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いえいえ、興味では無く好意です
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おっ、やっと来た。
豪華な馬車からカロウス兄さんと一人の女性が降りて来た。
「久しぶりだねラガス。随分と背が伸びたじゃないか」
「カロウス兄さんと前に会ってからそこそこ月日が経っていますからね。これからまだまだ伸びる予定です」
「そうかそうか。まだまだこれから成長期なのだから伸びる筈だ。おっと、まずはしっかりと紹介しないとな。僕の婚約者のシーリア・ナウザースさんだ」
「カロウスの婚約者になったシーリアだ。よろしく頼むよ、ラガス君」
「こちらこそよろしくお願いします」
一応俺達も自己紹介的な事をした方が良いのか?
「改めてラガス・リゼートです。カロウス兄さんを今後ともよろしくお願いします」
「ラガス坊ちゃま専属メイドのメリルと申します」
「ラガスさんの専属執事のシュラと申します」
「メリルもラガスと同様に背が伸びたね。シュラ君には会うのは初めてだが、活躍はラガスの手紙から知っているよ。二人共今後ともラガスの事をよろしく頼むよ」
カロウス兄さんの言葉に二人は揃って返事をして頭を下げる。
軽く挨拶が終わったところで屋敷までは歩いて向かう。
「そういえば父さんと母さんからの手紙で知ったんだけど、ラガスにもようやく春が来たらしいじゃないか」
「別にそういう相手ではないよ。単純に向こうが俺に興味を持っただけ」
「興味を持っただけで相手の家に行こうとはしないよ。それが公爵家なら尚更ね。だからそれは興味より好意に近い感情を持たれているんだよ」
「・・・・・・あんまり感情を読めない人だから断言は出来ないよ」
色々と意味深な事は訊かれたけど、興味か好意を持たれているのか。
断言出来ないのが本音だ。
「メリルやシュラ君からはどう見えたかな?」
「ラガス坊ちゃまは否定されていますが、私は十分に好意を持たれているかと思います。セルシア・ロウレット様には婚約者がいるようですが、その方より断然ラガス坊ちゃまに夢中と言った状態かと」
いやいやいや、そこまでゾッコンみたいな感情は持っていない・・・・・・よな?
可愛い子にモテるのは確かに嬉しいが、せっかくそこまで顔が悪い訳では無いんだから多少は遊んでみたいと思ってるんだけどな。
「自分もセルシア・ロウレット様がラガスさんに向けている感情は興味というより好意かと思います。自分としてはそこら辺の女性よりもよっぽどラガスさんの隣に立つ人物として相応しいと思います」
おーーーーい、おいおいおい。なんか話が飛躍し過ぎじゃないかシュラ?
というかその言葉は大勢の女性に失礼だぞ。俺は確かにこの歳の事を考えると少し特殊な男かもしれないが、それ相応の歳になれば同年代の奴らにも似たような奴らが増えるかもしれないだろ。
だから俺はそこまで特別な考えは持っていない。考えはな。
「シュラの言う通りですね。それにラガス坊ちゃまも別れ際にプレゼントを渡していたじゃないですか」
おい、なんでそれを今ここで言うんだよ。
カロウス兄さんだけじゃなく、シーリアさんまで食いつくようにこっちを見てくるだろう。
「ほほ~~う。ラガスもなんだかんだそのセルシア・ロウレットに好意を持っているんじゃないか。シーリアもそう思うだろう?」
「ああ。傍から見ても二人の仲は良好と見て取れる」
そういうもんか? セルシア・ロウレットにプレゼントを渡す男子ぐらいは腐る程いそうな気がするが。
特にあの優男婚約者君とか。
まぁ、あのセルシア・ロウレットがそれらを貰って喜ぶかどうか・・・・・・基本的に表情は動かなさそうだな。
「ただ、そのせいでラガス坊ちゃまに災難が降りかかりましたけどね」
メリルの言葉に二人は心配そうな目をこちらに向ける。
お二人共、別にそんな深刻に面倒な話では安心してくれ。
俺にとって災難な事に変わりはないんだけどさ。
豪華な馬車からカロウス兄さんと一人の女性が降りて来た。
「久しぶりだねラガス。随分と背が伸びたじゃないか」
「カロウス兄さんと前に会ってからそこそこ月日が経っていますからね。これからまだまだ伸びる予定です」
「そうかそうか。まだまだこれから成長期なのだから伸びる筈だ。おっと、まずはしっかりと紹介しないとな。僕の婚約者のシーリア・ナウザースさんだ」
「カロウスの婚約者になったシーリアだ。よろしく頼むよ、ラガス君」
「こちらこそよろしくお願いします」
一応俺達も自己紹介的な事をした方が良いのか?
