732 / 1,083
連載
少年期[889]本当は?
しおりを挟む
「ねぇ、ゼルート」
「なんだ、ラーム」
「なんでこの人が、最後何かやるまで待たなかったの?」
ラームの言葉に、少し言葉が詰まる。
詰まったが、特に隠すことでもないので、正直に話した。
「……理由は分からないけど、ヤバいって思ったんだ」
「ヤバいって、ゼルートが?」
「そうだな。本当に理由は分からないんだが、強い危機感を感じた。この爺さんがさっき使った、召喚魔法とは別の……本能に警報が呼び掛けてくるような脅威を感じた」
上手く言葉に出来ない危機感を感じ、即座に殺した。
その判断が間違いだったとは思わない。
ただ、ラームの質問通り、自分でも何故本能的に悪足搔きをする前に殺したのか疑問に思った。
(なんで、最後の悪足搔きを待たずに殺したんだろうな……あの爺さんは最後、何をしようとしたんだ?)
自分の頭でその疑問について考えながらも、一先ず老人の脳内を読み取り始めた。
(…………この集団だけで、行ってたのか。いや、元は辿れば爵位や権力を持つ者たちの恨みによって集まった集団、か……っ!!! そういう事だったのか)
怪しい集団のトップである老人の記憶を読み取る中で、最後に悪足搔きをしようとした内容が、どんなものだったのか解かり、ゼルートはゾッとした。
まさかの内容に、冷や汗が湧き出た。
「ふぅ~~~……恐ろしい事しようとしたもんだ」
「何が分かったの?」
「この爺さん、最後の最後に自分の命を代償にして、もともと召喚しようとしてた悪神か邪神かを召喚しようとしてたんだ」
「えっ!!?? で、でもそれをするには、何かしらの儀式が必要なんでしょ?」
「あぁ、そうだな。普通はな……でも、この爺さんは自分の全てを代償に、ほんの数分……もしくは数十秒だけ、その化け物を一時的に召喚しようとした」
「あっ、なんだ。数分から数十秒だけか」
「だけって……もうちょい焦るだろ」
老人の記憶を読み取ったからこそ、ゼルートは先程感じた強烈な危機感を理解し、納得した。
「だって、ゼルートとならそういった敵が相手でも、勝てるでしょ?」
「邪神か悪神……とりあえず神と名の付く化け物だぞ。まだまだ成長中だが、勝てる保証なんてない」
怪しい集団が召喚しようと目論んでいた化け物が、いったいどれ程の強さを有しているのかなど、解るわけがない。
だが、仮にも神である化け物に勝てる自信はさすがになく、全ての切り札を使えば、時間切れになるまでの時間は稼げる……かもしれない。
「ふ~~~ん。けどさ、本当にこいつらは、その邪神か悪神かを召喚できたのかな?」
「……なんでそう思うんだ」
自分の本能、直感を信じたいところだが、ラームの疑問は聞いておきたかった。
「えっと、その……あれだよ。単純に人を何人も犠牲にするだけで、神を召喚出来るのかと思って」
「…………最もな理由だな」
ゼルートの頭の中には、ホルーエンでどういった人たちが消えたのか、という情報が集められる限り入っていた。
そしてアジトに突入してから感じた気配の数は、五十すら越えていない。
到底……それらを代償、生贄にしたところで、神を召喚できると思えない。
「……怪しい集団、全員の命を含めても、召喚するのは……無理か」
「それこそ、数分から数十秒? ぐらいは一時的に召喚出来たかもね」
「完全に召喚するには、少なくとも高位貴族や高ランク冒険者を何十人……もしくは、何百人と犠牲にしてようやくか」
「それでも、一日とか数日とかの間じゃないかな?」
「全然ありえそうだな」
チート要素満載なゼルートでも、神を召喚することは不可能。
元よりそんなことするつもりはないが、絶対に無理としか思えない。
(でも、それじゃこいつらが召喚しようとしてたのはいったい……神の成りそこない? それとも過去に暴れ回った悪獣以上の災害その物と呼べる魔物?)
