41 / 950
父との雑談
しおりを挟む
王都でのパーティーが終わり、宿に戻ると案の定不貞腐れているアリクがいた。
どうやら宿から無断で外に出なかったみたいだな。
俺としては窓から飛び降りたりして宿の外に出て、歩き回った結果宿への帰り道が解らなくなって衛兵のお世話になると思っていたんだが、流石にこれ以上自分の我儘を押し通そうとすれば一定期間の自由が無くなる具体は察せたんだろう。
それから一晩寝て王都を出た。
道中は王都に行く時と同様にモンスターが襲ってくることがあった。
とはいってもそこまで強いモンスターはおらず、魔弾と父さんの斬撃で全て倒す事が出来た。
やっぱり父さんのあの短剣から放つ連続の斬撃は良いな。
アビリティで行う遠距離攻撃だとどうしてもタイムラグが起こるんだよなぁ・・・・・・父さんの斬撃にはタイムラグが殆ど無かった。いや、全く無かったかもしれないない。
多分最初に短剣の刃に魔力を纏う、それから手首のスナップで斬撃を放つ。放つ時に刃に纏った魔力を放たずに斬撃の数に合わせて放出する魔力の量を抑えてる。
魔弾アビリティにも連射の効果はあるけど、もしかしたら指に魔力を多く纏わせてから放った方が連射の速度が上がるかもしれない。そう思った俺は速く試してみたいと思ったが、家に帰るまでは父さんやクレア姉さんに迷惑を掛けない方が良いと思い連射の実験はしなかった。
アリク? あいつには毎回こっちが迷惑を掛けられてるんだから全く気にしていない。
そして家に着くと母さん達が出迎えてくれた。レアードとセリスがタックルをかましながら抱き着いて来たのでマジで後ろに転びそうになった。
その後にはクレア姉さん、父さんの順番に抱き着く。
ただ、アリクにはお帰りの挨拶はするものの抱き着きはしなかった。
それを見て少しだけ可哀想に思えたが、アリクは二人の前でちょいちょい醜態を晒した事や両親に怒られている場面を見られているしな。
それにアリク自身がレアードとセリスと基本的に喋らないし。二人にとっては良い反面教師になっているみたいだ。
というか、母さんが俺を見ながらニコニコしており、それを見たメリルが小さく溜息を吐いていた。
二人の間で何かがあったのか? 別に喧嘩したとか意見が食い違ったとかそういう険悪な様子は一切ないし・・・・・・まぁ、考えても無駄なだけだな。
帰った日の後日、メリルとクレア姉さんにミーシャさんと一緒に森の中へ入りモンスター倒し、錬金術に使える薬草を採集し終えて家に戻ると父さんに声を掛けられた。
「ラガス、少し父さんと話さないか」
「・・・・・・良いですよ。今から晩御飯まで特に予定は無いですから」
何だろう、王都でのパーティーに関してかな?
父さんの部屋に入り、ソファーに腰を下ろす。
相変わらず良い座り心地のソファーだな。
「まぁ、特に堅苦しい事を話すつもりはないんだ。そうだな・・・・・・王都でのパーティーで気になった、正確には目が合った女の子がいるって言っていたな。名前は分かるか?」
「僕は全く知りませんでしたけど、パーティーで友達になったロックス・セーゲルが教えてくれました。目が合った女の子の名前はセルシア・ロウレットという名前らしいです」
パーティー会場で目が合った女の子の名前を言うと、父さんは目を見開いて驚いた顔になる。
えっ・・・・・・なんかヤバい家の息女だったのか?
「そ、そうか。まさかロウレット公爵家の息女だったのか・・・・・・確か侯爵家の子息と・・・・・・・・・・・・もし仮にそうだとしたら」
何か一人でぶつぶつと呟き始めた父さんはチラッとこちらを見る。
「・・・・・・ラガス、今から四年後に同年代の貴族の子息と戦って勝てるか」
「唐突な質問ですね」
四年後ね・・・・・・丁度学校に入学する歳か。四年も経てば同年代の子供達もそりゃ強くはなるだろうな。英才教育を受けている貴族の子息に息女なら尚更。
それでも俺だってその四年間の間に強くなる訳だし、戦闘経験の数だけで言えば俺の方が断然に上な気がするんだよな・・・・・・正直獣、鬼、竜の魔法は使わなくても倒せる気がするな。魔弾だってかなり高性能だし。
「その対峙する子息の程度にもよりますけど、問題なく勝てると思いますよ」
「・・・・・・だよな~~~」
!? 何故そこで困った顔をする?
どうやら宿から無断で外に出なかったみたいだな。
俺としては窓から飛び降りたりして宿の外に出て、歩き回った結果宿への帰り道が解らなくなって衛兵のお世話になると思っていたんだが、流石にこれ以上自分の我儘を押し通そうとすれば一定期間の自由が無くなる具体は察せたんだろう。
それから一晩寝て王都を出た。
道中は王都に行く時と同様にモンスターが襲ってくることがあった。
とはいってもそこまで強いモンスターはおらず、魔弾と父さんの斬撃で全て倒す事が出来た。
やっぱり父さんのあの短剣から放つ連続の斬撃は良いな。
アビリティで行う遠距離攻撃だとどうしてもタイムラグが起こるんだよなぁ・・・・・・父さんの斬撃にはタイムラグが殆ど無かった。いや、全く無かったかもしれないない。
多分最初に短剣の刃に魔力を纏う、それから手首のスナップで斬撃を放つ。放つ時に刃に纏った魔力を放たずに斬撃の数に合わせて放出する魔力の量を抑えてる。
魔弾アビリティにも連射の効果はあるけど、もしかしたら指に魔力を多く纏わせてから放った方が連射の速度が上がるかもしれない。そう思った俺は速く試してみたいと思ったが、家に帰るまでは父さんやクレア姉さんに迷惑を掛けない方が良いと思い連射の実験はしなかった。
アリク? あいつには毎回こっちが迷惑を掛けられてるんだから全く気にしていない。
そして家に着くと母さん達が出迎えてくれた。レアードとセリスがタックルをかましながら抱き着いて来たのでマジで後ろに転びそうになった。
その後にはクレア姉さん、父さんの順番に抱き着く。
ただ、アリクにはお帰りの挨拶はするものの抱き着きはしなかった。
それを見て少しだけ可哀想に思えたが、アリクは二人の前でちょいちょい醜態を晒した事や両親に怒られている場面を見られているしな。
それにアリク自身がレアードとセリスと基本的に喋らないし。二人にとっては良い反面教師になっているみたいだ。
というか、母さんが俺を見ながらニコニコしており、それを見たメリルが小さく溜息を吐いていた。
二人の間で何かがあったのか? 別に喧嘩したとか意見が食い違ったとかそういう険悪な様子は一切ないし・・・・・・まぁ、考えても無駄なだけだな。
帰った日の後日、メリルとクレア姉さんにミーシャさんと一緒に森の中へ入りモンスター倒し、錬金術に使える薬草を採集し終えて家に戻ると父さんに声を掛けられた。
「ラガス、少し父さんと話さないか」
「・・・・・・良いですよ。今から晩御飯まで特に予定は無いですから」
何だろう、王都でのパーティーに関してかな?
父さんの部屋に入り、ソファーに腰を下ろす。
相変わらず良い座り心地のソファーだな。
「まぁ、特に堅苦しい事を話すつもりはないんだ。そうだな・・・・・・王都でのパーティーで気になった、正確には目が合った女の子がいるって言っていたな。名前は分かるか?」
「僕は全く知りませんでしたけど、パーティーで友達になったロックス・セーゲルが教えてくれました。目が合った女の子の名前はセルシア・ロウレットという名前らしいです」
パーティー会場で目が合った女の子の名前を言うと、父さんは目を見開いて驚いた顔になる。
えっ・・・・・・なんかヤバい家の息女だったのか?
「そ、そうか。まさかロウレット公爵家の息女だったのか・・・・・・確か侯爵家の子息と・・・・・・・・・・・・もし仮にそうだとしたら」
何か一人でぶつぶつと呟き始めた父さんはチラッとこちらを見る。
「・・・・・・ラガス、今から四年後に同年代の貴族の子息と戦って勝てるか」
「唐突な質問ですね」
四年後ね・・・・・・丁度学校に入学する歳か。四年も経てば同年代の子供達もそりゃ強くはなるだろうな。英才教育を受けている貴族の子息に息女なら尚更。
それでも俺だってその四年間の間に強くなる訳だし、戦闘経験の数だけで言えば俺の方が断然に上な気がするんだよな・・・・・・正直獣、鬼、竜の魔法は使わなくても倒せる気がするな。魔弾だってかなり高性能だし。
「その対峙する子息の程度にもよりますけど、問題なく勝てると思いますよ」
「・・・・・・だよな~~~」
!? 何故そこで困った顔をする?
31
お気に入りに追加
3,490
あなたにおすすめの小説
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
異世界に行ったら才能に満ち溢れていました
みずうし
ファンタジー
銀行に勤めるそこそこ頭はイイところ以外に取り柄のない23歳青山 零 は突如、自称神からの死亡宣言を受けた。そして気がついたら異世界。
異世界ではまるで別人のような体になった零だが、その体には類い稀なる才能が隠されていて....
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる