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少年期[864]そっちを潰す?
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「……俺を、殺しに来てる。ということか」
「おそらく、その通りかと」
特に考える必要もなかった。
ディスタール王国屈指の暗殺者がオルディア王国に侵入してきた。
目的は……ゼルートの暗殺しかない。
「あんたは、先日の戦争で凄まじい活躍をしたと聞きました。ただ……敢えて言うならば、あまりにも凄過ぎた」
勝った側のオルディア王国の貴族としては、久しぶりに得た活躍の場を殆ど奪われたことに……大なり小なり恨みはある。
だが、それでも殺したいほど憎い気持ちはない。
約二名ほど馬鹿がいるが、現在ゼルートは貴族の令息から貴族になった。
たかが令息が手を出して良い相手ではない。
「オルディア王国は、歴史を遡っても今回の戦争は、今までで最小限に抑えられたでしょう」
「でしょうね。普通、侵略戦争じゃなくても、もっと時間が掛かる」
「ゼルート様々という訳だ」
「ルウナ、俺今やり過ぎたお陰で狙われてるんだぞ」
ゼルートはほぼ真っすぐ総大将がいる位置まで突き進んだため、ディスタール王国側に深刻なダメージを与えた。
「しかし、ディスタール王国側の被害は非常に大きいです。特に、兵士や騎士が予想していたよりも多く亡くなったでしょう」
「……なるほど。いや、でもなぁ……冒険者の方まで相手してたら、もっと色々と……戦争なんだから仕方ないって割り切ってくれないかな」
思ってもいない事を口にするが、組織の男がそれをバッサリ無理だと告げる。
「その……貴族ですから、それは無理かと」
「ですよね」
簡単に感情を抑えられるわけがない。
それは身を持って体験している。
(とはいっても、そんなガチ中のガチな凄腕を送ってくるってことは、相当上の人が雇ったって事だよな。それとも、俺に身内を殺された奴らの総意か?)
誰がサリハンを雇ったとしても、正直……面倒であることに変わりはない。
「…………いっそ、全部潰すか?」
「「「「「「ッ!!!???」」」」」」
一言呟いたと同時に、ディスタール王国に対する本気の殺意が零れた。
この殺気に組織の男だけではなく、パーティーメンバーであるアレナたちの本能も恐れ、大きく体を震わせた。
幸いにもゼルートが直ぐに殺気を抑えたことで、店の客や店員たちの震えも止まった。
「ぜ、ゼルート。ほどほどにしておきなさい」
「ごめん。けどさ……色んな可能性を考えるとさ、やっぱり国ごと潰したいと思わない?」
「……ゼルートだから言えるセリフね」
今回のサリハンを退けたところで、また暗殺者が送られてこないとは限らない。
それぐらいは直ぐに予想が付くので、ゼルートとしては元を潰したいと思わざるを得ない。
(まっ、国を潰すのはやり過ぎか。けど……俺以外に手を出したら、本当に潰したくなるな)
ゼルートが本気中の本気を出せば、潰せないことはない。
今でも暇つぶしに錬金獣を造っているので、ゼルートが保有する戦力は増加中。
そしてゼルートが他国と個人的に戦争しようものなら……絶対にゲイル、ラル、ラームが付いてくる。
そこに場合によっては、剛力無双のブラッソまで追加される。
「さすがにそこまで短気は起こさないけど、向こうの出方次第だな…………うん、国王陛下に一筆頼もうかな」
「私の家族、友人知人に手を出したらディスタール王国の国王を殺す、とか?」
「うん、そうだね。貴族連中も潰そうか」
「…………」
冗談半分で言ったつもりが、真顔でその通りだと返答されてしまった。
(………………難しいことを考えるのは止めましょう。究極的に言えば、手を出した向こうが悪いのよ)
アレナは深く考えることを放棄した。
「とりあえず、今回は多分俺だけだろうから……王都にいる期間を伸ばそうか」
「ここで迎え撃つ、ということでしょうか」
「そうなりますね。そうだなぁ……ちょっとギルドに協力してもらおうかな。いや、無理か……そういえば、訓練場が言えにあったか」
