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少年期[886]執念は消えていなかった
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絶望……という言葉以外、出てこない。
用意していたマジックアイテムは、まさに切り札と呼べる最強の盾にして武器。
圧倒的な遠距離攻撃を反射することで、確実に命を奪える。
奪えなかったとしても、一緒に戦っている相方が、もう一つの切り札で殺れると思っていた。
だが、反射させた攻撃はラームを殺す……もしくは重傷を負わせる結果になるどころか、体内に吸収された。
(な、何なんだこいつは……スライムからは、あまりにも逸脱し過ぎているだろ!!!!)
冷静な紳士、というイメージを持たれる屈強なおっさんの心が乱れる。
二人とも一応鑑定のスキルを使っていたが、弾かれてしまったため、ラームがいったいどの様なスキルを有しているのか、確認出来なかった。
それは痛かった。
できれば戦闘開始前に視ることが出来れば、もっと上手く戦況を優位に進めることが出来たかもしれない。
ただ……ラームやゼルートの様な正真正銘の化け物に限っては、視れない方が良かったかもしれない。
所持スキルの多さ、レベルの高さ……その二つの要素は、それだけで大きな武器。
ラームが有するスキルの量や質は、それだけで相手を絶望させるスパイスとなる。
「返すね」
「「っ!?」」
反射された自身の攻撃を体内に取り込み、そのまま即座に吐き出す。
先程使用した反射のマジックアイテムは、一度きりの使い捨てアイテム。
使い捨てだが、おおよそどんな攻撃でも反射できる故、先程の放ったラームの攻撃も、見事反射することに成功。
だが、役目を終えたマジックアイテムは既に崩れ去っていた。
「ぬぅ!! おぉおおおおあああああああ…………」
接近戦では攻撃だけではなく、タンクの役目も果たすことが出来るおっさんは、暗殺者タイプの若造に指示を告げ、一人で再度飛んでくる砲撃に対応。
幸いにも、砲撃の範囲は広くない。
上手くいけば、耐えきれる……という考えは、なんとも浅はかだったと、思い知らされた。
ラームが砲撃を取り込んで再度放出する際、何も手を加えていない訳がなく、しっかり強化済。
確かに攻撃もタンクも出来るおっさんの力量は高く、間違いなくAランク冒険者クラスの実力を持つ。
何故こんな怪しい団体に所属しているのか? と疑問を持つのも当然と言えるほど、その実力は優れていた。
だが、最後の最後で判断を見誤った。
真正面から対応するのではなく、盾を犠牲にして受け流すように対応すれば……体を損傷こそすれど、砲撃から助かった可能性はあった。
しかし、最後の判断ミスが命取りとなり……最後は骨も残らず、この世から消え去った。
「もっと殺気を隠しなよ」
「っ!?」
仲間が完全に殺された激情を隠し、もう一つの切り札である劇毒を生み出すナイフを突き刺そうとした暗殺者だが、激情は隠せても、濃密な殺気まで隠せなかった。
基本的に吸収した属性魔法や、体の一部を吸収した魔物の姿に変化、もしくは触手などを使って敵を倒すラームだが、一応武器を使えないことはない。
今まで吸収してきた魔物の中で、武器スキルを持っていた敵も多く、ある程度どの武器もそれなりに使えてしまう。
ゼルートから貰っている武器を取り出し、劇毒による斬撃を防ぎ、多数の触手を展開。
「ッ!!!!!」
暗殺者タイプの若造も決死の覚悟で止まらない攻撃を対応するが……その覚悟は、一分も持たずに消えた。
勿論、心が完全に俺て逃げ出したわけではない。
最後まで目の前の敵を殺すという執念は持ち合わせていたが、一手崩れたところからラームの攻撃が更に加速し、全身穴だらけとなり……地面に倒れ伏した。
「戦闘終了、だね。ん~~、なんでこんなに強いのに、普通に生きないのかな? 人って本当に解かんないよね~」
独り言を呟きながら死体から何か怪しい点はないか探り、それが終了すると……欠片も残らないように吸収した。
用意していたマジックアイテムは、まさに切り札と呼べる最強の盾にして武器。
圧倒的な遠距離攻撃を反射することで、確実に命を奪える。
奪えなかったとしても、一緒に戦っている相方が、もう一つの切り札で殺れると思っていた。
だが、反射させた攻撃はラームを殺す……もしくは重傷を負わせる結果になるどころか、体内に吸収された。
(な、何なんだこいつは……スライムからは、あまりにも逸脱し過ぎているだろ!!!!)