「改めてラガス・リゼートです。カロウス兄さんを今後ともよろしくお願いします」
「ラガス坊ちゃま専属メイドのメリルと申します」
「ラガスさんの専属執事のシュラと申します」
「メリルもラガスと同様に背が伸びたね。シュラ君には会うのは初めてだが、活躍はラガスの手紙から知っているよ。二人共今後ともラガスの事をよろしく頼むよ」
カロウス兄さんの言葉に二人は揃って返事をして頭を下げる。
軽く挨拶が終わったところで屋敷までは歩いて向かう。
「そういえば父さんと母さんからの手紙で知ったんだけど、ラガスにもようやく春が来たらしいじゃないか」
「別にそういう相手ではないよ。単純に向こうが俺に興味を持っただけ」
「興味を持っただけで相手の家に行こうとはしないよ。それが公爵家なら尚更ね。だからそれは興味より好意に近い感情を持たれているんだよ」
「・・・・・・あんまり感情を読めない人だから断言は出来ないよ」
色々と意味深な事は訊かれたけど、興味か好意を持たれているのか。
断言出来ないのが本音だ。
「メリルやシュラ君からはどう見えたかな?」
「ラガス坊ちゃまは否定されていますが、私は十分に好意を持たれているかと思います。セルシア・ロウレット様には婚約者がいるようですが、その方より断然ラガス坊ちゃまに夢中と言った状態かと」
いやいやいや、そこまでゾッコンみたいな感情は持っていない・・・・・・よな?
可愛い子にモテるのは確かに嬉しいが、せっかくそこまで顔が悪い訳では無いんだから多少は遊んでみたいと思ってるんだけどな。
「自分もセルシア・ロウレット様がラガスさんに向けている感情は興味というより好意かと思います。自分としてはそこら辺の女性よりもよっぽどラガスさんの隣に立つ人物として相応しいと思います」
おーーーーい、おいおいおい。なんか話が飛躍し過ぎじゃないかシュラ?
というかその言葉は大勢の女性に失礼だぞ。俺は確かにこの歳の事を考えると少し特殊な男かもしれないが、それ相応の歳になれば同年代の奴らにも似たような奴らが増えるかもしれないだろ。
だから俺はそこまで特別な考えは持っていない。考えはな。
「シュラの言う通りですね。それにラガス坊ちゃまも別れ際にプレゼントを渡していたじゃないですか」
おい、なんでそれを今ここで言うんだよ。
カロウス兄さんだけじゃなく、シーリアさんまで食いつくようにこっちを見てくるだろう。
「ほほ~~う。ラガスもなんだかんだそのセルシア・ロウレットに好意を持っているんじゃないか。シーリアもそう思うだろう?」
「ああ。傍から見ても二人の仲は良好と見て取れる」
そういうもんか? セルシア・ロウレットにプレゼントを渡す男子ぐらいは腐る程いそうな気がするが。
特にあの優男婚約者君とか。
まぁ、あのセルシア・ロウレットがそれらを貰って喜ぶかどうか・・・・・・基本的に表情は動かなさそうだな。
「ただ、そのせいでラガス坊ちゃまに災難が降りかかりましたけどね」
メリルの言葉に二人は心配そうな目をこちらに向ける。
お二人共、別にそんな深刻に面倒な話では安心してくれ。
俺にとって災難な事に変わりはないんだけどさ。
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