冒険がしたい創造スキル持ちの転生者

Gai

文字の大きさ
911 / 1,083
連載

兄の物語[67]逆じゃない?

しおりを挟む
「お、おい……あの二人、ヤバくないか?」

「ちょっと派手にやり過ぎな気がしなくもないけど……でもさ、二人とも目立った傷とかないよね」

「ってことは、あの二人にとっちゃ、あれが普通だってのか? さすがにそれは……普通じゃ無さ過ぎるだろ」

ある程度クライレットたちの名はドーウルス内でも広まってはいるが、入ってくる冒険者がそれなりに多いため、まだ四人の名前と顔が一致しない冒険者がそれなりにいる。

ただ、そんな冒険者たちに、ドーウルスを拠点に活動している心優しいベテラン冒険者は、あまりバカな絡み方をしてはいけない冒険者として四人を紹介する。

全員が冒険者として活動を始めて数年とは思えない戦闘力を有しており、まず下手に実力があるルーキーが絡んでも、痛い目を見るのは明らか。
加えてパーティーメンバーの中で、特攻隊長であるバルガスはそういった連中を相手にすることを嫌っておらず、嬉々として叩きのめそうとする。

そして普段はクールな態度だが、パーティーメンバーの事を侮辱されるようなことがあれば、冷静にキレ……冷静な言葉と実力で現実を叩きつけてくる。
他二人も女だと思って油断していれば、間違いなく返り討ちにされてしまい……ペトラからは絶対零度の眼を向けられながら罵られ、フローラからは笑顔で毒を吐かれてしまう。

「ふぅ~~~~。クライレット、ちょっと休憩しても、良いかな」

「そうだね。そうしようか」

訓練が始まってから五分以上が経過し、ようやく二人は動きを止めた。

「クライレット、魔力の消費量は大丈夫?」

「あぁ、問題無いよ。もう一回か二回は出来る」

「……何度も思うけど、やっぱりクライレットの魔力総量ってちょっとおかしいよね」

戦闘中、クライレットは身体強化系のスキルを使用するだけではなく、魔力の斬撃刃や風の攻撃魔法なども使用していた。
にもかかわらず、クライレットの表情にはあまり疲れが浮かんでいない。

「子供の頃から頑張ってたから、かな」

「貴族の子供って、強制的に頑張らなきゃいけない時期みたいなのが、あるんじゃないの?」

「そう、だね……学園に居る時は、他の同世代の人たちの話を聞く機会が多かった…………それを考えると、やっぱりゼルートっていう、偉大な弟がいたからかな」

「実際にあの攻撃っぷりを見たから解るけど、クライレットは本当に彼のことを尊敬してるというか、なんと言うか」

ゼルートが特大攻撃魔法を発動するところを見ただけではなく、実際にクライレットの紹介で会ったこともある。

(まぁ、超超超超超詐欺人間、冒険者って感じだから色々と解らなくはないけど~~)

ある程度視る眼を持っているフローラからすれば、ゼルートは超絶詐欺人間といった印象が一番であった。

「ゼルートもゼルートで、俺の事を色々と褒めてくれてたんだ。俺は……子供の頃から、割と考える力があったみたいなんだけど、それでも更に強くなる切っ掛けみたいなアドバイスをくれたのは、いつもゼルートだった」

(このルーキーの中でもトップクラス……もしかしたらトップかもしれないクライレットにアドバイスを送れる歳下の子供、か…………うん、やっぱり大きな声では言えないけど、超詐欺人間だよね)

フローラの中で、ゼルートはあまりにも規格外過ぎる人物なため、ルーキーという枠の中から完全に外れていた。

冷静に、冷静に考えてみると、クライレットが十歳以下の年齢の時……弟であるゼルートは、更に歳下。
普通に考えれば、クライレットがゼルートに何かをアドバイスするのはおかしくないが、逆はおかしい。
おかしくないところがないと断言出来るほど、自然ではない。

(けど、これだけ下に恐ろしい怪物がいるにもかかわらず、幸せそうに弟の事を語ってるんだから……それに関してあれこれ口を出すのは、やぼってものだよね)

数十分間休憩を取った後、フローラは再度クライレットと訓練を始めた。
しおりを挟む
感想 685

あなたにおすすめの小説

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。