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それを得て超えれば
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盗賊の死体を纏めて炎弾で燃やす。
死体の量が結構あるから燃やし尽くすまで時間が掛かったけど、何とか燃やし尽くした。
いやぁーーーー、本当に生焦げ臭かった。
死体のグロさには慣れたけどこの匂いは慣れそうになさそうだな。
死体が燃え尽きて灰に変わったのを確認してから盗賊達が貯めこんだ物を回収した。
武器はそこそこあって他にも家具とか小道具にマジックアイテム少々あった。
武器やマジックアイテムはあって損は無いかもしれないが家具や小道具とかは持っていてもなぁ・・・・・・あっ、処理方法が分った。
俺らには必要ないけど、あの人たちには必要だろうからな。
後酒が樽で置いてあったが興味はあってもまだ飲むつもりは無い。だから酒は親方にでも売ろうと思う。
あの人酒好きなドワーフでもないのに酒豪らしいし。
「今回の戦いは呆気なく終わってしまいましたね。今度はもっと骨のありそうな盗賊でも狙いますか?」
「メリルも思ったより好戦的な性格になったな」
「そういう訳ではありません。単に今回の戦いでラガス坊ちゃまが満足そうにされていないので今回よりも強い盗賊と戦いたのかと思いまして」
正直に言えばその気持ちが無い訳では無い。
お互いに遠慮をする必要が無い戦い。その中で俺が持っているアビリティや仲間の強さもあって全くと言って良い程危険が無く勝利する事が出来た。
本当にお互いの命を懸けた状況での戦いで死体の生臭さや人を殺したという感触や感情に飲まれて吐かない様にするための経験が欲しかった。
確かにそれらは得られた。次にお互いがお互いを殺し合う状況の戦いに遭遇しても躊躇うことなく魔弾を放つ、刃で斬る事が出来る。
それでも今回の戦いで自分に向けられた同じ種族から本気の殺意に対して特に感じる事は無かった。
もっと強い盗賊と戦えば背筋がヒヤッとする様な感覚を得られるかもしれない。
その感覚を得て勝利すれば更に強くなれるかもしれない。
「そう思わなくはない。でも、今回より遠い距離の場所に拠点を置く盗賊と戦おうと思えば情報を集めようとした時点で周囲に何をしようとしているのかと疑われる可能性が出てくる。今回だって一応家に帰る前に消臭液を使って血の匂いを消すつもりだけど、父さんと母さんには何があったのかバレるかもしれないんだし」
消臭液の級の高さにもよって相手の鼻を誤魔化せるか変わるけど、今回ソウランさんから貰った消臭液で匂いをカバー出来るかどうか・・・・・・ソウランさんの腕を疑う訳じゃないけどやっぱり不安だ。
「でも旦那様はそこら辺に関してあまり口を出さない気がしますけど」
「確かにシュラの言う通り父さんはそこら辺は気にしない・・・・・・というか寧ろ良くやったって言いそう。けど、母さんはなんだかんだでちょっと心配性なところがあるからな」
流石元ハンターなだけあって豪快だなって思う部分が無い訳では無い。
それでもやっぱり自分の子だからか最初の子供らしかなる行動にはかなり心配された。
結果を見せれば二度目からは特に何も言わないんだけどな。
寧ろ結果を楽しみにしてるし。
「まぁ、終わってしまったものは終わったんだから考えるのは止めよう。ところでシュラ、この大剣いるか?」
「えっ、良いんですか? 戦ってる最中にチラッと見たんですけど、ラガスさんもしっかり大剣を扱えてたっすよね」
「基本はな。それでも俺のメインの武器は魔弾と体術だ。他にや短刀に脇差や長剣のサブとして使ってるが、大剣とか槍に関しては基本的に使う気は無い。相手との相性で使う場合があるかもしれない。そんな感じだ」
まぁ、大剣や槍を使ってモンスターを倒したりするのも新鮮さがあるから楽しいっちゃ楽しいけど、やっぱり奥の手的な感じで隠しておく方が利点がありそうだしな。
「そうっすか・・・・・・それなら有難く貰います」
「おう。寿命や変え時が来るまで存分に使ってくれ。そんじゃ、日が暮れないうちにとっとと帰るぞ」
