冒険がしたい創造スキル持ちの転生者

Gai

文字の大きさ
1,011 / 1,083
連載

少年期[1033]感じてはいた

しおりを挟む
(…………………………ざっと見た感じ、魔法使いからの依頼も多い、って感じか?」

魔塔に所属している魔法使いは、魔法を研究する者たち。
しかし、魔法使いであれば、多くの者が杖を持ち、ローブを羽織、人によってはハットを被る。

その他にも、自身の能力を高めるためにマジックアイテムも身に付ける。
それもあり、パルブン王国では錬金術師たちの需要も高い。

魔法使いたちが杖やローブの作成に必要な素材を依頼する。
もしくは、魔塔に所属する冒険者たちの中には、錬金術まで学び始め、杖やマジックアイテムなどを自分で作ってしまう者もいる。

なので、素材の採集を冒険者たちに頼む依頼が多い。

(依頼料金は……そんなに悪くないし、魔塔が権力を使ってケチってるってことはなさそうだな)

そんな事を考えながらも、ゼルートが探しているのは……大魔導士の杖に繋がりそうな情報である。

「………………あったか?」

「あまり、なさそうね」

「戦っても良い魔物の討伐……素材を取って来てほしいという依頼であれば、いくつか良い物があるな」

「ルウナ。その指定された素材の部分は、絶対に壊しちゃ駄目なんだぞ」

「むっ…………それは、少々めんどくさいな」

冒険者であれば、魔物の素材を気にしながら戦うのは、当然と言えば当然。
ただ、口で言う程簡単に行えることではない。
相手が安全に狩れる魔物でなければ、尚更である。

ルウナが、受けても良いと思う依頼に記されていた魔物は、どれもBランク。
今のルウナには確かにBランクの魔物であれば大体は討伐出来るだけの戦闘力がある。
しかし、必要な素材の無事を確認しながら戦っていれば、大ダメージを負ってしまう可能性は十分にある。

「まぁ、適当にいくつか受けても良いんだけどな」

最終目的は大魔導士の杖ではあるが、あまり自分たちがそれを探しているとバレたくはない。
だからこそ、カモフラージュが出来れば非常に幸い。

「では、どういうのを選ぶ?」

「ん~~~~、そうだなぁ……」

「お悩みでしたら、あちらのフォレストジャイアントリザードの卵の納品依頼などどうでしょうか」

(……来やがったか)

ゼルートたちに依頼を進めてきた人物は、赤髪のサラサラヘアーのマッシュ男。

声を掛けてきた青年が、冒険者ギルドに向かう途中から自分に視線を向けていた人物だと気付いていたゼルート。
それもあって、はいそうですかとは頷けない。

「ゼルート、知り合いか?」

「俺は基本的に社交界に出てこなかった人間だ。こんな知り合い、いるわけないだろ」

当然、赤髪マッシュ君とゼルートは本当に面識がない。

「んで、俺やアレナ、ルウナの知り合いでもないくせに、何を理由にフォレストジャイアントリザードの卵の納品依頼を俺たちに頼むつもりだ」

「特に深い意図はありませんよ。どの依頼を受けようかお悩みだったようなので、あなた方の実力があれば達成出来るであろう依頼を勧めただけです」

(……半々ってところか)

特に深い意図はない? それは嘘であると断言出来るゼルート。
ただ、あなた方の実力があればと……ゼルートたちの実力を評価した上で、こちらの依頼を受けてはいかがと提案したのは……割と嘘ではなかった。

(つっても、信用してんのはアレナとルウナ……後、俺らの後ろを付いてきたんだから、多分ゲイルたちの事も見てただろうな)

他のメンバーの実力を考量し、あなた達であれば達成出来ると口にした。
そんなゼルートの予想は……見事的中していた。

だが、赤髪マッシュの男は、決してゼルートを見下していた訳ではない。
彼にはゼルートの大体の実力を把握出来るほどの優れた感覚、観察眼はなかった。

それでも、同じく魔法の才の方が優れている者として、ゼルートに対して言葉で言い表すのが難しい存在感を感じていた。

「…………悪いけど、こそこそストーキングする奴の勧めに耳を貸すつもりはない」

ゼルートもなんとなくそこまで把握していたが、だからといって、彼の言う通りの動く必要はなかった。
しおりを挟む
感想 685

あなたにおすすめの小説

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。