ゼルートとは、既にサハリンを逆にどう殺そうか考え始めていた。
「おそらく、その通りかと」
特に考える必要もなかった。
ディスタール王国屈指の暗殺者がオルディア王国に侵入してきた。
目的は……ゼルートの暗殺しかない。
「あんたは、先日の戦争で凄まじい活躍をしたと聞きました。ただ……敢えて言うならば、あまりにも凄過ぎた」
勝った側のオルディア王国の貴族としては、久しぶりに得た活躍の場を殆ど奪われたことに……大なり小なり恨みはある。
だが、それでも殺したいほど憎い気持ちはない。
約二名ほど馬鹿がいるが、現在ゼルートは貴族の令息から貴族になった。
たかが令息が手を出して良い相手ではない。
「オルディア王国は、歴史を遡っても今回の戦争は、今までで最小限に抑えられたでしょう」
「でしょうね。普通、侵略戦争じゃなくても、もっと時間が掛かる」
「ゼルート様々という訳だ」
「ルウナ、俺今やり過ぎたお陰で狙われてるんだぞ」
ゼルートはほぼ真っすぐ総大将がいる位置まで突き進んだため、ディスタール王国側に深刻なダメージを与えた。
「しかし、ディスタール王国側の被害は非常に大きいです。特に、兵士や騎士が予想していたよりも多く亡くなったでしょう」
「……なるほど。いや、でもなぁ……冒険者の方まで相手してたら、もっと色々と……戦争なんだから仕方ないって割り切ってくれないかな」
思ってもいない事を口にするが、組織の男がそれをバッサリ無理だと告げる。
「その……貴族ですから、それは無理かと」
「ですよね」
簡単に感情を抑えられるわけがない。
それは身を持って体験している。
(とはいっても、そんなガチ中のガチな凄腕を送ってくるってことは、相当上の人が雇ったって事だよな。それとも、俺に身内を殺された奴らの総意か?)
誰がサリハンを雇ったとしても、正直……面倒であることに変わりはない。
「…………いっそ、全部潰すか?」
「「「「「「ッ!!!???」」」」」」
一言呟いたと同時に、ディスタール王国に対する本気の殺意が零れた。
この殺気に組織の男だけではなく、パーティーメンバーであるアレナたちの本能も恐れ、大きく体を震わせた。
幸いにもゼルートが直ぐに殺気を抑えたことで、店の客や店員たちの震えも止まった。
「ぜ、ゼルート。ほどほどにしておきなさい」
「ごめん。けどさ……色んな可能性を考えるとさ、やっぱり国ごと潰したいと思わない?」
「……ゼルートだから言えるセリフね」
今回のサリハンを退けたところで、また暗殺者が送られてこないとは限らない。
それぐらいは直ぐに予想が付くので、ゼルートとしては元を潰したいと思わざるを得ない。
(まっ、国を潰すのはやり過ぎか。けど……俺以外に手を出したら、本当に潰したくなるな)
ゼルートが本気中の本気を出せば、潰せないことはない。
今でも暇つぶしに錬金獣を造っているので、ゼルートが保有する戦力は増加中。
そしてゼルートが他国と個人的に戦争しようものなら……絶対にゲイル、ラル、ラームが付いてくる。
そこに場合によっては、剛力無双のブラッソまで追加される。
「さすがにそこまで短気は起こさないけど、向こうの出方次第だな…………うん、国王陛下に一筆頼もうかな」
「私の家族、友人知人に手を出したらディスタール王国の国王を殺す、とか?」
「うん、そうだね。貴族連中も潰そうか」
「…………」
冗談半分で言ったつもりが、真顔でその通りだと返答されてしまった。
(………………難しいことを考えるのは止めましょう。究極的に言えば、手を出した向こうが悪いのよ)
アレナは深く考えることを放棄した。
「とりあえず、今回は多分俺だけだろうから……王都にいる期間を伸ばそうか」
「ここで迎え撃つ、ということでしょうか」
「そうなりますね。そうだなぁ……ちょっとギルドに協力してもらおうかな。いや、無理か……そういえば、訓練場が言えにあったか」
ゼルートとは、既にサハリンを逆にどう殺そうか考え始めていた。
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