89 / 970
普通は裂けるよな?
しおりを挟む
「っとーー、間一髪だったな」
「シャァァアア!!??」
いやーーー本当に結構危なかった。
てか、身体強化のアビリティを念のため使っておいて良かった。
咄嗟に真剣白羽取りで止めたけど、身体強化のアビリティを使ってなかったら皮膚斬れてたよな。
「さて・・・・・・驚いてるとこ悪いが、俺がどれだけ成長した試させて貰うぞ!!!」
「大丈夫ですか、意識はまだありますか?」
「あ、ああ。なんとか大丈夫だ。お、お前は誰なんだ」
「私の事は後で説明します。それよりまずはポーションを飲んで傷を癒してください。命に関わらないとはいえ、重傷な事に変わりありません」
「・・・・・・わるい、助かる」
ふぅ、これで一安心ですね。
ラガス坊ちゃまがお造りになった回復液なら完治とまではいかずとも、ある程度体を動かす事が出来る筈です。
「って、あのリザードマンは・・・・・・はっ!!!??? ど、どどどどういうこと、だ?」
どういう事だと言われましても、目の前で起こっている通りとしか言えませんね。
リザードマンが振り下ろした長剣をラガス坊ちゃまが両手で刃を挟んで止めた。
まぁ、あの止め方には流石に私も驚きましたが。普通は掌が裂けてしまうのではないでしょうか?
「いや、確かに凄いが加勢に行かねぇと!!」
「お待ちください」
「ぐぇ!!」
傷が治ったとはいえ失った体力と血は元通りにならないのですから少しは大人しくしてく欲しいものです。
「く、首が締まるだろ!! じゃなくてだ、確かのリザードマンの攻撃を止めたのスゲぇけど、一人じゃ勝てないだろ」
「あぁ・・・・・・そこをご心配になっていたのですか。お優しいのですね。ですがご安心ください」
「えっと、あんたあいつの従者かなんかなんだろ。だったらあんたも加勢に入ろうとか思わないのか?」
・・・・・・ラガス坊ちゃまの見た目と背丈では仕方ない事なのでしょうね。
「・・・・・・今回の相手では特に思いません。あなたが思っている程ラガス坊ちゃまは弱くありません。と言いますか・・・・・・ラガス坊ちゃまの強さは異質です。よく見ておいた方が良いかと」
「良く見ておいた方がって・・・・・・嘘だろ」
ですよね。私もラガス坊ちゃまの強さに多少慣れて来ていますが、やはり冷静になって目の前の現状を考えると普通にあり得ません。
体を僅かにずらし、長剣を地面に下ろす。
そして一気に懐まで潜り込む。
「ふっ! シャッ!!!」
「シャ、アァアア!!??」
ジャブ二発からのストレート。
攻撃のタイミングもジャスト、それにいつも戦っているモンスターと比べて硬かったがそれでも身体強化のアビリティを使ってるから俺の拳はしっかりと効いている。
ただ、中身までは傷つけられなかったみたいだな。
「やっぱ今まで戦って来た奴らとは一味使うな」
「・・・・・・シャァァアアアア!!!」
「ッ!!!!」
いきなりのスラッシュか、良いタイミングの不意打ちだな。
けど俺が反応出来ない速度じゃない。
「魔弾!」
斬撃波と魔力の弾丸ぶつかり合って甲高い音が鳴り響く。
俺はお互いの攻撃が衝突した瞬間にその場から駆け出す。
敵さんも考えは一緒だったみたいだ。
頭部をガードしやすいようにバックラーでガードしながら長剣の刺突。
「甘いんだよ」
悪くないけどそれぐらい躱せるんだよ。
走りながら体を後ろに逸らして跳ぶ。
即座に地面に足を付いてアッパーをかまそう。
そう思ったが物凄い悪感を感じた。
「ちっ!!!」
俺は自分の直感に従って地面に左手をつき、無理矢理右へ跳んだ。
「ふーーー。流石に身体強化のアビリティを使ってるとはいえ、流石に無理し過ぎたか?」
「シャァァァ・・・・・・」
思い通りに行かなかったからイラついてるって感じの表情だな。
あのまま突っ込んでたら・・・・・・バックラーで上から殴りつけてくるか、長剣の持ち方を変えて背後からグサッと刺すぐらいはしてきそうだったな。
「・・・・・・ははっ、良いぞ。こういう感覚を覚えておきたかったんだよ」
「シャァァアア!!??」
いやーーー本当に結構危なかった。
てか、身体強化のアビリティを念のため使っておいて良かった。
咄嗟に真剣白羽取りで止めたけど、身体強化のアビリティを使ってなかったら皮膚斬れてたよな。
「さて・・・・・・驚いてるとこ悪いが、俺がどれだけ成長した試させて貰うぞ!!!」
「大丈夫ですか、意識はまだありますか?」
「あ、ああ。なんとか大丈夫だ。お、お前は誰なんだ」
「私の事は後で説明します。それよりまずはポーションを飲んで傷を癒してください。命に関わらないとはいえ、重傷な事に変わりありません」
「・・・・・・わるい、助かる」
ふぅ、これで一安心ですね。
ラガス坊ちゃまがお造りになった回復液なら完治とまではいかずとも、ある程度体を動かす事が出来る筈です。
「って、あのリザードマンは・・・・・・はっ!!!??? ど、どどどどういうこと、だ?」
どういう事だと言われましても、目の前で起こっている通りとしか言えませんね。
リザードマンが振り下ろした長剣をラガス坊ちゃまが両手で刃を挟んで止めた。
まぁ、あの止め方には流石に私も驚きましたが。普通は掌が裂けてしまうのではないでしょうか?