さて・・・・・・何回も考える必要は無いけど、もう一度セルシア・ロウレットが来た時にどう対応するか内容を見直しておくか。
死体の量が結構あるから燃やし尽くすまで時間が掛かったけど、何とか燃やし尽くした。
いやぁーーーー、本当に生焦げ臭かった。
死体のグロさには慣れたけどこの匂いは慣れそうになさそうだな。
死体が燃え尽きて灰に変わったのを確認してから盗賊達が貯めこんだ物を回収した。
武器はそこそこあって他にも家具とか小道具にマジックアイテム少々あった。
武器やマジックアイテムはあって損は無いかもしれないが家具や小道具とかは持っていてもなぁ・・・・・・あっ、処理方法が分った。
俺らには必要ないけど、あの人たちには必要だろうからな。
後酒が樽で置いてあったが興味はあってもまだ飲むつもりは無い。だから酒は親方にでも売ろうと思う。
あの人酒好きなドワーフでもないのに酒豪らしいし。
「今回の戦いは呆気なく終わってしまいましたね。今度はもっと骨のありそうな盗賊でも狙いますか?」
「メリルも思ったより好戦的な性格になったな」
「そういう訳ではありません。単に今回の戦いでラガス坊ちゃまが満足そうにされていないので今回よりも強い盗賊と戦いたのかと思いまして」
正直に言えばその気持ちが無い訳では無い。
お互いに遠慮をする必要が無い戦い。その中で俺が持っているアビリティや仲間の強さもあって全くと言って良い程危険が無く勝利する事が出来た。
本当にお互いの命を懸けた状況での戦いで死体の生臭さや人を殺したという感触や感情に飲まれて吐かない様にするための経験が欲しかった。
確かにそれらは得られた。次にお互いがお互いを殺し合う状況の戦いに遭遇しても躊躇うことなく魔弾を放つ、刃で斬る事が出来る。
それでも今回の戦いで自分に向けられた同じ種族から本気の殺意に対して特に感じる事は無かった。
もっと強い盗賊と戦えば背筋がヒヤッとする様な感覚を得られるかもしれない。
その感覚を得て勝利すれば更に強くなれるかもしれない。
「そう思わなくはない。でも、今回より遠い距離の場所に拠点を置く盗賊と戦おうと思えば情報を集めようとした時点で周囲に何をしようとしているのかと疑われる可能性が出てくる。今回だって一応家に帰る前に消臭液を使って血の匂いを消すつもりだけど、父さんと母さんには何があったのかバレるかもしれないんだし」
消臭液の級の高さにもよって相手の鼻を誤魔化せるか変わるけど、今回ソウランさんから貰った消臭液で匂いをカバー出来るかどうか・・・・・・ソウランさんの腕を疑う訳じゃないけどやっぱり不安だ。
「でも旦那様はそこら辺に関してあまり口を出さない気がしますけど」
「確かにシュラの言う通り父さんはそこら辺は気にしない・・・・・・というか寧ろ良くやったって言いそう。けど、母さんはなんだかんだでちょっと心配性なところがあるからな」
流石元ハンターなだけあって豪快だなって思う部分が無い訳では無い。
それでもやっぱり自分の子だからか最初の子供らしかなる行動にはかなり心配された。
結果を見せれば二度目からは特に何も言わないんだけどな。
寧ろ結果を楽しみにしてるし。
「まぁ、終わってしまったものは終わったんだから考えるのは止めよう。ところでシュラ、この大剣いるか?」
「えっ、良いんですか? 戦ってる最中にチラッと見たんですけど、ラガスさんもしっかり大剣を扱えてたっすよね」
「基本はな。それでも俺のメインの武器は魔弾と体術だ。他にや短刀に脇差や長剣のサブとして使ってるが、大剣とか槍に関しては基本的に使う気は無い。相手との相性で使う場合があるかもしれない。そんな感じだ」
まぁ、大剣や槍を使ってモンスターを倒したりするのも新鮮さがあるから楽しいっちゃ楽しいけど、やっぱり奥の手的な感じで隠しておく方が利点がありそうだしな。
「そうっすか・・・・・・それなら有難く貰います」
「おう。寿命や変え時が来るまで存分に使ってくれ。そんじゃ、日が暮れないうちにとっとと帰るぞ」
さて・・・・・・何回も考える必要は無いけど、もう一度セルシア・ロウレットが来た時にどう対応するか内容を見直しておくか。
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