万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
上 下
53 / 989

出ないったら出ない

しおりを挟む
「ねぇラガス、本当に大会には出ないの?」

「何度も言うけど大会には出ないよ。俺の戦い方じゃどうしても目立つ。演技は苦手だしね」

「まぁ・・・・・・ラガスの場合、本気で必要だと思わない限り大根役者になりそうもね。ラガスが出なければ強いライバルが一人減るからそれはそれで良しだけど・・・・・・やっぱりラガス本気で戦うところをミーシャとメリルも見てみたいと思わない?」

演技が本気で必要か。その過程や結果に演技が必要なら上手い事演技が出来るかもしれないな。

「しょうーーーじき、ラガス様の本気の戦いは見てみたいですね」

「・・・・・・本音を言えば私もラガス坊ちゃまの本気を見てみたいです。そうですねぇ・・・・・・完全な本気では一切隙が無いでしょうが五つの内、使うアビリティを一つにすればそれらしい戦いになるのではないですか?」

「五つの内って事は獣、鬼、竜、弾、音の事を言ってるんだろ。最初の三つは基本的に大勢の人が見ている前で使う気は無い。残るは弾と音。この二つは初めて対峙する相手にとって初見殺しのアビリティだ。そのどちらかのアビリティを使った勝ち方じゃさっき言ったように目立つ」

学校に入る前から目立つような真似はしたくない。
いや、学校に入ってからも目立つような事はしたくないんだけどな。

「なら剣術か体術だけで戦ってみたらどぉ? ラガスなら両方とも出来るでしょう」

「母様まで・・・・・・だから俺は出ませんよ。それに剣術を使おうとすれば俺の場合、絶対に無意識の内に体術も織り交ぜます。体術だけで戦おうとしても・・・・・・いえ、そちらの方が余計目立つ気がします」

相手が貴族って事は絶対に魔法のアビリティを使って来るよな。
魔法を使う相手に対して体術で勝つ・・・・・・アビリティを使って勝つより絶対に目立つ。

まてまてまて、そもそも勝つって選択肢を捨てれば良い話だ。
でも何にも利益なしで自分より弱い相手に負けるのはなぁ・・・・・・いや、目立たずに済む事は利益、か?
う~~~ん・・・・・・やっぱそれは利益じゃないよな。

「はぁーーーーー、そうでしたね。ラガス坊ちゃまの武器や一つ一つが他の同年代の貴族の子息息女の方々と比べ、レベルが圧倒的に違いますからね」

「他の貴族の子供の戦いを見た事は無いけど、取りあえずは負けないだろ」

「・・・・・・ラガスが本気を出したら絶対に優勝しちゃうって事で合ってる」

「そうですねぇ・・・・・・俺以外に俺と似たようなアビリティを持っている人がいるなら話は別ですけど、そうでないなら負けません」

魔法なんて発動させる暇なく倒せるだろうし。

「母さん、ラガスに何を言っても大会には出ないぞ。私もラガスが戦っているところは見たいが、ラガスが持つ才能にセンス、武器に戦闘経験の数を考えて今後どうなるかは分からないが、現時点で同年代や一つ二つ上の年代の子供達に負ける事は無いよ」

褒めてくれるのは嬉しいけど、そこまで堂々と言われると少し恥ずかしいな。
・・・・・・てか、今日はアリクの奴俺に突っかかってこようとしないんだな。

今しがた父さんが現時点でアリクが俺に勝つ事は出来ないと言った様な物なのに。
少しは大人になったのか?

「・・・・・・・・・・・・アリクの奴も確実に強くなっているぞ」

「・・・・・・だとしても、メインじゃない剣術も負けるつもりはありませんよ」

さて、確か馬車を走らせて五日って言ってたな。
俺は戦う訳じゃないけど、体は鈍らせない様にしとかないと。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。

八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。 パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。 攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。 ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。 一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。 これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。 ※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。 ※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。 ※表紙はAIイラストを使用。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません 

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。 まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。 だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥ たまにやりたくなる短編。 ちょっと連載作品 「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4500文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革

うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。 優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。 家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。 主人公は、魔法・知識チートは持っていません。 加筆修正しました。 お手に取って頂けたら嬉しいです。

処理中です...