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トラウマもの

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「あぁ、確かアリクの二回戦の相手は副騎士団長の息子だったか。・・・・・・あっ、昨日の色々はその副騎士団長の息子と何かがあったのか?」

やば、自爆してしまったよ。
・・・・・・仕方ない。いまさら嘘をついても無駄だしな。

「息子というか、副騎士団長を含めちょっと色々ありました。別に面倒事になった訳では無いので安心してください」

「私達が上の人から何か言われた訳では無いから、その色々がラガスと副騎士団長とその息子君だけで済んだのは解ったわ」

そうそう、特に大事な問題に発展していない。
だから俺が心配する必要もない。

「それでちょっと色々して解ったんですけど、剣技の腕に関してアリクが適うとは思えません。腕力に関してはアリクの方が少し上だと思いますが、その腕力で簡単にあしらうだけの技術は持っている筈です」

「そうかぁ・・・・・・アリクには基礎の攻撃をしっかりと教えて、あいつもその課題をしっかりとこなしている。だが、倒す以外の技術はまだまだ未熟だ、そういったところは副騎士団長の息子の方が多く教わっているだろう」

それならアリクにもそういう事を教えればいいのではと少し思うが、アリクの性格や等を考えると基礎の土台が出来る前に他の事を教えると中途半端になってしまう。

偶に訓練の風景をみているけど、なんとなくそういったタイプなんだと解る。

「それで、ラガスはどうやってそいつを倒したんだ」

・・・・・・もう完全に隠す意味が無いな。

「二回戦いましたが、一回目は完全な奇襲。二回目もまぁ・・・・・・碌に打ち合わずに終わりました」

「それは・・・・・・相手の実力を測るには少し情報が不十分じゃないか?」

「確かにそうかもしれませんが、一回目の戦いはともかく二回目は最初から本気の目でした。今から二年前に話にはなりますが、王都でアリクと戦った時と比べるとやはり副騎士団長の息子の方が雰囲気も含め上かと」

真正面から対峙したのは二年も前だから当然あの頃と比べてアリクの実力も上がっている。
けど・・・・・・やっぱりアリクが勝つイメージが浮かばない。

「ラガス坊ちゃま、アリク様とその副騎士団長の息子様にはそれ程の差があるのは確実ですか?」

「俺の感覚が正しければな。ただ、アリクに何かしらの隠し玉があれば結果は分らなくなる」

アリクも魔法を使う事が出来るけど、クレア姉さん程得意ではないしな。
魔法が隠し玉って線は薄い。残るは剣術か体術か・・・・・・駄目だ、それらしい技が思い付かない。

「・・・・・・アリクもお前に負けてから今までと変わらず過ごしていた訳では無い。負けるにしても、ただでやられる事は無い筈だ」

「そうですね。アリクの試合も楽しみに観させてもらいましょう」




全ての一回戦が終わった。

結果、アリクとクレア姉さん。ついでにリオウスとセルシアにその婚約者であろう金髪優男君も一回戦を突破した。

つか、クレア姉さん魔法を使わずに杖で殴って突いて倒しちまった。
会場が騒然としていたな。まぁ・・・・・・相手の子供は少し可哀想だったけどな。

剣を使う剣士タイプなのに魔法を使う後衛タイプの魔法タイプに接近戦で杖でボコられて負けたらそりゃ笑いの対象になるかもしれないが、ありゃワンチャントラウマものだ。

リオウスとセルシアに優男は三十秒もかからず決着が着いた。
アリクも多少てこずっていたけど内容は快勝って言ってもいいかな。

それで二回戦も始まりもうすぐにアリクとリオウスの番なんだが・・・・・・今回の戦いであいつの心が折れなきゃいいんだが、それは終わってみないと分らないか。
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