はぶっちゃけ補助様だし」

というか、寧ろ手袋は素手で戦う人用のサポートアイテムだな。
後衛職の事を考えれば手甲だけで十分か。

俺の考える理想的な後衛職がいるかもしれないけど……とりあえず今は手甲だけで十分か。

「そろそろ晩飯の時間だけどどうしますか?」

「もうそんな時間か……一旦止めて夕食にするか」

今日はどんな飯にしようか……美味い学食ってホント素晴らしいな。

錬金術科の授業終わりに講師であるヴィーネ先生の元に向かい、声を掛ける。

「先生、ちょっと良いですか」

「はい、大丈夫ですよ。授業の中で何か分からない事でもありましたか?」

いや、授業内容はとても分かりやすかった。
興味が無い人からすれば子守歌だろうけど。

「造った道具を見て欲しいんです」

「……そうなんですね!!」

のわっ!? 澄ました笑顔が急に輝きだした!
いきなりその笑顔は止めた方が良いと思いますよ。

その笑顔を見た俺以外の男子生徒が顔を赤くしちゃってるじゃないですか。

「それでは私の研究室に行きましょう。個人の作品の情報はしっかりと守らなければなりませんからね!!」

「分かりました。メリル、シュラやセルシアに伝えといてくれ」

「かしこまりました。後でお伺いすればいいでしょうか」

「それで頼む」

魔道具に興味津々な人でも作成者の生徒をどうこうしようと考える馬鹿で反対では無いだろ。

「ラガス君はセルシアさんと上手くいっていますか?」

「それはパートナー的な意味でですか? それなら問題無いかと思います。一応この学園に入学する前から面識はあったんで」

「そうだったんですね!」

ヴィーネ先生……もしかしてクールでエロい割には恋バナとか好きなのか?
いや、女子は大抵そういう話が好きな生き物か。

「恋人らしい事はもうしたんですか?」

「いや……特には無いですね。出かける時はありますが、メリル達も一緒なんで」

「そうなんですか? あれだけ可愛い子と一緒なのでもう一線を越えてしまったのかと思っていました」

おいおい、流石にそりゃぶっこみ過ぎじゃないか先生!?

「もしかして一線を越えたのはサルネさんとですか? それはそれで面白い展開ですね」

「ッ!!?? ヴぃ、ヴィーネ先生もその話を知ってるんですか?」

「勿論じゃないですか。サルネさん……それとセットでアリク君も先生達の間では有名でしたからね。自分より実力が上の好きな子を追いかけるアリク君。そのアリク君の挑戦を楽しそうな表情で受けるサルネさん。教師達の間では卒業するまでにアリク君の思いが勝利を呼び寄せるか否かで賭けが行われていた程です」

まてまてまて、教師がそんな内容を賭けの対象にして良いのかよ。
教師がそんな事をしてるのなら、生徒達だってどっちらかの勝ちに賭けたりしてたのかもな。

「結局ラガス君が横から掻っ攫う形になりましたけどね」

いや、別に掻っ攫てはいませんけどね。

「さて、着きました。ここが私の研究室です。中に入ってください、そこまで汚く無いので安心してください」

そこまで汚く無いという事はちょっとは汚いのか?
まぁいいや。とりあえず入ろう。
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