万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
上 下
95 / 989

初聞きのモンスター

しおりを挟む
知能が高いモンスターは人の言葉を喋る事が出来ると聞いた事はあるけど、本当にそんな事出来るんだな。
でも、今のは喋ったというよりは俺の頭に直接送り込んできた? って解釈の方が正しいかもしれない。

「まぁ・・・・・・助けたのは偶々だ。そんで一つ訊きたいんだが、お前の種族はブラックウルフか?」

『? 私はお母さんから自分達は狼竜という種族だと聞いています』

狼、竜? 初めて聞くモンスターの名前だな。父さんと母さんからも聞いた事が無い。
メリルとシュラはもしかしたら知ってるか?

「初めて聞く名のモンスターですね」

「俺も全く聞いた事が無いです」

だよなぁーー・・・・・・てか、竜って割には角も翼も生えていないし。

「えっと、まだ翼と角は生えていないのか?」

『まだ上手く飛ぶ事が出来ないので翼はしまっています。角は出していると時々力の制御を間違ってしまうから出していません』

そうなのか。まぁ、確かによく見れば普通のブラックウルフには思えないな。

『もしよかったらお母さんの所へ案内しても良いですか? 僕を助けてくれたお礼として何かくれる筈です』

「えっと・・・・・・流石にいきなり会って事実だとしても礼に何かを貰うのはなぁーー」

「是非貰っておくべきだと私は思います」

おぉ・・・・・・メリルがそんな事を言うなんてちょっと意外だな。
けどメリルがそう言うなら何かしらの理由があるんだろう。

「それもそうだな。まず君の名前を教えて貰っても良いか?」

『僕の名前はルーフェイスです。よろしくお願いします』

「俺はラガス。こちらこそよろしく」

「私はラガス様のメイドのメリルと申します」

「自分はラガス様の執事のシュラだ」

俺達三人が軽い自己紹介を終えるとルーフェイスの目がキラキラと光っている気がする。
俺の目がおかしいのだろうか?

『ラガスはもしかして貴族の子なの?』

「あぁ・・・・・・まっ、一応な。人の世界の話はお前の母さんから聞いているのか?」

『うん! 偶に暇だなぁ~~~って僕が退屈してる時に色々と話してくれるんだ!!』

・・・・・・ちょっと状況は違うだろうけど、俺と少し似てるな。

その後ルーフェイスの後に付いて行き、大きな洞穴へと辿り着く。

『お母さんただいま!! 今日はお客さんを連れて来たよ!!』

それだけ告げるとルーフェイスはどんどん中へと入っていく。

いや、母さんの返事聞かなくていいのか?
向こうから俺達を警戒する様な反応は無いけどさ。

そして中へ進んでいくとそこにはルーフェイスの何倍もの大きさを持つ黒狼・・・・・・じゃなかったな。狼竜がそこにいた。しっかりと角も羽も生えてるし。

『おかえりなさい、ルーフェイス。それで、あなた達がルーフェイスが連れて来たお客さんかしら?』

『そうだよ。あのね僕が複数のコボルトの上位種に囲まれてたところを助けてくれたんだ!!』

『そうなのね。私の息子を助けてくれてありがとうございます』

「い、いえ。本当に偶々近くにいただけなんで」

こ、ここまで巨体のモンスターに頭を下げられるのは普通に緊張するな。

『それでも有難うございます。私は息子に基本は甘いですが、ここらか外の出来事には干渉しないようにしていますので』

なるほど。それは確かに甘いようで厳しいってところだ。

『お礼をしたいところですが・・・・・・何にしましょうか? 若い頃に集めた物はたくさんありますが』

ルーフェイスの母さんが向いた方向には大きな箱が幾つもあった。
・・・・・・・・・・・・す、凄いな。

箱の中には多種多様な宝石や武器などがキッチリと収納されている。
見ただけで分かる。どれもが上級から最上級と呼べる物しか入っていない。

しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

『伯爵令嬢 爆死する』

三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。 その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。 カクヨムでも公開しています。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革

うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。 優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。 家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。 主人公は、魔法・知識チートは持っていません。 加筆修正しました。 お手に取って頂けたら嬉しいです。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった

今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。 しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。 それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。 一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。 しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。 加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。 レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。

落ちこぼれ公爵令息の真実

三木谷夜宵
ファンタジー
ファレンハート公爵の次男セシルは、婚約者である王女ジェニエットから婚約破棄を言い渡される。その隣には兄であるブレイデンの姿があった。セシルは身に覚えのない容疑で断罪され、魔物が頻繁に現れるという辺境に送られてしまう。辺境の騎士団の下働きとして物資の輸送を担っていたセシルだったが、ある日拠点の一つが魔物に襲われ、多数の怪我人が出てしまう。物資が足らず、騎士たちの応急処置ができない状態に陥り、セシルは祈ることしかできなかった。しかし、そのとき奇跡が起きて──。 設定はわりとガバガバだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。 投稿している他の作品との関連はありません。 カクヨムにも公開しています。

処理中です...