上 下
101 / 954

あまり知らなかった

しおりを挟む
「へぇーーー、鉱山って感じが・・・・・・というより匂いがするな」

人に管理されていない鉱山だから鉱石があるのか分らないけど、ちょっとは期待しても良さそうだ。

「? 紙とペンを取り出して何をするんですか?」

「簡単な地図でも書いておこうと思ってな。このバカでかい鉱山を一日で回りきる事は不可能だからな。ここのポイントでは既に採掘を終えたってのが直ぐに分る方が良いと思ってな」

「それは確かにそうだな。既に採掘した場所が分れば無駄な時間を消費せずに済むし」

「そういうことだ。っと、一応使っておくか・・・・・・エレメール」

獣魔法の内の一つ。嗅覚が上昇する強化魔法。
動物の中でどいつが一番鼻が良いのか。同じ科でも個々によって鼻の良さに際はある。
だが種族全般を比べると象が一番の嗅覚を持っているらしい。

匂いを判別させる範囲も調節出来るから多くの匂いが鼻に入って混乱する事も無い。

てか、早速違う匂いが漂って来たな。
けどこれは鉱石系の匂いじゃない。敵のお出ましか。

『・・・・・・臭いね。もしかしてゴブリンかな?』

「半端なく臭いな。俺もルーフェイスと同じくゴブリンだと思う」

これは臭いというか、もはや悪臭だよな。
現れたのは十近いゴブリンと上位種が三体か。特に問題ない相手か。

「半分は私がやります」

「分った。ならもう半分は俺が倒す」

周囲に魔弾を生み出し、そのまま真正面から放つ。
軌道や狙いがバレバレの打ち方だけど、ゴブリン相手にそこまで頭を捻る必要は無いからな。

結果、俺の魔弾を避ける事が出来たゴブリンは一体もいなかった。
そしてメリルが放った太い針は寸分狂わずゴブリン達の喉元に命中していた。

「・・・・・・一応魔核だけは回収しておくか。ルーフェイス、周囲の警戒を頼む」

『任せて!!!』

さて、解体する訳じゃないからそう時間がかからず終わる。まだ時間には余裕がある。焦らず進もう。

「ラガス坊ちゃまは何か目的の鉱石はおありですか?」

「目的の鉱石かぁ・・・・・・まぁ、普通に練習用として鉄鉱石は欲しい。それと出来れば魔鉱石が欲しいな。そいつをベースにして魔靴を作るつもりだからな。最終的にはミスリル鉱石とかで造れれば良いんだけどな」

けど父さん達曰く、滅多に見つからない鉱石らしいんだよな。
買うにしても阿呆みたいな金がかかるらしいし。

でもミスリル鉱石で体が出来ているモンスターがいるとも言っていたな・・・・・・・・・・・・いやいやいや、無理だ無理だ。
今の面子で戦っても勝てる筈がない。
ミスリル鉱石は魔法に対して高い耐性を持っているからまず俺の魔弾と音魔法は殆ど意味を為さない筈。
なら打撃で戦えば良いのでは思うがそういう訳にもいかない。

単純に他の鉱石とは比べものにならない程堅い。
実際に見た事も触った事も無いから確証がある訳じゃないけど、父さんと母さんの話を聞く限りメリルは悪いが戦力外。シュラも今の力じゃ流石に厳しいだろうな。
ルーフェイスの本気を知らないから断定は出来ないけど、流石に難しいと思う。

俺に関しても竜魔法を使っても・・・・・・正直無理だろうな。

「ハンターとして冒険していればラガス坊ちゃまならいずれ手に入れる事が出来る筈です」

「だと良いんだけどな・・・・・・よし、魔核の回収も終わったし出発だ」

死体は・・・・・・他のモンスターが勝手に食べるだろう。

『ラガスはミスリル鉱石っていうのが欲しいの?』

「ああ、その鉱石が手に入れば小躍りするかもな。でもそう簡単に手に入る鉱石じゃないらしいからなぁ・・・・・・学校に入学する前にお目にかかる事は出来ないよ」

『お母さんが人が管理していない鉱山なら珍しい鉱石があっても可笑しくは無いって言ってたよ』

珍しい鉱石。それがどの鉱石を指しているのか分らないけど・・・・・・ワンチャン、手に入る可能性が無きにしも非ずってところか。

・・・・・・・・・・・・ははっ、ちょっとテンション上がってきた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。 未来を変えるために行動をする 1度裏切った相手とは関わらないように過ごす

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~

月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。 「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。 そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。 『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。 その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。 スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。 ※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。) ※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。

処理中です...