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兄の物語[71]小動物
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「お、お願いですから、ちょっと待ってください!!!」
可愛らしい、小動物のような受付嬢は地元の若手冒険者……ではなく、クライレットたちに向かって待ってくれと頼み込んだ。
「ん? ちょっと待ってくれって言われてもなぁ……そっちの奴らは、俺らに喧嘩売る気満々って感じだぜ?」
喧嘩を売る……か否かは不確かだが、穏やかな空気出ないのは確かだった。
「も、勿論解ってます!! あなた達! バカな真似は止めなさい!!!!」
小動物が、肉食獣に注意する。
ベテラン達や、彼女の事を気に入っている女性冒険者たちはその姿に癒されるも……本人は真剣に同世代、もしくは少し歳上の冒険者達を叱りつけているつもりだった。
「ギルド職員は、冒険者同士に干渉しないのがルールだろ」
「それは基本的なルールです!! 今回は例外に当てはまります!!!」
若手の中でも有望株な冒険者が凄むも、慣れているのか、小動物受付嬢は全く怯まない。
「クライレットさんたちは、わざわざドーウルスから来てくれたんです!!!!」
「チッ……やっぱりそうか。なら、尚更引けねぇな」
「ば、バカなんですか!!!!!」
正直すぎる……あまりにも真っ直ぐ過ぎる暴言だった。
しかし、若手たちがバカと言われて引き下がるわけがなかった。
「彼等はわざわざ、うちの為にドーウルスから来てくれたんです!!」
「なんでわざわざそんなところから呼んでんだよ。俺らで解決すりゃ良い話だろ」
小動物受付嬢と、リーダー格冒険者との会話から、ペトラは何故彼らが自分たちに絡んで来たのか、その行動理由を察した。
「そういう事ね」
「ん? どういう事だよ。あいつら、俺らが気に入らないから絡んできたんじゃねぇのか?」
「そうね。私たちの事がよほど気に入らないみたいね。ただ、それはわざわざこのタイミングでこの街に来たからよ」
「このタイミングで………………………………あっ、アインツワイバーンの件か」
ざっと十秒ほど考え込み、ない頭を振り絞り、バルガスにしては珍しく答えに辿り着いた。
「そういう事。もう色々と諦めてるけど……毎度の事、ため息を吐きたくなるわ」
「はっはっは!!! 良いじゃねぇか、別によ。俺は寧ろ楽しいと思ってるぜ」
「……その心は?」
「活きの良い跳ねっかえり連中をぶっ倒したら、それはそれで楽しいだろ!!!! 因みに、相手が強いとなお良し!!!!」
「…………はぁ~~~~。らしい理由ね。でも、前半には賛成ね」
ナチュラに上から見下ろすバルガスと、意図的に見下ろすペトラ。
そんな二人の言葉を耳にし……彼らが怒らない訳がない。
加えて、小動物受付嬢も「なんでそんな余計な事言うんですか!!!???」という顔になるが、バルガスやペトラからすれば知ったことではない。
「てめぇら、そりゃどういうつもりで吐いた言葉だ」
「そのままの意味ね。冒険者同士、無理に仲良しこよしせずとも、適当な距離を保つのは大事だと思うのよ。けど、あなた達みたいな面倒な奴らは、キッチリぶっ倒してイライラを解消するのが一番ってのが現実なのよ」
「ッ!!!!! 好きに喋らせてりゃ良い気になりやがって!!!!!!!」
「ま、待ちなさい!!!!!!!!」
小動物受付嬢が必死に止めているため、まだ……まだ、ギリギリぶつかることはなかった。
「はぁ~~~~~……ねぇ、クライレット。あなたリーダーなんだから、偶にはビシッと言ってよ」
「ここで僕に振るの?」
「リーダーだしね。でも、嫌なら構わないわよ。代わりに、私が言いたい事を言うだけだから」
まだクライレットが答えを出す前に、ペトラはその口を開いた。
大なり小なり、これまでイライラが溜まっていた。
それが面倒な同業者によるものなのか、それとも基本的にバカな仲間……もしくは爆発しそうな闘争心を抑えようとしない仲間たちによって生まれたイライラなのか、それに関して答えるつもりはない。
