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手札は多い
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そろそろ時間切れかな?
戦い始めてからもう何分経ったのかいまいち覚えていないけど、四分ぐらいは経っている筈だ。
もうサルネさんの攻撃パターンは理解したし、攻撃が俺に当たることは無い。
それに比べて速度はこちらが上だから俺の攻撃はある程度当たる。
骨は折れていないが、もしかしたら罅が入っている可能性はある。
これ以上手札が無いんだったら、そろそろ終わらせるとするか。
「安心してよ。まだカードはあるからさ」
俺の感情を読んだのか、不敵な笑みを浮かべながらサルネさんは後方へ飛んだ。
左手を前に出し、右拳を下げて深く構える。
そしておそらく最後の力を振り絞り、魔闘気を一気に開放した。
その魔闘気は右拳に一点集中し始める。
いやいやいやーーー……そりゃぁ~、本当に喰らう訳にはいかないな。
ならこっちもそれ相応の攻撃で相殺させてもらうか。
サルネさんと同じ構えを取り、魔闘気を右拳に集中させる。
ただ、サルネさんの拳には魔闘気にプラスして風の魔力がプラスされている。
もしかしたら威力で負ける、かもしれない。
なら、こっちは獣の魔力で勝負だ。
「タイガーフィストッ!!!!!!」
「狼旋弾ッ!!!!!!!」
お互いに放った一撃が風の虎に、獰猛な狼となって中央で激突する。
その衝撃は足に力を入れて踏ん張っていないと尻もちをついてしまうほどに激しかった。
結果は相殺。
どちらにも被害は及ばず。
だが、どうやら向こうはガス欠みたいだな。
「へ、へへへ。さ、さすがだね。一応、私の切り札なんだけど、ね」
「切り札に相応しい威力だと思いますよ。ただ、俺は基本属性魔法が使えないだけで、手札は多いんですよ」
「なるほど、それじゃあ……今日は私の負けだね」
今日はって事は、またいつか模擬戦をするって事か?
まっ、それぐらいは構わないけど。
「そこまで、勝負あり。勝者はラガスだ!! にしてもお前、本当に強いな! 想像以上に凄いぜ!!」
「あ、ありがとうございます」
「本当に凄い戦いだった。改めて体術の凄さを思い知らされたよ」
あっ、合格発表の時にレックス先生と一緒にいたイケメンインテリメガネ。
「自己紹介をしていなかったね。ウェル・ラーザスという。三年生の魔法科を担当している者だ。君が三年生になる時を楽しみにしているよ」
「は、はい。その時はよろしくお願いします」
この人、やっぱりレックス先生同様に超強いよな。
サックス先生といい、教師陣マジで強い人しかいないのか?
いや、教える立場なんだから教師が強いのは当たり前だが。
「んじゃ、後は頑張れよラガス!!!」
「へ? は、はい!?」
頑張れって何を・・・・・・あっ、戦いに集中し過ぎて忘れてた。
「ラガス君、ちょっと良い?」
「は、はいっ!!?? な、なんでしょうか」
サルネさん、急に近づいてきてそんな耳元で喋らないでくれよ!!
背中がゾクゾクしてしまうだろ!!
