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向上心が高いのは良い事
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「・・・・・・こんな感じか」
造り始めて色々と調整してようやく様になったな。
「ふむ。流石ラガスじゃな。中々に見事なコンバットドールじゃ」
「有難うございます。ソウランさんにそう言われると自信を持てます」
正直コンバットドールの心臓部分になる魔核を集まるのは少し面倒だったが、それでもこうして形になると頑張った甲斐があるってもんだな。
形は基本的に人型。相手によって手の形が変形したり翼や尻尾を生やす。
動かす個所を増やせばそれだけ操るのに苦労するが、動かすのに重要な魔力操作のセンスはソウランさんから合格を貰っている。
接近戦、特に腕から刃物を出して斬撃戦も行えるように造った。
遠距離攻撃も出来なくないが、俺自身も戦いながら動かすって事を考えるとちょっとコントロールがな。
いや、色々な状況で戦えた方が良いのは事実だ。
学校に入学するまでにはこいつを使いながら実戦の中で俺も戦えるようになるのが目標だな。
ただ、これから寒くなるしどれだけ雪が降るか解らない。
冬は比較的モンスターが少なくなるから探すのが面倒なんだよな。
「それでは、早速実戦と行きますか?」
「そうだな。早めに慣れたいからな」
「自己評価は低いが、向上心が高いのは相変わらずじゃのう。気を付けるんじゃぞ」
「はい。無理しない程度に頑張ります」
シュラは今日ウォッツさんのところで鍛冶の修行だからメリルと二人か。
まっ、ちょいちょいそんな事はあるから気にする事でもないな。
森へ入って一時間ぐらいが経ったか。
幸運な事にそこそこな数のモンスターに遭遇する事が出来た。
「モンスターと遭遇できたのは良いが、思ったよりも強いな」
コンバットドールを操る時間と魔力操作のレベルが一定に達すれば視覚同調というアビリティを得られる。
そしてそれと併用して並列思考というアビリティを使えばコンバットドールを操ると同時に俺も戦える。
ただ、その二つのアビリティを習得しているとはいえ、まだそこまでレベルが高い訳では無い。
だからかあまり併用していると頭がパンクしそうになる。
「辛そうな表情をしていますが大丈夫ですか?」
「ああ。少し頭が痛いだけだ。それに直ぐ治まる」
「そうですか・・・・・・あまり無理なさらないでください」
「それは解っている無理をし過ぎてぶっ倒れたら意味が無いからな。ただ、それでも訓練しなければ上手くならないのは常識だ。視覚同調と並列思考のレベルが上がればいずれ頭の痛みも無くなる筈だ」
コンバットドールを自在に操れるのも必ず切り札の一つとなる。
それなら甘えで訓練を中止するのは駄目だ。
勿論、並列思考や視覚同調を使わなければ頭の痛みは無いが、それでは基本的に俺が後方支援に徹する事になる。
魔弾のアビリティを考えればそれで良いのかもしれないけど、そういった常識を破った瞬間こそ好機が生まれる・・・・・・と思う。
つか、それを考えればある程度の武器を操れるようになっていた方が良いかもしれないな。
武器を使って戦うコンバットドール。
武器を落とした瞬間に好機だと思って迫って来た相手に爪や腕から生える刃。
うん。超イメージ出来る。相手が油断してコンバットドールに斬り刻まれる姿が。
「ラガス坊ちゃま、何か酷い事を考えていませんか。顔が歪んでいますよ」
「別にそんな事は考え・・・・・・てるかもしれないが、単純に敵対する相手の対処方法を考えていただけだ」
「そうですか。なら構いませんが」
良いのかよ。
俺も大概だが、メリルを敵対する相手には容赦ないよな。
悪い事だとは思わないけど。
「ラガス坊ちゃま。アッパーバイソンです」
「本当だ。結構珍しいな」
かなり前にこいつの肉を食ったが、本当に神に感謝する並みに美味しかったのを覚えている。
ただしランクは四とまぁまぁ強い分類に入るんだが、こいつを試すには丁度良い実験台だ。