ただ、パーティーメンバーである三人は、今それが爆発したのだと明確に感じ取った。
可愛らしい、小動物のような受付嬢は地元の若手冒険者……ではなく、クライレットたちに向かって待ってくれと頼み込んだ。
「ん? ちょっと待ってくれって言われてもなぁ……そっちの奴らは、俺らに喧嘩売る気満々って感じだぜ?」
喧嘩を売る……か否かは不確かだが、穏やかな空気出ないのは確かだった。
「も、勿論解ってます!! あなた達! バカな真似は止めなさい!!!!」
小動物が、肉食獣に注意する。
ベテラン達や、彼女の事を気に入っている女性冒険者たちはその姿に癒されるも……本人は真剣に同世代、もしくは少し歳上の冒険者達を叱りつけているつもりだった。
「ギルド職員は、冒険者同士に干渉しないのがルールだろ」
「それは基本的なルールです!! 今回は例外に当てはまります!!!」
若手の中でも有望株な冒険者が凄むも、慣れているのか、小動物受付嬢は全く怯まない。
「クライレットさんたちは、わざわざドーウルスから来てくれたんです!!!!」
「チッ……やっぱりそうか。なら、尚更引けねぇな」
「ば、バカなんですか!!!!!」
正直すぎる……あまりにも真っ直ぐ過ぎる暴言だった。
しかし、若手たちがバカと言われて引き下がるわけがなかった。
「彼等はわざわざ、うちの為にドーウルスから来てくれたんです!!」
「なんでわざわざそんなところから呼んでんだよ。俺らで解決すりゃ良い話だろ」
小動物受付嬢と、リーダー格冒険者との会話から、ペトラは何故彼らが自分たちに絡んで来たのか、その行動理由を察した。
「そういう事ね」
「ん? どういう事だよ。あいつら、俺らが気に入らないから絡んできたんじゃねぇのか?」
「そうね。私たちの事がよほど気に入らないみたいね。ただ、それはわざわざこのタイミングでこの街に来たからよ」
「このタイミングで………………………………あっ、アインツワイバーンの件か」
ざっと十秒ほど考え込み、ない頭を振り絞り、バルガスにしては珍しく答えに辿り着いた。
「そういう事。もう色々と諦めてるけど……毎度の事、ため息を吐きたくなるわ」
「はっはっは!!! 良いじゃねぇか、別によ。俺は寧ろ楽しいと思ってるぜ」
「……その心は?」
「活きの良い跳ねっかえり連中をぶっ倒したら、それはそれで楽しいだろ!!!! 因みに、相手が強いとなお良し!!!!」
「…………はぁ~~~~。らしい理由ね。でも、前半には賛成ね」
ナチュラに上から見下ろすバルガスと、意図的に見下ろすペトラ。
そんな二人の言葉を耳にし……彼らが怒らない訳がない。
加えて、小動物受付嬢も「なんでそんな余計な事言うんですか!!!???」という顔になるが、バルガスやペトラからすれば知ったことではない。
「てめぇら、そりゃどういうつもりで吐いた言葉だ」
「そのままの意味ね。冒険者同士、無理に仲良しこよしせずとも、適当な距離を保つのは大事だと思うのよ。けど、あなた達みたいな面倒な奴らは、キッチリぶっ倒してイライラを解消するのが一番ってのが現実なのよ」
「ッ!!!!! 好きに喋らせてりゃ良い気になりやがって!!!!!!!」
「ま、待ちなさい!!!!!!!!」
小動物受付嬢が必死に止めているため、まだ……まだ、ギリギリぶつかることはなかった。
「はぁ~~~~~……ねぇ、クライレット。あなたリーダーなんだから、偶にはビシッと言ってよ」
「ここで僕に振るの?」
「リーダーだしね。でも、嫌なら構わないわよ。代わりに、私が言いたい事を言うだけだから」
まだクライレットが答えを出す前に、ペトラはその口を開いた。
大なり小なり、これまでイライラが溜まっていた。
それが面倒な同業者によるものなのか、それとも基本的にバカな仲間……もしくは爆発しそうな闘争心を抑えようとしない仲間たちによって生まれたイライラなのか、それに関して答えるつもりはない。
ただ、パーティーメンバーである三人は、今それが爆発したのだと明確に感じ取った。
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