万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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時間を掛けるつもりは無い

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さて・・・・・・これはどういう状況なんだ?

「ラガス坊ちゃま、どうするべきか迷っているのですか?」

「ああ。なんかどっちも倒して漁夫の利を選ば良いって感じじゃ無さそうだからさ」

少し離れた場所で一体の黒いオオカミ系のモンスターが多数のコボルトに襲われている。
いや・・・・・・あれは普通のコボルトって感じでは無いな。

見たところ体の大きさもコボルトより一回り程大きい。
それに各自武器を持っているし。

それに一番奥の奴は他の奴より更に大きく威圧感が強いな。

「どうしますかラガスさん」

「・・・・・・とりあえずあの黒いオオカミを助ける方向で行く。ただ、勝負に時間は掛けないメリル、シュラ。俺が攻撃を放った速攻で首を落とすか心臓を貫け」

「「了解」」

数は・・・・・・全部で十三か。
一応牽制で奥のコボルトにも放っとくか。

「雷弾」

自身の人差し指に一つ、そして周囲に十二の雷の魔弾を生み出して一斉発射。
雷弾は木々を避けてコボルト達に直撃。

雷弾を発射してから数秒後にメリルとシュラが飛び出す。

殆どのコボルトに雷弾は命中した為、動きが数秒程止まる。
その隙に二人が身体強化のアビリティを全快で使って短剣で喉を裂き、心臓を抜き手で貫いたりしてバッタバッタとコボルトの上位種達を殺していく。
短剣や四肢に魔力を纏っているとはいえ、こうも簡単に片づけるか。

まぁ・・・・・・あのボスコボルト? にはそもそも俺の雷弾が当たらなかったみたいだけど。

「二人共お疲れ様。メリルはそのオオカミ面倒を見ててくれ。シュラは周囲の警戒を頼む」

「かしこまりました」

「任せてください!!」

メリルは緊急時用にいくつか回復液を持っているから傷はある程度なんとかなるだろう。

「さて、さっきの雷弾を避けてメリルとシュラが他のコボルトを片付けている間に逃げなかったって事は、お前は俺達に勝つ自信があるって事か?」

「・・・・・・・・・・・・」

「まぁ、人間の問いかけにモンスターが答える訳無いか。まぁーーそれは別にどうでも良い・・・・・・速攻で終わらすぞ、ラビットフット」

脚力強化の獣魔法を使い、俺はその場から跳ぶ。
そしてボスコボルトの背後を取って右ストレートをぶち込む。

「チッ!! 直線的だから読めたのか?」

俺の速度に反応出来ていなかった筈のボスコボルトは右ストレートに合わせて回し蹴りを放ってきた。
核の高さは分らないが、体格と筋力の差では俺の方が分が悪く、若干押され気味だ。

「反射神経が良いのか、それとも今まで戦って来た経験からの予測なのか・・・・・・どっちにしろ面倒だ」

今のところボスコボルトは特別な攻撃はしてきていない。
拳や脚での攻撃に爪や牙を使った獣らしい攻撃。アビリティで習得出来る技も使って来るが、どれも普通のコボルトが使ったところを見ているので十分に対処出来る。

しかし今の状態では普通に力不足だな。

「コングナックル」

腕力強化の獣魔法を発動し、攻撃力を一気に上げる。

「おっ、らああああああああ!!!!!」

強化して脚で一気に駆け出し、技術面は全て無視して右拳をボスコボルトの腹をぶち抜く。

「ゴブファッ!!! ガ、ハッ・・・・・・」

最後の速さに反応出来なかったのか俺の拳をモロに受け、腹に拳一つ分の穴が開いた。

「・・・・・・やっべ、腕の部分が血だらけになった」

「それぐらいならば生活魔法のアビリティでなんとでもなるので安心してください」

「そりゃ良かった。そんで、そっちの黒いオオカミの怪我は大丈夫そうか?」

「ええ。そこまで大きな傷では無かったので。それに元々の治癒力の高さの影響で直ぐに傷は治りました」

ふーーーん・・・・・・ブラックウルフってモンスターがいると父さん達から聞いた事があるけど、そいつとは違う気がするんだよな。直感だけど。

そんな事を考えてると黒いオオカミがトコトコと俺のとこまでやって来た。

『あの・・・・・・助けてくれてありがとうございます』

「「「ッ!!!」」」

うっそぉぉ・・・・・・モンスターが喋ったよ。
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