万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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嬉しい、けれども

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「俺が鍛冶の授業をねぇ……構わないぞ。ただ、そこまで大したことは教えられないと思うけどな」

臨時教師で現役のハンターであるドムはあっさりとシュラに鍛冶について教えることを承諾する。
ドムに頭を下げて礼を言い、ラガス達はその場から去る。

残ったドムはシュラに何を教えたらいいのかさっそく悩んでいた。

(シュラって子が造った武器を見せてもらったが、あの子ぐらいの年齢の者が造る武器にしては十分に合格ラインを超えている)

造るのに掛かる日数に関しては人族よりも力があり、さらに鬼火という鬼人族だけが使うことが出来る火により手間がかからない。
スタミナも常人より多いラガスは一つの武器を造るのに簡単な物なら一日のうちに終わらせてしまう。

(まだまだ鍛冶のアビリティレベルは低いが、それでも才能はある。そのまんまだが、鬼才というべき才だ)

見せてもらった武器自体は凡庸品であるが、それでも確かにシュラの信念が籠った一作。

「立場はシュラと似たようなもんだが、俺もまだまだって思い知らされるな」

現役のハンターでありながらその合間に鍛冶を行う。
主人に仕える執事でありながら趣味で鍛冶を行う。

(それでも俺が鍛冶を始めて数年の時と比べてどっこいどっこいか少し上。あいつにはまだまだ先があるからいずれ超えられるのも時間の問題か)

一時の間とはいえ、教える立場になるのだから適当な真似は出来ない。
臨時教師としてハンター志望の生徒に戦い方等を教えるときにも自分の話を真面目に聞き、努力を怠らない生徒には
真摯に向き合ってきたドム。

「鍛冶は趣味だと言っていたが、それでも目はマジだった。ならそれにしっかりと応えないとな」

ドムはシュラに教える資料を集めるためにある人物の元へ向かった。


SIDE ラガス

「気の良さそうな人だったな」

「そうですね。ただ……失礼だと分かっているのですが、顔が中々に厳つい方でしたね」

「は、ははは。まぁ、否定は出来ないな」

ありゃ小さい子供が顔を見たら泣きながら逃げ出すと思う。
でも生徒が文句を言わさなそうだし、それを考えると良くない事ばかりではないか。

「俺はあんまりそういう感じに思わなかったっすけど」

「そりゃあ、シュラも厳ついって程怖くは無いが、優しい印象を与える顔じゃないからな」

でも信用出来る人だと思う。
理由なんてなく、ただの直感だけどな。

「確かに俺は同学年の執事達の中でも結構怖い系の顔だって言われたっす」

「そうなのか。てか、お前ら同級生から一緒に飯を食べようとか遊びに行こうって誘いは無いのか?」

シュラは確かに強面で十二歳の容姿には思えないが、それでもイケメンの分類だ。体も鍛えてるからマッチョだしな。
メリルに関しては殆ど欠点が無い気がする。初対面で馴れ馴れしい相手などには超塩……じゃなくて唐辛子対応だろうけど、きちんと接してくる相手には普通に対応するだろ。

それに顔は言うまでもなく美人でスタイル今でさえちょっと良い感じだ。
成人になるまでにはきっとナイスバディなプロポーションを得ている筈。

なので二人とも一緒に行動するだけで得だと思って寄ってくる同級生がいると思うのだが。

「今のところ全部断っています」

「自分も同じっす」

「……一応理由を訊いておくぞ。なんでだ?」

何となく分かる。というか予想がつく。

「ラガス坊ちゃまに何かあってはいけないので」

「自分も同じ理由っすね。自分はラガスさんの盾っすから」

・・・・・・嬉しいよ。物凄く嬉しいですよ。
ただ、たださ! もう少し楽しんでくれても良いんだよ!!!

外に出るときはいつもルーティを連れて行くようにしてるからさ。

「お前ら、次からは誘いがあったら適当に乗ってやれ」

「しかし、それでは万が一の場合「万が一って思ってるんだろ。ならそんな可能性は殆ど来ないっての」そ、そうかもしれませんね」

俺の事を心配してくれてんのは嬉しいが、もう少し自分の為に日々を過ごして欲しい。

「誘いに全て乗る必要は無い。自分を狙っている、もしくは利用しようとしている奴らの誘いは断って構わん。ただ、本当に友人になれそうな奴らからの誘いには乗ってやれ。こういった環境で過ごせる期間はこの先おそらく無いだろうからな」
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