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本当にこうなるとは

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入学式当日、学園から送られて来た制服を着て正門の前に立っている。
そして横には前回と同じくセルシアいる。

「学生かぁ・・・・・・」

「ラガスは、学生になるのが、嫌なの?」

「嫌では無いよ。ただちょっと面倒だなって思ってるだけ。課題とか、馬鹿な奴らとかの事を考えるとな」

しっかりと勉強しなきゃ後々困るってのは前世で学んだから大丈夫だが、馬鹿で阿呆な奴らを大事にならずになんとか出来るかは解らんからな。

「今からそんな事を考えていてどうするんですか。学園生活初日からそんな面倒事が起きたりしませんよラガス坊ちゃま」

「俺も流石に学園が社会の縮図とは言っても、最初から教師に目を付けられるような真似をするような馬鹿はいないと思うっすよ」

そうか? まぁ、そうだと良いんだけどな。

でも中に入ってから好機と嫉妬の視線に晒されるのは前回と一緒か。
好奇の視線は女子生徒、嫉妬の視線は男子生徒。

男子生徒が俺に嫉妬の視線を向けるのは解る。ただ女子生徒が好奇の視線を向けてくる理由が今一つ解らん。

「というか、今どこに向かってるんだ? 入学式を行う会場では無い気がするんだが」

「ラガス坊ちゃま、お忘れですか? まずは入学式の前に魔力の波長を調査するんですよ」

・・・・・・あぁ~~~~、今の今まで完全に頭からすっぽ抜けてた。
というか待てよ、それじゃもしかしたらさっきの二人の入学式だから面倒事は起こらないであろうという言葉はフラグか!!??

勘弁してくれよぉ。

「ラガス様、突然表情が暗くなりましたが大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫ですキリアさん。特に体調が悪い訳では無いんで」

単純に気分が沈んでるだけだ。

「それでは私達はここでお持ちしておりますので」

「おう、また後でな」

生徒だけの長蛇の列に俺達二人も並ぶ。
生徒達の表情は様々だ。

何かに祈り、万が一、億が一を願う者。

どうせ何もないだろうと思い、早く終われとつまらなさそうな顔をしている者。

思い人に熱い視線を送っている者。

確かにこの検査で自身の未来が変わると言っても可笑しくは無い。
パートナーが見つかった場合、二人の間に存在する壁はあって無い様な者だからな。

そして頼むから大勢の男子生徒よ、そろそろ俺に向けるその嫉妬や殺意に満ちた視線を止めてくれ。
セルシアの機嫌がどんどん悪くなっていってるんだぞ。

表情にあまり変化が無いから解らないかもしれないけど。

「やっぱり、大した事無い人が、多い」

小声でそう発するセルシアだが、俺以外にもセルシアの前の人物には聞こえた筈だ。
あんまりそういう事は今言わない方が良いっすよセルシアさん。要らない恨みを買ってしまうかもしれないし。

「そろそろ、だね」

「あ、ああ。そろそろ俺達の番だな」

今のところパートナーになった者はいないらしく、魔道具を確認する教師はつまらなさそうな顔をしている。
これから入学式だってのに、教師がそんな表情していて良いのかよ。

「私の番」

魔道具に手を当て、波長のデータが送られる。
教師の反応をチラッと見るが、今現在試した生徒の中にパートナーはどうやらいないようだ。

「俺の番、か」

教師に名前を言って魔道具に手を当てる。
手を当てるまでたった数秒。いや、一秒程度か。
なのに俺には手を当てるまでの時間が三十秒ぐらいに感じた。

手が当たるまでに多くの考えが頭の中を飛び交う。

そして俺の魔力の波長データが魔道具に読み込まれた。

セルシアの時と同じく教師の反応を確認する。

あっ、この表情は・・・・・・・・・・・・マジでか。
もしかしたらって多少が思っていたけど、本当に万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるんだな。
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