冷静な紳士、というイメージを持たれる屈強なおっさんの心が乱れる。
二人とも一応鑑定のスキルを使っていたが、弾かれてしまったため、ラームがいったいどの様なスキルを有しているのか、確認出来なかった。
それは痛かった。
できれば戦闘開始前に視ることが出来れば、もっと上手く戦況を優位に進めることが出来たかもしれない。
ただ……ラームやゼルートの様な正真正銘の化け物に限っては、視れない方が良かったかもしれない。
所持スキルの多さ、レベルの高さ……その二つの要素は、それだけで大きな武器。
ラームが有するスキルの量や質は、それだけで相手を絶望させるスパイスとなる。
「返すね」
「「っ!?」」
反射された自身の攻撃を体内に取り込み、そのまま即座に吐き出す。
先程使用した反射のマジックアイテムは、一度きりの使い捨てアイテム。
使い捨てだが、おおよそどんな攻撃でも反射できる故、先程の放ったラームの攻撃も、見事反射することに成功。
だが、役目を終えたマジックアイテムは既に崩れ去っていた。
「ぬぅ!! おぉおおおおあああああああ…………」
接近戦では攻撃だけではなく、タンクの役目も果たすことが出来るおっさんは、暗殺者タイプの若造に指示を告げ、一人で再度飛んでくる砲撃に対応。
幸いにも、砲撃の範囲は広くない。
上手くいけば、耐えきれる……という考えは、なんとも浅はかだったと、思い知らされた。
ラームが砲撃を取り込んで再度放出する際、何も手を加えていない訳がなく、しっかり強化済。
確かに攻撃もタンクも出来るおっさんの力量は高く、間違いなくAランク冒険者クラスの実力を持つ。
何故こんな怪しい団体に所属しているのか? と疑問を持つのも当然と言えるほど、その実力は優れていた。
だが、最後の最後で判断を見誤った。
真正面から対応するのではなく、盾を犠牲にして受け流すように対応すれば……体を損傷こそすれど、砲撃から助かった可能性はあった。
しかし、最後の判断ミスが命取りとなり……最後は骨も残らず、この世から消え去った。
「もっと殺気を隠しなよ」
「っ!?」
仲間が完全に殺された激情を隠し、もう一つの切り札である劇毒を生み出すナイフを突き刺そうとした暗殺者だが、激情は隠せても、濃密な殺気まで隠せなかった。
基本的に吸収した属性魔法や、体の一部を吸収した魔物の姿に変化、もしくは触手などを使って敵を倒すラームだが、一応武器を使えないことはない。
今まで吸収してきた魔物の中で、武器スキルを持っていた敵も多く、ある程度どの武器もそれなりに使えてしまう。
ゼルートから貰っている武器を取り出し、劇毒による斬撃を防ぎ、多数の触手を展開。
「ッ!!!!!」
暗殺者タイプの若造も決死の覚悟で止まらない攻撃を対応するが……その覚悟は、一分も持たずに消えた。
勿論、心が完全に俺て逃げ出したわけではない。
最後まで目の前の敵を殺すという執念は持ち合わせていたが、一手崩れたところからラームの攻撃が更に加速し、全身穴だらけとなり……地面に倒れ伏した。
「戦闘終了、だね。ん~~、なんでこんなに強いのに、普通に生きないのかな? 人って本当に解かんないよね~」
独り言を呟きながら死体から何か怪しい点はないか探り、それが終了すると……欠片も残らないように吸収した。
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