万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
上 下
119 / 989

その間に

しおりを挟む
セルシア・ロウレットへの手紙を書き終え、後は返事を待つだけ。
それまでの間に少なくとも一週間はあるだろうと思い、隣街の近くに拠点を置く盗賊を殺す事を決めた。
既にメリルとシュラにルーフェイスには確認をとってある。

今更準備する事もなく、盗賊達を殺すと決めた翌日に俺達は家を出て盗賊団のアジトへとルーフェイスの背に乗って向かった。

「ラガス様、昼間に襲撃を行うという事はその間に商人や冒険者を襲撃する者がいるのではないですか?」

「それは俺も思った。だから盗賊共を全滅させてから夕方までそのアジトを見張っとく」

大体それぐらいの時間になってくれば帰って来るだろ。

「なるほど。確かにそれぐらいの時間ならば全員がアジトに集まる時間ですね。ところで盗賊団との戦い方は先程話した通りで大丈夫ですか?」

「おう、俺とシュラは全力で潰しに行く。それでメリルがルーフェイスに乗って遠距離でどんどん潰してくれ。ルーフェイスも余裕があれば爪での斬撃とかで斬り裂いても良いからな」

『うん!! 適度に切断しとくよ』

日頃から鍛えて摸擬戦したりモンスターと戦っているから強くはなってるだろうけど、やっぱり盗賊団の強さがどの程度なのか今一解らないからな。
とりあえず依頼書に書いてあった大剣に炎を纏う男だけには気を付けておくか。

そしてルーフェイスに乗って大体四十分ぐらいか?
それらしい場所を見つけ、それらしい怪しい・・・・・・お兄さん、おっさん? を見つけたからここで合ってるだろう。

見張りをしているであろう四人の盗賊達は話に夢中になって俺達に全く気が付いていない。
足音とかは俺の音魔法で消してるから嗅覚上昇、強化とかのアビリティを持っている奴がいなければこの距離ならおそらくバレない。

「とりあえず魔弾で撃ち抜くか」

念の為、ここで声を出されると困るので魔弾を隠蔽して放つ。
魔弾を大きめにして放ったので着弾部分が大きく抉れた。

四人とも魔弾に抉られ、血が噴き出し行動不能になった瞬間は何も感じなかった。

「・・・・・・・・・・・・よし、大丈夫そうだ。いくぞ」

完全に死んだのを確認した俺はその場からアジトへと移動し、四つの死体を見る。

すると死んで間もない死体の匂いと、リアルで初めて見た人体の内部に腹からこみ上げる物を感じ・・・・・・吐いてしまった。
それも俺だけでは無くメリルとシュラ、三人とも吐いてしまった。

中はそうモンスターの物とは変わらない筈。だからそういう絵面には慣れていると思っていたんだ・・・・・・やっぱり駄目だったな。

けど、もう慣れた。
これで乱戦中に吐く事は無い。

『さ、三人とも大丈夫!?』

「ああ、大丈夫だ。もう落ち着いた」

「私も、大丈夫です。ふぅーーーー・・・・・・行けます」

「自分もっ、大丈夫っす」

さて、こっからは油断をしない。相手に情けを掛けない。
全力で殺す。涙を流しても殺す。命乞いをしてきても殺す。

何があっても殺す。


アジトの中へ入るとその構造は複雑な物では無かった。
途中の横部屋におそらく今まで奪ってため込んだ物がありそうな部屋があったが、今はスルー。

「声が聞こえてきましたね」

「ああ、数は・・・・・・まぁーーそこそこ多いみたいだな。取りあえず俺達の足音は引き続き消してある。けど盗賊達が固まっている場所には勿論光はあるだろうから普通にバレる」

「それなら開幕の一撃を派手にぶち込む形ですか?」

派手にか・・・・・・そうだな。シュラの言う通り派手にぶちかまそう。
大きい音ってのは案外武器になるだろうしな。
なら最初の一撃をかます直前にメリル達に万が一の為に耳に無音の効果を付与しておくか。

そして盗賊達が固まっている場所には直ぐに見つかり、中の光でギリギリ見えない位置から音の魔力を含んだ魔弾を十数生み出し・・・・・・派手にぶちかました。

魔弾に貫かれた奴らは当然死んだが、着弾と同時に発せられる音に耳をやられた奴らも何人かはいるようだな。
盗賊団たちも慌てて武器を取ろうとしているみたいだが・・・・・・良い感じに平衡感覚が狂ってるのか?

「ッシャーーーーーーッ!!!! ぶっ殺すッ!!!!!!」

自分に今一度気合いを入れる為にヒ〇マの言葉を借りて気分を昂らせて突っ込む。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

『伯爵令嬢 爆死する』

三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。 その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。 カクヨムでも公開しています。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革

うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。 優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。 家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。 主人公は、魔法・知識チートは持っていません。 加筆修正しました。 お手に取って頂けたら嬉しいです。

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった

今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。 しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。 それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。 一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。 しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。 加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。 レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。

落ちこぼれ公爵令息の真実

三木谷夜宵
ファンタジー
ファレンハート公爵の次男セシルは、婚約者である王女ジェニエットから婚約破棄を言い渡される。その隣には兄であるブレイデンの姿があった。セシルは身に覚えのない容疑で断罪され、魔物が頻繁に現れるという辺境に送られてしまう。辺境の騎士団の下働きとして物資の輸送を担っていたセシルだったが、ある日拠点の一つが魔物に襲われ、多数の怪我人が出てしまう。物資が足らず、騎士たちの応急処置ができない状態に陥り、セシルは祈ることしかできなかった。しかし、そのとき奇跡が起きて──。 設定はわりとガバガバだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。 投稿している他の作品との関連はありません。 カクヨムにも公開しています。

処理中です...