幾ら考えても「これだ!!」と思う内容が浮かばない為、ひとまず儀式に使う予定だったであろう台座や魔法陣を全て破壊し始めた。
「なんだ、ラーム」
「なんでこの人が、最後何かやるまで待たなかったの?」
ラームの言葉に、少し言葉が詰まる。
詰まったが、特に隠すことでもないので、正直に話した。
「……理由は分からないけど、ヤバいって思ったんだ」
「ヤバいって、ゼルートが?」
「そうだな。本当に理由は分からないんだが、強い危機感を感じた。この爺さんがさっき使った、召喚魔法とは別の……本能に警報が呼び掛けてくるような脅威を感じた」
上手く言葉に出来ない危機感を感じ、即座に殺した。
その判断が間違いだったとは思わない。
ただ、ラームの質問通り、自分でも何故本能的に悪足搔きをする前に殺したのか疑問に思った。
(なんで、最後の悪足搔きを待たずに殺したんだろうな……あの爺さんは最後、何をしようとしたんだ?)
自分の頭でその疑問について考えながらも、一先ず老人の脳内を読み取り始めた。
(…………この集団だけで、行ってたのか。いや、元は辿れば爵位や権力を持つ者たちの恨みによって集まった集団、か……っ!!! そういう事だったのか)
怪しい集団のトップである老人の記憶を読み取る中で、最後に悪足搔きをしようとした内容が、どんなものだったのか解かり、ゼルートはゾッとした。
まさかの内容に、冷や汗が湧き出た。
「ふぅ~~~……恐ろしい事しようとしたもんだ」
「何が分かったの?」
「この爺さん、最後の最後に自分の命を代償にして、もともと召喚しようとしてた悪神か邪神かを召喚しようとしてたんだ」
「えっ!!?? で、でもそれをするには、何かしらの儀式が必要なんでしょ?」
「あぁ、そうだな。普通はな……でも、この爺さんは自分の全てを代償に、ほんの数分……もしくは数十秒だけ、その化け物を一時的に召喚しようとした」
「あっ、なんだ。数分から数十秒だけか」
「だけって……もうちょい焦るだろ」
老人の記憶を読み取ったからこそ、ゼルートは先程感じた強烈な危機感を理解し、納得した。
「だって、ゼルートとならそういった敵が相手でも、勝てるでしょ?」
「邪神か悪神……とりあえず神と名の付く化け物だぞ。まだまだ成長中だが、勝てる保証なんてない」
怪しい集団が召喚しようと目論んでいた化け物が、いったいどれ程の強さを有しているのかなど、解るわけがない。
だが、仮にも神である化け物に勝てる自信はさすがになく、全ての切り札を使えば、時間切れになるまでの時間は稼げる……かもしれない。
「ふ~~~ん。けどさ、本当にこいつらは、その邪神か悪神かを召喚できたのかな?」
「……なんでそう思うんだ」
自分の本能、直感を信じたいところだが、ラームの疑問は聞いておきたかった。
「えっと、その……あれだよ。単純に人を何人も犠牲にするだけで、神を召喚出来るのかと思って」
「…………最もな理由だな」
ゼルートの頭の中には、ホルーエンでどういった人たちが消えたのか、という情報が集められる限り入っていた。
そしてアジトに突入してから感じた気配の数は、五十すら越えていない。
到底……それらを代償、生贄にしたところで、神を召喚できると思えない。
「……怪しい集団、全員の命を含めても、召喚するのは……無理か」
「それこそ、数分から数十秒? ぐらいは一時的に召喚出来たかもね」
「完全に召喚するには、少なくとも高位貴族や高ランク冒険者を何十人……もしくは、何百人と犠牲にしてようやくか」
「それでも、一日とか数日とかの間じゃないかな?」
「全然ありえそうだな」
チート要素満載なゼルートでも、神を召喚することは不可能。
元よりそんなことするつもりはないが、絶対に無理としか思えない。
(でも、それじゃこいつらが召喚しようとしてたのはいったい……神の成りそこない? それとも過去に暴れ回った悪獣以上の災害その物と呼べる魔物?)
幾ら考えても「これだ!!」と思う内容が浮かばない為、ひとまず儀式に使う予定だったであろう台座や魔法陣を全て破壊し始めた。
80
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。