「メリル。こいつはコンバットドールの実験台にする。だが、万一の為の準備はしておいてくれ」
「かしこまりました」
造り始めて色々と調整してようやく様になったな。
「ふむ。流石ラガスじゃな。中々に見事なコンバットドールじゃ」
「有難うございます。ソウランさんにそう言われると自信を持てます」
正直コンバットドールの心臓部分になる魔核を集まるのは少し面倒だったが、それでもこうして形になると頑張った甲斐があるってもんだな。
形は基本的に人型。相手によって手の形が変形したり翼や尻尾を生やす。
動かす個所を増やせばそれだけ操るのに苦労するが、動かすのに重要な魔力操作のセンスはソウランさんから合格を貰っている。
接近戦、特に腕から刃物を出して斬撃戦も行えるように造った。
遠距離攻撃も出来なくないが、俺自身も戦いながら動かすって事を考えるとちょっとコントロールがな。
いや、色々な状況で戦えた方が良いのは事実だ。
学校に入学するまでにはこいつを使いながら実戦の中で俺も戦えるようになるのが目標だな。
ただ、これから寒くなるしどれだけ雪が降るか解らない。
冬は比較的モンスターが少なくなるから探すのが面倒なんだよな。
「それでは、早速実戦と行きますか?」
「そうだな。早めに慣れたいからな」
「自己評価は低いが、向上心が高いのは相変わらずじゃのう。気を付けるんじゃぞ」
「はい。無理しない程度に頑張ります」
シュラは今日ウォッツさんのところで鍛冶の修行だからメリルと二人か。
まっ、ちょいちょいそんな事はあるから気にする事でもないな。
森へ入って一時間ぐらいが経ったか。
幸運な事にそこそこな数のモンスターに遭遇する事が出来た。
「モンスターと遭遇できたのは良いが、思ったよりも強いな」
コンバットドールを操る時間と魔力操作のレベルが一定に達すれば視覚同調というアビリティを得られる。
そしてそれと併用して並列思考というアビリティを使えばコンバットドールを操ると同時に俺も戦える。
ただ、その二つのアビリティを習得しているとはいえ、まだそこまでレベルが高い訳では無い。
だからかあまり併用していると頭がパンクしそうになる。
「辛そうな表情をしていますが大丈夫ですか?」
「ああ。少し頭が痛いだけだ。それに直ぐ治まる」
「そうですか・・・・・・あまり無理なさらないでください」
「それは解っている無理をし過ぎてぶっ倒れたら意味が無いからな。ただ、それでも訓練しなければ上手くならないのは常識だ。視覚同調と並列思考のレベルが上がればいずれ頭の痛みも無くなる筈だ」
コンバットドールを自在に操れるのも必ず切り札の一つとなる。
それなら甘えで訓練を中止するのは駄目だ。
勿論、並列思考や視覚同調を使わなければ頭の痛みは無いが、それでは基本的に俺が後方支援に徹する事になる。
魔弾のアビリティを考えればそれで良いのかもしれないけど、そういった常識を破った瞬間こそ好機が生まれる・・・・・・と思う。
つか、それを考えればある程度の武器を操れるようになっていた方が良いかもしれないな。
武器を使って戦うコンバットドール。
武器を落とした瞬間に好機だと思って迫って来た相手に爪や腕から生える刃。
うん。超イメージ出来る。相手が油断してコンバットドールに斬り刻まれる姿が。
「ラガス坊ちゃま、何か酷い事を考えていませんか。顔が歪んでいますよ」
「別にそんな事は考え・・・・・・てるかもしれないが、単純に敵対する相手の対処方法を考えていただけだ」
「そうですか。なら構いませんが」
良いのかよ。
俺も大概だが、メリルを敵対する相手には容赦ないよな。
悪い事だとは思わないけど。
「ラガス坊ちゃま。アッパーバイソンです」
「本当だ。結構珍しいな」
かなり前にこいつの肉を食ったが、本当に神に感謝する並みに美味しかったのを覚えている。
ただしランクは四とまぁまぁ強い分類に入るんだが、こいつを試すには丁度良い実験台だ。
「メリル。こいつはコンバットドールの実験台にする。だが、万一の為の準備はしておいてくれ」
「かしこまりました」
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