181 / 954
本当にこうなるとは
しおりを挟む
入学式当日、学園から送られて来た制服を着て正門の前に立っている。
そして横には前回と同じくセルシアいる。
「学生かぁ・・・・・・」
「ラガスは、学生になるのが、嫌なの?」
「嫌では無いよ。ただちょっと面倒だなって思ってるだけ。課題とか、馬鹿な奴らとかの事を考えるとな」
しっかりと勉強しなきゃ後々困るってのは前世で学んだから大丈夫だが、馬鹿で阿呆な奴らを大事にならずになんとか出来るかは解らんからな。
「今からそんな事を考えていてどうするんですか。学園生活初日からそんな面倒事が起きたりしませんよラガス坊ちゃま」
「俺も流石に学園が社会の縮図とは言っても、最初から教師に目を付けられるような真似をするような馬鹿はいないと思うっすよ」
そうか? まぁ、そうだと良いんだけどな。
でも中に入ってから好機と嫉妬の視線に晒されるのは前回と一緒か。
好奇の視線は女子生徒、嫉妬の視線は男子生徒。
男子生徒が俺に嫉妬の視線を向けるのは解る。ただ女子生徒が好奇の視線を向けてくる理由が今一つ解らん。
「というか、今どこに向かってるんだ? 入学式を行う会場では無い気がするんだが」
「ラガス坊ちゃま、お忘れですか? まずは入学式の前に魔力の波長を調査するんですよ」
・・・・・・あぁ~~~~、今の今まで完全に頭からすっぽ抜けてた。
というか待てよ、それじゃもしかしたらさっきの二人の入学式だから面倒事は起こらないであろうという言葉はフラグか!!??
勘弁してくれよぉ。
「ラガス様、突然表情が暗くなりましたが大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですキリアさん。特に体調が悪い訳では無いんで」
単純に気分が沈んでるだけだ。
「それでは私達はここでお持ちしておりますので」
「おう、また後でな」
生徒だけの長蛇の列に俺達二人も並ぶ。
生徒達の表情は様々だ。
何かに祈り、万が一、億が一を願う者。
どうせ何もないだろうと思い、早く終われとつまらなさそうな顔をしている者。
思い人に熱い視線を送っている者。
確かにこの検査で自身の未来が変わると言っても可笑しくは無い。
パートナーが見つかった場合、二人の間に存在する壁はあって無い様な者だからな。
そして頼むから大勢の男子生徒よ、そろそろ俺に向けるその嫉妬や殺意に満ちた視線を止めてくれ。
セルシアの機嫌がどんどん悪くなっていってるんだぞ。
表情にあまり変化が無いから解らないかもしれないけど。
「やっぱり、大した事無い人が、多い」
小声でそう発するセルシアだが、俺以外にもセルシアの前の人物には聞こえた筈だ。
あんまりそういう事は今言わない方が良いっすよセルシアさん。要らない恨みを買ってしまうかもしれないし。
「そろそろ、だね」
「あ、ああ。そろそろ俺達の番だな」
今のところパートナーになった者はいないらしく、魔道具を確認する教師はつまらなさそうな顔をしている。
これから入学式だってのに、教師がそんな表情していて良いのかよ。
「私の番」
魔道具に手を当て、波長のデータが送られる。
教師の反応をチラッと見るが、今現在試した生徒の中にパートナーはどうやらいないようだ。
「俺の番、か」
教師に名前を言って魔道具に手を当てる。
手を当てるまでたった数秒。いや、一秒程度か。
なのに俺には手を当てるまでの時間が三十秒ぐらいに感じた。
手が当たるまでに多くの考えが頭の中を飛び交う。
そして俺の魔力の波長データが魔道具に読み込まれた。
セルシアの時と同じく教師の反応を確認する。
あっ、この表情は・・・・・・・・・・・・マジでか。
もしかしたらって多少が思っていたけど、本当に万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるんだな。
そして横には前回と同じくセルシアいる。
「学生かぁ・・・・・・」
「ラガスは、学生になるのが、嫌なの?」
「嫌では無いよ。ただちょっと面倒だなって思ってるだけ。課題とか、馬鹿な奴らとかの事を考えるとな」
しっかりと勉強しなきゃ後々困るってのは前世で学んだから大丈夫だが、馬鹿で阿呆な奴らを大事にならずになんとか出来るかは解らんからな。
「今からそんな事を考えていてどうするんですか。学園生活初日からそんな面倒事が起きたりしませんよラガス坊ちゃま」
「俺も流石に学園が社会の縮図とは言っても、最初から教師に目を付けられるような真似をするような馬鹿はいないと思うっすよ」
そうか? まぁ、そうだと良いんだけどな。
でも中に入ってから好機と嫉妬の視線に晒されるのは前回と一緒か。
好奇の視線は女子生徒、嫉妬の視線は男子生徒。
男子生徒が俺に嫉妬の視線を向けるのは解る。ただ女子生徒が好奇の視線を向けてくる理由が今一つ解らん。
「というか、今どこに向かってるんだ? 入学式を行う会場では無い気がするんだが」
「ラガス坊ちゃま、お忘れですか? まずは入学式の前に魔力の波長を調査するんですよ」
・・・・・・あぁ~~~~、今の今まで完全に頭からすっぽ抜けてた。
というか待てよ、それじゃもしかしたらさっきの二人の入学式だから面倒事は起こらないであろうという言葉はフラグか!!??
勘弁してくれよぉ。
「ラガス様、突然表情が暗くなりましたが大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですキリアさん。特に体調が悪い訳では無いんで」
単純に気分が沈んでるだけだ。
「それでは私達はここでお持ちしておりますので」
「おう、また後でな」
生徒だけの長蛇の列に俺達二人も並ぶ。
生徒達の表情は様々だ。
何かに祈り、万が一、億が一を願う者。
どうせ何もないだろうと思い、早く終われとつまらなさそうな顔をしている者。
思い人に熱い視線を送っている者。
確かにこの検査で自身の未来が変わると言っても可笑しくは無い。
パートナーが見つかった場合、二人の間に存在する壁はあって無い様な者だからな。
そして頼むから大勢の男子生徒よ、そろそろ俺に向けるその嫉妬や殺意に満ちた視線を止めてくれ。
セルシアの機嫌がどんどん悪くなっていってるんだぞ。
表情にあまり変化が無いから解らないかもしれないけど。
「やっぱり、大した事無い人が、多い」
小声でそう発するセルシアだが、俺以外にもセルシアの前の人物には聞こえた筈だ。
あんまりそういう事は今言わない方が良いっすよセルシアさん。要らない恨みを買ってしまうかもしれないし。
「そろそろ、だね」
「あ、ああ。そろそろ俺達の番だな」
今のところパートナーになった者はいないらしく、魔道具を確認する教師はつまらなさそうな顔をしている。
これから入学式だってのに、教師がそんな表情していて良いのかよ。
「私の番」
魔道具に手を当て、波長のデータが送られる。
教師の反応をチラッと見るが、今現在試した生徒の中にパートナーはどうやらいないようだ。
「俺の番、か」
教師に名前を言って魔道具に手を当てる。
手を当てるまでたった数秒。いや、一秒程度か。
なのに俺には手を当てるまでの時間が三十秒ぐらいに感じた。
手が当たるまでに多くの考えが頭の中を飛び交う。
そして俺の魔力の波長データが魔道具に読み込まれた。
セルシアの時と同じく教師の反応を確認する。
あっ、この表情は・・・・・・・・・・・・マジでか。
もしかしたらって多少が思っていたけど、本当に万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるんだな。
55
お気に入りに追加
3,490
あなたにおすすめの小説
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる