万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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やっぱり意外だよな

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「まっ、やっぱり驚くよな」

ハンター科の授業を受けるために初日は講義なので教室に集まっている。
ハンター科の授業を受ける者はやはりそんなに多くは無い。
貴族の子息、令嬢である自分がハンターなんて職業に就くなんてあり得ないって考えてる奴らが多いんだろうな。

安定した生活が送れるとは決まっていないからその気持ちは解らんでもない。

ただ、そんな少人数の中で公爵令嬢がいれば注目されるのは当たり前か。

「みんなセルシアに注目してるな」

「私が、ハンターに目指すのが、珍しいだけ。それ以外に、特に理由は無い、と思う」

いやいや、それだけが理由じゃないな。
もしかしたら……ワンチャン、学園を卒業した時にセルシアと一緒にパーティーを組めるかもしれないと、そんな希望を持っている目をしている。
特に男子が。

悪いけど、卒業するときに特に新しいメンバーを入れるつもりは無いんだよな。
メリルとシュラは当然俺に付いてくる。
キリアさんとルーンもセルシアに付いてくるはずだ。

そうなるとメンバーは計六人。
それ以上の人数はかえって邪魔になる。

担当教師のバラックという父さんと同じ元シルバーランクの男性教師と、同じく元シルバーランクのレイラという女性教師が教室に入り、軽く自己紹介を終えた後にこれから授業内で組むペアを決める。

ただ、それは教師の二人が元々持っていた資料から独断で決めた。
それでも結果的に俺とセルシアが離れることは無い。

ロックスが組んだ女子生徒はどうやらロックスと面識があったようで仲が良さそうだ。

そしていつも通り男子から俺に嫉妬の視線が送られるが、送られたところでどうこうなる訳ではないので反応しない。
教師にこれから組むパーティーを決められた事で席順変更し、それからようやく授業が始まる。

授業は流石教師をやっているだけあって中々分かりやすい。
最初の授業なので大まかなハンターのルールや暗黙の了解的な内容を教えてくれ、その後はハンターに成りたてのルーキーが受ける依頼について分かりやすく教えてくれた。

薬草の採集では採集のやり方に根まで抜かないという事以外に特に気を付けることは無いと思っていたが、なんと先輩冒険者がここは自分達の縄張りだと決めている可能性があるらしい。
理不尽過ぎんだろ。

なんだその
意味わからんルールは。基本的に元を辿れば領主の物じゃないのか?
そんな暴論を唱える領主はいないと思うが。

そういった場合は特に逆らうことなく、引き下がるのが一番良いらしい。
ガキ大将みたいな事をやっている馬鹿共は所詮、そこから上がることが出来ないロートル。
だから才あるお前達がそんなところでこれからの同業者との関係に罅を入れる必要は無い、とのこと。

才能は生徒達の方が上であったとしても、実戦経験の数は向こうの方が上だろうからな。
直接戦って勝てる可能性があったとしても、百パーセント勝てる訳では無い。
もし負けてしまったら……今のこいつらにはゾッとするような結果が待ってる。

でも、俺だったら迷わずぶっ潰してしまいそうだな。

「さて、お前達が最初に受ける討伐依頼はスライムやゴブリン、ホーンラビットやラットだと思うが、どんなモンスターが相手でも決して油断するなよ」

バラック先生の表情があまりにも真剣なので生徒たちはたかがスライムやゴブリンに何故そこまで警戒しなければ、とは言えなかった。

「理由は……ラガス、解るか?」

「生物は生存競争で勝った瞬間に一番気が抜けます。低ランクのモンスター達にどこまでの知能があるか分かりませんが、ゴブリンなら身を潜めて相手が油断している隙を付いて殺したり、死んだふりをして相手が近づいてきた瞬間に殺しに来るとかと」

あいつら賢いっつーか、ずる賢いからな。
結構油断出来ない。殺すときはいつも脳天か心臓を狙って殺してる。

「それに仮にゴブリンに倒されれば、待っているのは悲惨な結末だけかと」

「大正解だ。良く勉強しているな。今ラガスが言った通り、低ランクのモンスターだからといって油断していいモンスターはいない。特に駆け出しの場合だとな特にな」

悲惨な結果になってしまった同業者を知っているのか、二人の顔は少し険しくなっていた。
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