67 / 970
考えの違い
しおりを挟む
「ラガス坊ちゃま、明日はどこに行かれるのですか?」
「午前中はクレア姉さんの訓練に付き合う。午後からは母さんと一緒に街を散策。メインは闘技場だ」
「下見ですか?」
下見? ・・・・・・あぁ、そっちの方と勘違いしてるのか。
「違うよ。普通の方だよ」
「あぁ、そちらの方ですか。坊ちゃまも賭けに参加されるのですか?」
賭けか・・・・・・興味が無い訳じゃない。寧ろちょっと楽しみたいと思う。
けどそこまで金を持っている訳じゃないからな。
「そうだなぁ。銀貨一枚程度なら賭けても良いかもしれないな。ただ目的はそれじゃない」
「解っています。レベルの高い戦いを見るのが目的ですね」
なんだ、ちゃんと解ってるじゃん。
正直賭けは当たったら良いな程度にしか考えていない。
「そういえば、闘技場で戦ってる人ってどういった人がやってるんだ?」
「私も詳しくは知りませんが、戦闘に長けている犯罪奴隷や額が多くなってしまった借金を返す為に戦う冒険者。あとは自身の腕試しに挑戦する方もいる様です」
一つ目はそういった使い道があるのだと解る。二つ目は単純に阿呆なのではと思う。まぁ・・・・・・詐欺に騙されてそうなってしまったなどの経緯があるかもしれないが、その人にも悪いところはあるだろう。
三つ目は・・・・・・解らなくもないが、やっぱりちょっと解らない。
「そっか。取りあえず明日はそんな予定だからとっとと寝よう」
「分りました。お休みなさいませ」
「お休み」
「ようやく起きたわね、ラガス!!」
「ようやくって、時間通りだよ。クレア姉さんは少し気合い入り過ぎだよ」
まだ訓練が始まる五分前程度なのに、クレア姉さんしっかりと汗かいちゃってるよ。
「何言ってるのよ。時間が始まる前にしっかりと汗をかいていれば直ぐに実践形式の訓練が始められるでしょ」
「・・・・・・あぁ。そういう事か。お互いに少し考えが違ったみたいだ。とりあえず俺もちゃんと汗をかくからクレア姉さんは体を冷やさない程度に適当に動いといて」
「そうした方が良さそうね。ミーシャ、適当に動いておくわよ」
「分りました、クレアお嬢様」
さて、なるべく早く済ませないとな。ただ柔軟運動だけはしっかりやっておこう。
「少し眠そうですね」
「俺は基本的に朝はゆっくり寝ていた人間だからだ。それぐらいメリルも知っているだろ」
「勿論です。私はラガス坊ちゃまのメイドなので。ただ、今日は何時もより眠そうに見えたので少し気になって」
そうなのか? 別にいつもより眠りに落ちるのに時間は掛からなかったはずだし、別に恐怖を感じるような夢を見た訳でもない。
「・・・・・・単にちょっと調子が悪いだけじゃないか?」
「そうですか。なら良いのですが」
不吉な出来事の前兆・・・・・・なんて事は無いよな。
あっ、もしかして今がフラグになったりするのか?
・・・・・・・・・・・・くそっ、とりあえず今はクレア姉さんとの訓練に集中だ。
柔軟運動が終われば軽いシャドーで体を温める。
「何時見ても思いますが、摸擬戦をしている時よりもシャドーをしている方がスピードが速くないですか?」
「あぁ。それはあるかもしれないな。単純にあれだよ。シャドーだったら戦っているのは幻影だ。だから手加減をする必要は無い」
「なるほど。確かに納得できる理由です。では、何時もはしっかりと怪我をしない様に手加減しているという事ですね」
そりゃ・・・・・・もしそうしなかったら骨ぐらいボキっと折ってしまうかもしれないからな。
「お前が身体強化のアビリティを使えば、流石に俺も身体強化を使ってるよ」
「そうですか。・・・・・・それは安心しました」
安心しましたって言う割にはちょっと険しい表情になってるんだが・・・・・・頭の片隅に置いておこう。
「午前中はクレア姉さんの訓練に付き合う。午後からは母さんと一緒に街を散策。メインは闘技場だ」
「下見ですか?」
下見? ・・・・・・あぁ、そっちの方と勘違いしてるのか。
「違うよ。普通の方だよ」
「あぁ、そちらの方ですか。坊ちゃまも賭けに参加されるのですか?」
賭けか・・・・・・興味が無い訳じゃない。寧ろちょっと楽しみたいと思う。
けどそこまで金を持っている訳じゃないからな。
「そうだなぁ。銀貨一枚程度なら賭けても良いかもしれないな。ただ目的はそれじゃない」
「解っています。レベルの高い戦いを見るのが目的ですね」
なんだ、ちゃんと解ってるじゃん。
正直賭けは当たったら良いな程度にしか考えていない。
「そういえば、闘技場で戦ってる人ってどういった人がやってるんだ?」
「私も詳しくは知りませんが、戦闘に長けている犯罪奴隷や額が多くなってしまった借金を返す為に戦う冒険者。あとは自身の腕試しに挑戦する方もいる様です」
一つ目はそういった使い道があるのだと解る。二つ目は単純に阿呆なのではと思う。まぁ・・・・・・詐欺に騙されてそうなってしまったなどの経緯があるかもしれないが、その人にも悪いところはあるだろう。
三つ目は・・・・・・解らなくもないが、やっぱりちょっと解らない。
「そっか。取りあえず明日はそんな予定だからとっとと寝よう」
「分りました。お休みなさいませ」
「お休み」
「ようやく起きたわね、ラガス!!」
「ようやくって、時間通りだよ。クレア姉さんは少し気合い入り過ぎだよ」
まだ訓練が始まる五分前程度なのに、クレア姉さんしっかりと汗かいちゃってるよ。
「何言ってるのよ。時間が始まる前にしっかりと汗をかいていれば直ぐに実践形式の訓練が始められるでしょ」
「・・・・・・あぁ。そういう事か。お互いに少し考えが違ったみたいだ。とりあえず俺もちゃんと汗をかくからクレア姉さんは体を冷やさない程度に適当に動いといて」
「そうした方が良さそうね。ミーシャ、適当に動いておくわよ」
「分りました、クレアお嬢様」
さて、なるべく早く済ませないとな。ただ柔軟運動だけはしっかりやっておこう。
「少し眠そうですね」
「俺は基本的に朝はゆっくり寝ていた人間だからだ。それぐらいメリルも知っているだろ」
「勿論です。私はラガス坊ちゃまのメイドなので。ただ、今日は何時もより眠そうに見えたので少し気になって」
そうなのか? 別にいつもより眠りに落ちるのに時間は掛からなかったはずだし、別に恐怖を感じるような夢を見た訳でもない。
「・・・・・・単にちょっと調子が悪いだけじゃないか?」
「そうですか。なら良いのですが」
不吉な出来事の前兆・・・・・・なんて事は無いよな。
あっ、もしかして今がフラグになったりするのか?
・・・・・・・・・・・・くそっ、とりあえず今はクレア姉さんとの訓練に集中だ。
柔軟運動が終われば軽いシャドーで体を温める。
「何時見ても思いますが、摸擬戦をしている時よりもシャドーをしている方がスピードが速くないですか?」
「あぁ。それはあるかもしれないな。単純にあれだよ。シャドーだったら戦っているのは幻影だ。だから手加減をする必要は無い」
「なるほど。確かに納得できる理由です。では、何時もはしっかりと怪我をしない様に手加減しているという事ですね」
そりゃ・・・・・・もしそうしなかったら骨ぐらいボキっと折ってしまうかもしれないからな。
「お前が身体強化のアビリティを使えば、流石に俺も身体強化を使ってるよ」
「そうですか。・・・・・・それは安心しました」
安心しましたって言う割にはちょっと険しい表情になってるんだが・・・・・・頭の片隅に置いておこう。
44
お気に入りに追加
3,493
あなたにおすすめの小説
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
一人暮らしのおばさん薬師を黒髪の青年は崇めたてる
朝山みどり
ファンタジー
冤罪で辺境に追放された元聖女。のんびりまったり平和に暮らしていたが、過去が彼女の生活を壊そうとしてきた。
彼女を慕う青年はこっそり彼女を守り続ける。
悪役令嬢は蚊帳の外です。
豆狸
ファンタジー
「グローリア。ここにいるシャンデは隣国ツヴァイリングの王女だ。隣国国王の愛妾殿の娘として生まれたが、王妃によって攫われ我がシュティーア王国の貧民街に捨てられた。侯爵令嬢でなくなった貴様には、これまでのシャンデに対する暴言への不敬罪が……」
「いえ、違います」
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
愛しのお姉様(悪役令嬢)を守る為、ぽっちゃり双子は暗躍する
清澄 セイ
ファンタジー
エトワナ公爵家に生を受けたぽっちゃり双子のケイティベルとルシフォードは、八つ歳の離れた姉・リリアンナのことが大嫌い、というよりも怖くて仕方がなかった。悪役令嬢と言われ、両親からも周囲からも愛情をもらえず、彼女は常にひとりぼっち。溢れんばかりの愛情に包まれて育った双子とは、天と地の差があった。
たった十歳でその生を終えることとなった二人は、死の直前リリアンナが自分達を助けようと命を投げ出した瞬間を目にする。
神の気まぐれにより時を逆行した二人は、今度は姉を好きになり協力して三人で生き残ろうと決意する。
悪役令嬢で嫌われ者のリリアンナを人気者にすべく、愛らしいぽっちゃりボディを武器に、二人で力を合わせて暗躍するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる