上 下
102 / 970

どこかで出会う縁を楽しみに

しおりを挟む
「ラガス坊ちゃまは、魔靴以外に何か造る予定はあるのですか?」

「・・・・・・いや、今のところ別に考えていない」

確かに鍛冶のアビリティを覚えるのも楽しいかもしれないけど、武器とかはハンターになってから何かしらの縁で出会った鍛冶師から買ったり依頼をするのが味のある楽しみだと思ってるからな。

「そうですか。ラガス坊ちゃまなら色々と造れそうな気がしますが」

「そう言うメリルだって色々造れるんじゃないのか? 主に敵対する相手を妨害する系の何かをさ」

「良くお解りですね。そちらの方面の錬金術で造れる毒などは色々と考えております」

・・・・・・やっぱり毒がメインなんだな。
俺も魔弾のアビリティの中にそういうのがあるから別に何を思う事がある訳じゃないけどね。

「二人共そういう趣味があって良いっすね。俺は錬金術とかそういう細かい作業・・・・・・というか、考える作業は苦手なんだよなぁ」

「どうせなら鍛冶でもやってみたらどうだ。鍛冶にも細かい作業はあるかもしれないけど、あれはどちらかというと忍耐力の方が必要そうだし」

シュラが鍛冶をする姿・・・・・・うん、普通に似合いそうだ。

「鍛冶っすか。・・・・・・確かに趣味の一つとして始めるのは良いかもしれないか」

「もし興味があるなら父さんに街の鍛冶師にツテが無いか聞いとくよ」

「ありがとうございます!! 毎日特訓したりモンスターを倒す日々も悪くないっすけど、何か楽しめる事があった方が良い息抜きになると思うんで本当に有難いっす」

・・・・・・あんまり息抜き気分でやってたら鍛冶師の人に怒鳴られそうな気がするな。
でもシュラなら息抜きとか言いつつやり始めれば集中して学ぶか。

『・・・・・・ラガス、少し歩いた先にたくさんモンスターがいるよ』

「みたいだな。ただモンスターが一種類だけって訳じゃないみたいだな」

流石にまだ匂いだけでどんなモンスターだってのはゴブリンとかそういう超特徴的な奴以外分らないけど・・・・・・とりあえず動物系、もしくは爬虫類系ではだろう。

「どういたしますか?」

「勿論倒す。けど解体するかどうかはモンスターを見てから決めるよ」

今回のメインは鉱石の採掘だからな。

爬虫類系のモンスターは蛇がベターだ。
でも鉱山の中で出てくる動物系のモンスターかぁ・・・・・・もしかしてあれか?

「・・・・・・ビンゴ、だな」

動物型のモンスターは天井に逆さまにぶら下がっている。
コウモリ系のモンスターであってるよな?

「えっと・・・・・・コウモリの方はハインドバッドで蛇の方はスリーパースネークっていうのか。コウモリの方は俺が全部やる」

「中々の数がいますが、全てお一人で片付けるのですか?」

「ああ。俺の予想が正しければ・・・・・・コウモリ系のモンスターは話にならない相手だ」

まっ、聴覚遮断みたいなアビリティを覚えてたら厄介だけど。

「それなら俺はスリーパースネークって蛇の相手をしよう。メリルはさっきゴブリンの相手をしてたから今回は譲ってくれよ」

『なら僕もちょっとは働こっと』

「・・・・・・分りました。今回はよろしく頼みますシュラ、ルーフェイス」

シュラとルーフェイスがスリーパースネークの相手か。二人なら大丈夫そうだな。

「相手さんも俺達を倒す気になったみたいだ」

ハインドバッドの体から魔力が溢れ出し始めている。
魔法を発動するつもりか?

「無駄だけどな。ビートショック」

音の衝撃を複数放ち、ハインドバッド達の近くで爆発させる。
こっちの方まで少し音が漏れるが聴覚が優れたコウモリにこの音は堪えるだろう。

「全滅・・・・・・はしなかったみたいだな」

一体だけ辛うじて生きてたか。
良く見れば他の奴らと比べて体が一回り大きいな。

けど、それだけ動きが鈍ってれば問題ない。
魔弾を頭部目掛けて一発。

そもそも視力が弱く、聴覚がボロボロになっているハインドバッドには魔弾を避ける体力は無く、ゴブリンと時と同じく瞬殺で終わった。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

下げ渡された婚約者

相生紗季
ファンタジー
マグナリード王家第三王子のアルフレッドは、優秀な兄と姉のおかげで、政務に干渉することなく気ままに過ごしていた。 しかしある日、第一王子である兄が言った。 「ルイーザとの婚約を破棄する」 愛する人を見つけた兄は、政治のために決められた許嫁との婚約を破棄したいらしい。 「あのルイーザが受け入れたのか?」 「代わりの婿を用意するならという条件付きで」 「代わり?」 「お前だ、アルフレッド!」 おさがりの婚約者なんて聞いてない! しかもルイーザは誰もが畏れる冷酷な侯爵令嬢。 アルフレッドが怯えながらもルイーザのもとへと訪ねると、彼女は氷のような瞳から――涙をこぼした。 「あいつは、僕たちのことなんかどうでもいいんだ」 「ふたりで見返そう――あいつから王位を奪うんだ」

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない… そんな中、夢の中の本を読むと、、、

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

悪役令嬢の独壇場

あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。 彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。 自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。 正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。 ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。 そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。 あら?これは、何かがおかしいですね。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

処理中です...