「いや、確かに凄いが加勢に行かねぇと!!」
「お待ちください」
「ぐぇ!!」
傷が治ったとはいえ失った体力と血は元通りにならないのですから少しは大人しくしてく欲しいものです。
「く、首が締まるだろ!! じゃなくてだ、確かのリザードマンの攻撃を止めたのスゲぇけど、一人じゃ勝てないだろ」
「あぁ・・・・・・そこをご心配になっていたのですか。お優しいのですね。ですがご安心ください」
「えっと、あんたあいつの従者かなんかなんだろ。だったらあんたも加勢に入ろうとか思わないのか?」
・・・・・・ラガス坊ちゃまの見た目と背丈では仕方ない事なのでしょうね。
「・・・・・・今回の相手では特に思いません。あなたが思っている程ラガス坊ちゃまは弱くありません。と言いますか・・・・・・ラガス坊ちゃまの強さは異質です。よく見ておいた方が良いかと」
「良く見ておいた方がって・・・・・・嘘だろ」
ですよね。私もラガス坊ちゃまの強さに多少慣れて来ていますが、やはり冷静になって目の前の現状を考えると普通にあり得ません。
体を僅かにずらし、長剣を地面に下ろす。
そして一気に懐まで潜り込む。
「ふっ! シャッ!!!」
「シャ、アァアア!!??」
ジャブ二発からのストレート。
攻撃のタイミングもジャスト、それにいつも戦っているモンスターと比べて硬かったがそれでも身体強化のアビリティを使ってるから俺の拳はしっかりと効いている。
ただ、中身までは傷つけられなかったみたいだな。
「やっぱ今まで戦って来た奴らとは一味使うな」
「・・・・・・シャァァアアアア!!!」
「ッ!!!!」
いきなりのスラッシュか、良いタイミングの不意打ちだな。
けど俺が反応出来ない速度じゃない。
「魔弾!」
斬撃波と魔力の弾丸ぶつかり合って甲高い音が鳴り響く。
俺はお互いの攻撃が衝突した瞬間にその場から駆け出す。
敵さんも考えは一緒だったみたいだ。
頭部をガードしやすいようにバックラーでガードしながら長剣の刺突。
「甘いんだよ」
悪くないけどそれぐらい躱せるんだよ。
走りながら体を後ろに逸らして跳ぶ。
即座に地面に足を付いてアッパーをかまそう。
そう思ったが物凄い悪感を感じた。
「ちっ!!!」
俺は自分の直感に従って地面に左手をつき、無理矢理右へ跳んだ。
「ふーーー。流石に身体強化のアビリティを使ってるとはいえ、流石に無理し過ぎたか?」
「シャァァァ・・・・・・」
思い通りに行かなかったからイラついてるって感じの表情だな。
あのまま突っ込んでたら・・・・・・バックラーで上から殴りつけてくるか、長剣の持ち方を変えて背後からグサッと刺すぐらいはしてきそうだったな。
「・・・・・・ははっ、良いぞ。こういう感覚を覚えておきたかったんだよ」
46
お気に入りに追加
3,493
あなたにおすすめの小説
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
一人暮らしのおばさん薬師を黒髪の青年は崇めたてる
朝山みどり
ファンタジー
冤罪で辺境に追放された元聖女。のんびりまったり平和に暮らしていたが、過去が彼女の生活を壊そうとしてきた。
彼女を慕う青年はこっそり彼女を守り続ける。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
愛しのお姉様(悪役令嬢)を守る為、ぽっちゃり双子は暗躍する
清澄 セイ
ファンタジー
エトワナ公爵家に生を受けたぽっちゃり双子のケイティベルとルシフォードは、八つ歳の離れた姉・リリアンナのことが大嫌い、というよりも怖くて仕方がなかった。悪役令嬢と言われ、両親からも周囲からも愛情をもらえず、彼女は常にひとりぼっち。溢れんばかりの愛情に包まれて育った双子とは、天と地の差があった。
たった十歳でその生を終えることとなった二人は、死の直前リリアンナが自分達を助けようと命を投げ出した瞬間を目にする。
神の気まぐれにより時を逆行した二人は、今度は姉を好きになり協力して三人で生き残ろうと決意する。
悪役令嬢で嫌われ者のリリアンナを人気者にすべく、愛らしいぽっちゃりボディを武器に、二人で力を合わせて暗躍するのだった。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる