万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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三つ以外に何かあるみたいだな

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さて・・・・・・三歳になった俺は今家族が一番上の兄、カロウス兄さん以外が全員集合している中で中心に立っている。
そして目の前には透明の水晶が置いてある。

透明の水晶は唯の水晶では無く、触れた者の魔法適性を判別する事が出来る物らしい。

貴族として生まれた子供は大抵属性魔法が使える。数は個人によって変わるが最低でも一つはある。
ちなみに父さんは風魔法、母さんは火魔法を使う事が出来る。
だから遺伝子的に俺は風魔法か火魔法のどちらかを、もしくは両方使える可能性がある。

ただ、遺伝子的に考えれば祖父母が使える魔法の適性があるかもしれない。
次男のロウド兄さんは土魔法を使うしな。

「さぁ、この水晶に手を触れるんだ。変に意識する事は無いぞ。ただ掌を乗っけるだけでいいからな」

「分かりました」

父さんに言われた通りに俺は水晶の上に掌を乗せる。

そして水晶と手を合わせた瞬間、まずは三つの何かが俺の中へ入って来た。

「ッ!!!!」

これは・・・・・・と・・・・・・、それと・・・・・・か。
ははっ、これは・・・・・・魔弾より俺以外にアビリティを持っている人はいな・・・・・・いや、最後のアビリティいだけモンスターが持っている気がするな。

ただ・・・・・・魔法が随分と特別だからか水晶に反応が無いな。
両親や兄さん姉さん達は心配そうな顔をしている。・・・・・・一人例外がいるか。

ん? 水晶の中心が波打ったような・・・・・・なるほど。それが、本来俺が習得できる魔法って事か。

そして水晶の中心が波打ってから数秒間、特に変化が無いのでラガスは水晶から手を離した。

「ら、ラガス。も、もう一度水晶に手を当ててみるか?」

心配そう・・・・・・というよりは困惑した表情で父さんが声を掛けて来た。
やっぱり水晶に大きな変化が現れないのは珍しいみたいだな。

「大丈夫だよお父さん。確かに適性のある魔法はあったよ」

「ほ、本当か!!! そ、それなら良いんだが・・・・・・一体どういう魔法なんだ?」

「・・・・・・それは後で教えるよ」

今この場で言ったとしても、一番最後の魔法はともかく最初の三つは絶対に信用されないだろうからな。


「おいおい、別にかっこつけなくてもいいんだぞラガス。嘘をついたって・・・・・・あれだよ、惨めなだけだぞ」

・・・・・・こいつには常識と言う物がないのか?
俺に弟に向ける言葉とは思えない内容を見下すように言ったのは三男のアリク。

こいつは両親や使用人のいない場所で俺をバカにする事が多々ある。
しかし始めは理由が全く分からなかった。この世界に生まれたばかりなので恨みを買った記憶は一切ない。
そして何故弟である俺にそんな事を言うのか、こいつの双子の姉である次女のクレア姉さんは可愛がってくれているのに。

だが、ここ最近その理由が判明した。何というか・・・・・・その理由を知ってから鬱陶しい事に変わりはないが、ほんの少しだけ理由を理解できた。

まぁ、だからといって好きにはなれないけどな。

「なら、いつも勉強をさぼっているのにもかかわらず、お父さんやお母さんに勉強していると言っているアリクはとんでもない惨め野郎だな」

「なっ!!! お、おおおおおおおお前、何をで、出鱈目を・・・・・・」

「家庭教師のサーラさんが嘆いていたな。アリクが自分の授業を聞いてくれないのは私の教え方が下手だからなのかって、半泣きになっていたな」

一つも嘘は無く全て事実。サーラさんは気弱な女性でアリクが自分の授業を聞いてくれないのは自分が原因なんだと思っているため、両親にアリクがさぼりまくっている事を伝えていない。

「・・・・・・取り合えず夕食を食べ終えたら執務室にきてくれラガス。それとロウド、サーラ先生を呼んできてもらっても良いか」

「分かりました。直ぐに呼びに行ってきます」

「さて、お前たちも夕食まで自由にしていていいぞ・・・・・・アリク、お前は別だけどな」

父さんから睨み付けるように言われたアリクは部屋を出ようとしていた体を、壊れた機械の様に後ろを向く。

「な、なんでだよ父さん! 俺はしっかりと勉強をして・・・・・・」

「それならなぜクローナ達はお前を庇わない。クレアなんてざまぁみろといった顔をしているぞ」

父さんの言葉通り、クレア姉さんはアリクにバカにするような表情を向けている。
クレア姉さんとアリクは仲が悪いからな・・・・・・。

「母さんも少し残って貰っていいか」

「ええ、勿論です」

・・・・・・やばいな。あのいつも優しく微笑んでいる母さんの笑顔が怖いと感じる。
ご愁傷さま、アリク。

俺と姉さん達は心の中で合掌しながら部屋の外へ出た。


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