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兄姉という存在
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「何を黄昏ているんだ、ラガス?」
「カロウス兄さん・・・・・・」
摸擬戦から時間が経ち、夕食を終えて既に日が落ちている。
俺は自室のベランダでのんびりと空を眺めていた。
カロウス兄さんがここにいるって事はノックしから入って来たんだよな。
その音が耳に入っていない程ボーっとしてたのか俺は。
「何か心配事でもあるのか?」
「いや、何と言うか・・・・・・女子って怖いんだなと思って」
「ははは、昼間のシーリアの話か。まぁ、確かにあれは嘘や冗談では無く本当の話だ」
やっぱりか。
シーリアさんってあまり冗談や嘘をつくタイプには見えないからな。
セルシアはああいった事は考えなさそうなタイプだが、他の令嬢たちは・・・・・・学園に入学したらあんまり女子と関わりたくない。
「安心するんだ。そういった令嬢がいるのは事実だが、殆どの令嬢はそこまで頭が冴えてはいないよ」
「そうなんだ」
でも基本的に女子は腹黒いって前世では常識だったからな。
この世界で貴族なんて社会の中に生きている女なんてもっと黒黒真っ黒でブラックホールみたいな感じじゃないのか?
「学園に入学してからの事に関してはまず、入学式での面倒事について考えておいた方が良いんじゃないのか?」
「別にセルシア・ロウレットがパートナーだと決まった訳ではありませんよ」
「確証は無くても、そう感じてはいるんだろ」
「・・・・・・まぁ、そう感じなくはないですけど」
もしセルシアがパートナーだった嬉しいのかと聞かれれば、それはいまいち解らん。
まずは降りかかる面倒事が先に浮かんでしまう。
「何にせよ、ラガスは少し災難に愛されているのかもしれないな」
「寒気がするような予言は止めてくださいよ。ちょっとそういった過去が思い浮かばない訳じゃ無いんですから」
いや、災難が降りかかったとしても目立たなければ俺的にはオーケーなんだが、基本的に楽しめると思う事以外には労力を使いたくない。
「すまんすまん。ただ、ラガスならそういった事は全部跳ね返せるだろ」
「買いかぶり過ぎですよ。けど、一応そういった事に対してどう対処しようかは考えています」
学園に入学する前に始めようと思ってるんだが・・・・・・全力の俺とルーフェイスなら何とかなるよな?
「珍しいじゃないか、随分と悪そうな顔をしているね。かなり危険を犯すが、それでも得る物は大きいってところかな」
「そうだね、王都にいる間は大きな力となる。ただ、カロウス兄さんの言う通り、かなり危険だけど」
「そうか・・・・・・ただ、その危険に負けるつもりは一切無いんだろ」
こっちの眼を真っ直ぐ見てくるカロウス兄さん。
そこまで俺の力を信用してくれているのはやっぱり嬉しい。
「ただ、無茶はほどほどにな。お前が傷つけば悲しむ人はたくさんいるんだからな」
そう言いながらカロウス兄さんは俺の頭を撫でる。
ふふ、やっぱり上の兄姉ってのは良いな。アリクは論外だけど。
「そういえばクレナからの手紙で知ったんだが、どうやらアリクがある女子生徒に夢中になっているらしいぞ」
おっと、アリクの事をディスっていたら急にアリクの話題になった。
にしてもあいつが惚れた女子生徒ねぇ・・・・・・やっぱりスタイルが良いのは絶対として、性格はクール、ツンデレ、真面目、天然のどれかか?
「なんでもその女子生徒はクレアのお友達らしいんだ」
「えっ、それなら友達に迷惑を掛けるなって、クレア姉さんにぶっ飛ばされるんじゃないんですか?」
「はっはっは。クレアだってそこまで鬼では無いだろう。それにアリクは真っ当にその女子生徒に交際を申し込んでいるらしいからな」
「あのアリクが・・・・・・」
俺にメリルを寄越せとかほざいていたあのアリクがねぇ・・・・・・まぁ、あいつにとっても筋の通った男を見せる場面という事か。
「カロウス兄さん・・・・・・」
摸擬戦から時間が経ち、夕食を終えて既に日が落ちている。
俺は自室のベランダでのんびりと空を眺めていた。
カロウス兄さんがここにいるって事はノックしから入って来たんだよな。
その音が耳に入っていない程ボーっとしてたのか俺は。
「何か心配事でもあるのか?」
「いや、何と言うか・・・・・・女子って怖いんだなと思って」
「ははは、昼間のシーリアの話か。まぁ、確かにあれは嘘や冗談では無く本当の話だ」
やっぱりか。
シーリアさんってあまり冗談や嘘をつくタイプには見えないからな。
セルシアはああいった事は考えなさそうなタイプだが、他の令嬢たちは・・・・・・学園に入学したらあんまり女子と関わりたくない。
「安心するんだ。そういった令嬢がいるのは事実だが、殆どの令嬢はそこまで頭が冴えてはいないよ」
「そうなんだ」
でも基本的に女子は腹黒いって前世では常識だったからな。
この世界で貴族なんて社会の中に生きている女なんてもっと黒黒真っ黒でブラックホールみたいな感じじゃないのか?
「学園に入学してからの事に関してはまず、入学式での面倒事について考えておいた方が良いんじゃないのか?」
「別にセルシア・ロウレットがパートナーだと決まった訳ではありませんよ」
「確証は無くても、そう感じてはいるんだろ」
「・・・・・・まぁ、そう感じなくはないですけど」
もしセルシアがパートナーだった嬉しいのかと聞かれれば、それはいまいち解らん。
まずは降りかかる面倒事が先に浮かんでしまう。
「何にせよ、ラガスは少し災難に愛されているのかもしれないな」
「寒気がするような予言は止めてくださいよ。ちょっとそういった過去が思い浮かばない訳じゃ無いんですから」
いや、災難が降りかかったとしても目立たなければ俺的にはオーケーなんだが、基本的に楽しめると思う事以外には労力を使いたくない。
「すまんすまん。ただ、ラガスならそういった事は全部跳ね返せるだろ」
「買いかぶり過ぎですよ。けど、一応そういった事に対してどう対処しようかは考えています」
学園に入学する前に始めようと思ってるんだが・・・・・・全力の俺とルーフェイスなら何とかなるよな?
「珍しいじゃないか、随分と悪そうな顔をしているね。かなり危険を犯すが、それでも得る物は大きいってところかな」
「そうだね、王都にいる間は大きな力となる。ただ、カロウス兄さんの言う通り、かなり危険だけど」
「そうか・・・・・・ただ、その危険に負けるつもりは一切無いんだろ」
こっちの眼を真っ直ぐ見てくるカロウス兄さん。
そこまで俺の力を信用してくれているのはやっぱり嬉しい。
「ただ、無茶はほどほどにな。お前が傷つけば悲しむ人はたくさんいるんだからな」
そう言いながらカロウス兄さんは俺の頭を撫でる。
ふふ、やっぱり上の兄姉ってのは良いな。アリクは論外だけど。
「そういえばクレナからの手紙で知ったんだが、どうやらアリクがある女子生徒に夢中になっているらしいぞ」
おっと、アリクの事をディスっていたら急にアリクの話題になった。
にしてもあいつが惚れた女子生徒ねぇ・・・・・・やっぱりスタイルが良いのは絶対として、性格はクール、ツンデレ、真面目、天然のどれかか?
「なんでもその女子生徒はクレアのお友達らしいんだ」
「えっ、それなら友達に迷惑を掛けるなって、クレア姉さんにぶっ飛ばされるんじゃないんですか?」
「はっはっは。クレアだってそこまで鬼では無いだろう。それにアリクは真っ当にその女子生徒に交際を申し込んでいるらしいからな」
「あのアリクが・・・・・・」
俺にメリルを寄越せとかほざいていたあのアリクがねぇ・・・・・・まぁ、あいつにとっても筋の通った男を見せる場面という事か。
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