73 / 965
今の方がより貴族らしいだろ
しおりを挟む
・・・・・・いきなり走り出しては来ないか。
いや、まだ父親の言う事を理解しようとしていないのか、目が完全に格下を見る感じだ。
格下だからこそ自身から攻める必要は無い、軽くあしらい実力の差を見せつけてから終わらせる。そんな事でも考えていそうだな。
まぁ、こっちも構えてはいれどただのポーズだし、考えは似たようなもんか。
副騎士団長様の要望は奇襲で倒すだったな。
とりあえず要望通り王道でない方法で倒すか。
身体強化のアビリティ発動。投擲アビリティの補正で投げ方を自動修正。
右手に持っている摸擬剣を点でなく面がリオウスにぶつかる様に投げつける。
「お、らあああ!!!」
摸擬剣を投げつけるとともに低姿勢で駆けだす。
てか、そこそこ強めに投げたけど副騎士団長様の息子なら大丈夫だよな? 点で投げた訳では無いし。
「なっ!!!???」
おーおー、やっぱり普通は驚くよな。
けど、咄嗟に面で跳んで来た摸擬剣を自身の摸擬剣でガードする反射神経は流石だ。
まぁ・・・・・・俺の予想通りの動きではあるんだけどな。
身体強化のアビリティで速度が上がった俺の速さと摸擬剣投擲を同時に把握するってのは・・・・・・いや、マジでか。
「結構やるな」
体は追い付いていないけど、意識だけは俺の方に向けていた。
闘気は使っていないし、速度がマックスって訳では無いけどまさか視界から消える事が出来なかったとはなぁ・・・・・・それならもう一歩。
「よっ、と」
「ッ!!!!」
その場からジャンプして空中で一回転。
そしてリオウスの背後に着地。
「これで終わり、で良いですよね」
リオウスの背後を取った俺は右手で銃の形を作り、人差し指を後頭部に突きつける。
これが真剣勝負なら、俺の魔弾がリオウスの後頭部を貫いて終わりだ。
「はい、そこまで。勝者はラガス君」
俺の動きに意識だけでも付いて来たのは驚いたが、それでもまだやっぱり子供ってところか。
いや、普段リオウスが稽古を付けている人が俺より接近戦で劣るとは考えられない。
なら単純に今回の結果はリオウスの油断が招いた結果か。
実力で勝った訳では無いな。でもそういうのも含めての奇襲って事になるか。
まっ、ご子息様は納得がいっていないみたいだけどな。
「と、父様!!! 納得がいきません!!! 僕に、もう一度こいつと戦わせてください!!!!」
「そう言われてもね・・・・・・ラガス君の勝利は揺るぎないものだよ。あの状態でラガス君はリオウスを殺す事は十分に出来た。つまりあの時、後頭部に人差し指を突きつけられた時点でリオウスは死んでいたんだよ」
「ッーーーーー!!!!!! ・・・・・・で、ですが!!! あれは貴族同士の戦いと呼べる物ではありません!!!!」
貴族同士の戦いって・・・・・・こいつ中々に笑わせてくれるな。
俺達騎士の息子同士ならその言葉を解らなくはない。仮にそうだとしても俺は自分の考えを貫くけどな。
それに、今の戦いの方が断然貴族らしいだろ。
悪い意味でだけどな。
「リオウス、戦いという場に立てば男も女も関係なく、貴族も平民も騎士にハンターも関係ない。勝負に勝った者が勝者だ。仮にラガス君が違法薬物で体を強化していたり、あまりにも身の丈に合わない魔剣や魔槍を使っているのならお前の言い分も分らなくはない」
その考えについては俺も同意する。
それは完全に個人の力とは言えないからな。
お互いがそういう事をしているのなら話は別かもしれないけど。
「けど、今回の勝負でラガス君が違法薬物も強力なマジックアイテムも使っていない。只摸擬剣投げつけ、リオウスに向かって駆け出し、跳んで背後を取った。あとは身体強化のアビリティを使ったぐらいだね。結果は変わらないかもしれないけど、こんな無様な結果を晒したのはリオウスがラガス君の事を完全に格下に見ていたからだ」
その通りだけど、まだ何か言いたそうな顔をしているな。
あまりそれを喋られたら今後通用しなくなるかもしれないから遠慮願うところだ。
「と、父様は、本来の実力ですらこの、ラガスの方が上だというのですか!!」
うん、まぁ俺みたいな見るかに強く無さそうな外見の奴より弱いなんて認めたくないよな。
「・・・・・・リオウス、認めなさい」
ッ!!! おいおい、いきなり圧を上げないでくれよ。思わずブルッてしまっただろ。
あの目、さっきまでは息子に対する父親の目だったが、今は未来の騎士に対する副団長の目ってところか。
あんな目をいきなり向けられたら数滴チビってしまう自信はある。
「もしラガス君がもう一度、今度は真正面からお前と戦っても勝者は変わらない。それだけ技量差は勿論あるが、なによりラガス君の方が断然戦い慣れている」
・・・・・・もう殆どツッコむ気は失せてたけど、やっぱり思わずにはいられないな。
なんでそんな事が解るんだよ。
いや、まだ父親の言う事を理解しようとしていないのか、目が完全に格下を見る感じだ。
格下だからこそ自身から攻める必要は無い、軽くあしらい実力の差を見せつけてから終わらせる。そんな事でも考えていそうだな。
まぁ、こっちも構えてはいれどただのポーズだし、考えは似たようなもんか。
副騎士団長様の要望は奇襲で倒すだったな。
とりあえず要望通り王道でない方法で倒すか。
身体強化のアビリティ発動。投擲アビリティの補正で投げ方を自動修正。
右手に持っている摸擬剣を点でなく面がリオウスにぶつかる様に投げつける。
「お、らあああ!!!」
摸擬剣を投げつけるとともに低姿勢で駆けだす。
てか、そこそこ強めに投げたけど副騎士団長様の息子なら大丈夫だよな? 点で投げた訳では無いし。
「なっ!!!???」
おーおー、やっぱり普通は驚くよな。
けど、咄嗟に面で跳んで来た摸擬剣を自身の摸擬剣でガードする反射神経は流石だ。
まぁ・・・・・・俺の予想通りの動きではあるんだけどな。
身体強化のアビリティで速度が上がった俺の速さと摸擬剣投擲を同時に把握するってのは・・・・・・いや、マジでか。
「結構やるな」
体は追い付いていないけど、意識だけは俺の方に向けていた。
闘気は使っていないし、速度がマックスって訳では無いけどまさか視界から消える事が出来なかったとはなぁ・・・・・・それならもう一歩。
「よっ、と」
「ッ!!!!」
その場からジャンプして空中で一回転。
そしてリオウスの背後に着地。
「これで終わり、で良いですよね」
リオウスの背後を取った俺は右手で銃の形を作り、人差し指を後頭部に突きつける。
これが真剣勝負なら、俺の魔弾がリオウスの後頭部を貫いて終わりだ。
「はい、そこまで。勝者はラガス君」
俺の動きに意識だけでも付いて来たのは驚いたが、それでもまだやっぱり子供ってところか。
いや、普段リオウスが稽古を付けている人が俺より接近戦で劣るとは考えられない。
なら単純に今回の結果はリオウスの油断が招いた結果か。
実力で勝った訳では無いな。でもそういうのも含めての奇襲って事になるか。
まっ、ご子息様は納得がいっていないみたいだけどな。
「と、父様!!! 納得がいきません!!! 僕に、もう一度こいつと戦わせてください!!!!」
「そう言われてもね・・・・・・ラガス君の勝利は揺るぎないものだよ。あの状態でラガス君はリオウスを殺す事は十分に出来た。つまりあの時、後頭部に人差し指を突きつけられた時点でリオウスは死んでいたんだよ」
「ッーーーーー!!!!!! ・・・・・・で、ですが!!! あれは貴族同士の戦いと呼べる物ではありません!!!!」
貴族同士の戦いって・・・・・・こいつ中々に笑わせてくれるな。
俺達騎士の息子同士ならその言葉を解らなくはない。仮にそうだとしても俺は自分の考えを貫くけどな。
それに、今の戦いの方が断然貴族らしいだろ。
悪い意味でだけどな。
「リオウス、戦いという場に立てば男も女も関係なく、貴族も平民も騎士にハンターも関係ない。勝負に勝った者が勝者だ。仮にラガス君が違法薬物で体を強化していたり、あまりにも身の丈に合わない魔剣や魔槍を使っているのならお前の言い分も分らなくはない」
その考えについては俺も同意する。
それは完全に個人の力とは言えないからな。
お互いがそういう事をしているのなら話は別かもしれないけど。
「けど、今回の勝負でラガス君が違法薬物も強力なマジックアイテムも使っていない。只摸擬剣投げつけ、リオウスに向かって駆け出し、跳んで背後を取った。あとは身体強化のアビリティを使ったぐらいだね。結果は変わらないかもしれないけど、こんな無様な結果を晒したのはリオウスがラガス君の事を完全に格下に見ていたからだ」
その通りだけど、まだ何か言いたそうな顔をしているな。
あまりそれを喋られたら今後通用しなくなるかもしれないから遠慮願うところだ。
「と、父様は、本来の実力ですらこの、ラガスの方が上だというのですか!!」
うん、まぁ俺みたいな見るかに強く無さそうな外見の奴より弱いなんて認めたくないよな。
「・・・・・・リオウス、認めなさい」
ッ!!! おいおい、いきなり圧を上げないでくれよ。思わずブルッてしまっただろ。
あの目、さっきまでは息子に対する父親の目だったが、今は未来の騎士に対する副団長の目ってところか。
あんな目をいきなり向けられたら数滴チビってしまう自信はある。
「もしラガス君がもう一度、今度は真正面からお前と戦っても勝者は変わらない。それだけ技量差は勿論あるが、なによりラガス君の方が断然戦い慣れている」
・・・・・・もう殆どツッコむ気は失せてたけど、やっぱり思わずにはいられないな。
なんでそんな事が解るんだよ。
55
お気に入りに追加
3,491
あなたにおすすめの小説
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる