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少年期[937]人間ではなく、スライム
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ゼルートによって放たれた複数のウィンドランスは殆ど躱されたが、シーサーペントを一体討伐に成功。
「ゼルート、僕が戦る!!!!」
「オッケー!! 楽しんでこい!!!」
「うんっ!!!!」
ラームは満面の笑みを浮かべ、ルウナとゲイルとラルの方に渡し、勢い良く海へとダイブ。
「んじゃ、俺たちは邪魔なシーサーペントを潰すぞ」
「「「「了解」」」」
全員勢い良く海に飛び込み、瞬く前にシーサーペントを瞬殺していく、
海の中でもシーサーペントも中々に厄介な魔物ではあるが、全員でおおよそ一体を討伐する……つまり、戦う相手はCランクの魔物だけということで、全くもってゼルートたちの遊び相手にはならない。
「陸と違って、ラームとブルーシーサーペントの戦闘光景がしっかり見えないな」
「そりゃ陸からそれなりに離れた場所だからな。ちょっと深く潜られると、姿は見えなくなって当然だ」
至極当然のことを口にするゼルートだが、立体感知を広範囲に使えば、おおよそラームとブルーシーサーペントがどう戦っている解る。
一応動きは解るのだが……普通に疲れる。
ラームはブルーシーサーペントの動きに合わせて自由に戦っており、時おり発見時とは離れた場所から海上に飛び出る。
そしてラームはがっつりブルーシーサーペントとの戦いを楽しむつもりなので、戦闘時間がそれなりに長くなると予想出来る。
「ねぇ……思ったんだけど、あそこまであっ、戻ってきた……って、また離れたわね。あんなに行ったり来たり、自由に動き回ってたら、私たちがシーサーペントを倒した意味ってないわよね?」
「あぁ~~~……いや、あれだろ。ラームとブルーシーサーペントの戦いに付いてこれる奴なんて、そうそう現れないだろうから、意外とそこら辺は大丈夫なんじゃないか?」
動き回っている二体だが、片方のラームは冒険者……ではなく、人間でもない。
魔物が好んで襲う種族ではないこともあり、すれ違う魔物たちが驚くことはあっても、両方を……どちらかに襲い掛かるということもない。
いきなり自分の近くを高速で通り過ぎた二体に怒りを抱く個体もいるが、二人の戦いぶりを見れば腰が引けてしまうというもの。
ブルーシーサーペントは長い体を使ったタックル、体の先端を使ったテールアタック。
口から放たれる水のブレスや、角に水の魔力を纏っての突貫などの技を主に行い、ラームを倒すことに必死。
そんなブルーシーサーペントの猛攻にラームは笑いながら海中を自由自在に泳ぎ回り、偶に触手を大きくしてタックルやテールアタックを止めて相手を驚かせる。
そして鋭い触手や水魔法、風魔法を使って適度にブルーシーサーペントに攻撃を仕掛ける。
(はっはっは!!! 本当に速いっ!!!)
基本的に陸で移動し続けているため、ラームも水中での移動ではここ最近慣れたところ。
今では水中での動きに楽しさを感じ、心の底からブルーシーサーペントとの戦闘を楽しんでた。
そんなラームに対して……ガチバトルが始まってから約五分が経過。
スタミナに関しては問題無い。
魔力に関してもまだ余裕がある。
ただ……しっかりと顔を把握出ない。
把握出来ないが、おちょくられてる感が消えない。
本能的にこの攻撃を完全に食らえば自分は死ぬ、そう思う瞬間が何度もあった。
その度にギリギリ、本当に紙一重で躱せるのだが……その繰り返しが、確実にイライラを蓄積させる要因となっていた。
しかし、ブルーシーサーペントの思考に撤退という選択肢はない。
逆に挑発を意思を込め、殺気を全開で放ち……口に膨大の魔力を溜め始める。
(力比べ!? よっしゃああああっ!!!!)
真っ向からの力比べに燃え上がるラームは、ブルーシーサーペントの作戦に敢えて乗っかり、ブレスの準備を行う。
そして十数秒後、海上まで余波が噴き出す衝撃が起こった。
「ゼルート、僕が戦る!!!!」
「オッケー!! 楽しんでこい!!!」
「うんっ!!!!」
ラームは満面の笑みを浮かべ、ルウナとゲイルとラルの方に渡し、勢い良く海へとダイブ。
「んじゃ、俺たちは邪魔なシーサーペントを潰すぞ」
「「「「了解」」」」
全員勢い良く海に飛び込み、瞬く前にシーサーペントを瞬殺していく、
海の中でもシーサーペントも中々に厄介な魔物ではあるが、全員でおおよそ一体を討伐する……つまり、戦う相手はCランクの魔物だけということで、全くもってゼルートたちの遊び相手にはならない。
「陸と違って、ラームとブルーシーサーペントの戦闘光景がしっかり見えないな」
「そりゃ陸からそれなりに離れた場所だからな。ちょっと深く潜られると、姿は見えなくなって当然だ」
至極当然のことを口にするゼルートだが、立体感知を広範囲に使えば、おおよそラームとブルーシーサーペントがどう戦っている解る。
一応動きは解るのだが……普通に疲れる。
ラームはブルーシーサーペントの動きに合わせて自由に戦っており、時おり発見時とは離れた場所から海上に飛び出る。
そしてラームはがっつりブルーシーサーペントとの戦いを楽しむつもりなので、戦闘時間がそれなりに長くなると予想出来る。
「ねぇ……思ったんだけど、あそこまであっ、戻ってきた……って、また離れたわね。あんなに行ったり来たり、自由に動き回ってたら、私たちがシーサーペントを倒した意味ってないわよね?」
「あぁ~~~……いや、あれだろ。ラームとブルーシーサーペントの戦いに付いてこれる奴なんて、そうそう現れないだろうから、意外とそこら辺は大丈夫なんじゃないか?」
動き回っている二体だが、片方のラームは冒険者……ではなく、人間でもない。
魔物が好んで襲う種族ではないこともあり、すれ違う魔物たちが驚くことはあっても、両方を……どちらかに襲い掛かるということもない。
いきなり自分の近くを高速で通り過ぎた二体に怒りを抱く個体もいるが、二人の戦いぶりを見れば腰が引けてしまうというもの。
ブルーシーサーペントは長い体を使ったタックル、体の先端を使ったテールアタック。
口から放たれる水のブレスや、角に水の魔力を纏っての突貫などの技を主に行い、ラームを倒すことに必死。
そんなブルーシーサーペントの猛攻にラームは笑いながら海中を自由自在に泳ぎ回り、偶に触手を大きくしてタックルやテールアタックを止めて相手を驚かせる。
そして鋭い触手や水魔法、風魔法を使って適度にブルーシーサーペントに攻撃を仕掛ける。
(はっはっは!!! 本当に速いっ!!!)
基本的に陸で移動し続けているため、ラームも水中での移動ではここ最近慣れたところ。
今では水中での動きに楽しさを感じ、心の底からブルーシーサーペントとの戦闘を楽しんでた。
そんなラームに対して……ガチバトルが始まってから約五分が経過。
スタミナに関しては問題無い。
魔力に関してもまだ余裕がある。
ただ……しっかりと顔を把握出ない。
把握出来ないが、おちょくられてる感が消えない。
本能的にこの攻撃を完全に食らえば自分は死ぬ、そう思う瞬間が何度もあった。
その度にギリギリ、本当に紙一重で躱せるのだが……その繰り返しが、確実にイライラを蓄積させる要因となっていた。
しかし、ブルーシーサーペントの思考に撤退という選択肢はない。
逆に挑発を意思を込め、殺気を全開で放ち……口に膨大の魔力を溜め始める。
(力比べ!? よっしゃああああっ!!!!)
真っ向からの力比べに燃え上がるラームは、ブルーシーサーペントの作戦に敢えて乗っかり、ブレスの準備を行う。
そして十数秒後、海上まで余波が噴き出す衝撃が起こった。
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