「あのね、別に今すぐじゃなくて良いの。君には絶対に迷惑を掛けないからさ、もっと大人になってから君の種をちょうだい」
「わ……わかりました」
「ありがと!!! それじゃ、私がもっと強くなったらまた模擬戦してね」
それだけ言い終えると速足で去って行った。
「お疲れ様ラガス。最後の一撃も流石だったわ」
「あ、ありがとうクレア姉さん。正直、最後のサルネさんの一撃は喰らっちゃダメだって本能的に思ったからさ」
「それで正解よ。あの技は人に対してめったに使わないのよ。モンスターには別だけど」
そりゃそうだろう。歳の近い奴らでよっぽど防御に特化していない奴なら喰らった場所の骨や肉がボキボキでボコボコにされる。
「それと、あの子のことちょっとは気にかけてあげてね」
「・・・・・・うっす」
戦い始めてからもう何分経ったのかいまいち覚えていないけど、四分ぐらいは経っている筈だ。
もうサルネさんの攻撃パターンは理解したし、攻撃が俺に当たることは無い。
それに比べて速度はこちらが上だから俺の攻撃はある程度当たる。
骨は折れていないが、もしかしたら罅が入っている可能性はある。
これ以上手札が無いんだったら、そろそろ終わらせるとするか。
「安心してよ。まだカードはあるからさ」
俺の感情を読んだのか、不敵な笑みを浮かべながらサルネさんは後方へ飛んだ。
左手を前に出し、右拳を下げて深く構える。
そしておそらく最後の力を振り絞り、魔闘気を一気に開放した。
その魔闘気は右拳に一点集中し始める。
いやいやいやーーー……そりゃぁ~、本当に喰らう訳にはいかないな。
ならこっちもそれ相応の攻撃で相殺させてもらうか。
サルネさんと同じ構えを取り、魔闘気を右拳に集中させる。
ただ、サルネさんの拳には魔闘気にプラスして風の魔力がプラスされている。
もしかしたら威力で負ける、かもしれない。
なら、こっちは獣の魔力で勝負だ。
「タイガーフィストッ!!!!!!」
「狼旋弾ッ!!!!!!!」
お互いに放った一撃が風の虎に、獰猛な狼となって中央で激突する。
その衝撃は足に力を入れて踏ん張っていないと尻もちをついてしまうほどに激しかった。
結果は相殺。
どちらにも被害は及ばず。
だが、どうやら向こうはガス欠みたいだな。
「へ、へへへ。さ、さすがだね。一応、私の切り札なんだけど、ね」
「切り札に相応しい威力だと思いますよ。ただ、俺は基本属性魔法が使えないだけで、手札は多いんですよ」
「なるほど、それじゃあ……今日は私の負けだね」
今日はって事は、またいつか模擬戦をするって事か?
まっ、それぐらいは構わないけど。
「そこまで、勝負あり。勝者はラガスだ!! にしてもお前、本当に強いな! 想像以上に凄いぜ!!」
「あ、ありがとうございます」
「本当に凄い戦いだった。改めて体術の凄さを思い知らされたよ」
あっ、合格発表の時にレックス先生と一緒にいたイケメンインテリメガネ。
「自己紹介をしていなかったね。ウェル・ラーザスという。三年生の魔法科を担当している者だ。君が三年生になる時を楽しみにしているよ」
「は、はい。その時はよろしくお願いします」
この人、やっぱりレックス先生同様に超強いよな。
サックス先生といい、教師陣マジで強い人しかいないのか?
いや、教える立場なんだから教師が強いのは当たり前だが。
「んじゃ、後は頑張れよラガス!!!」
「へ? は、はい!?」
頑張れって何を・・・・・・あっ、戦いに集中し過ぎて忘れてた。
「ラガス君、ちょっと良い?」
「は、はいっ!!?? な、なんでしょうか」
サルネさん、急に近づいてきてそんな耳元で喋らないでくれよ!!
背中がゾクゾクしてしまうだろ!!
「あのね、別に今すぐじゃなくて良いの。君には絶対に迷惑を掛けないからさ、もっと大人になってから君の種をちょうだい」
「わ……わかりました」
「ありがと!!! それじゃ、私がもっと強くなったらまた模擬戦してね」
それだけ言い終えると速足で去って行った。
「お疲れ様ラガス。最後の一撃も流石だったわ」
「あ、ありがとうクレア姉さん。正直、最後のサルネさんの一撃は喰らっちゃダメだって本能的に思ったからさ」
「それで正解よ。あの技は人に対してめったに使わないのよ。モンスターには別だけど」
そりゃそうだろう。歳の近い奴らでよっぽど防御に特化していない奴なら喰らった場所の骨や肉がボキボキでボコボコにされる。
「それと、あの子のことちょっとは気にかけてあげてね」
「・・・・・・うっす」
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