冒険がしたい創造スキル持ちの転生者

Gai

文字の大きさ
382 / 1,083
連載

少年期[538]知らなかった二つ名候補

しおりを挟む
「……ゼルート、悪い意味で重力の魔力が働いてるんじゃないの?」

「否定出来無いな。でも、流石に放っておけるような代物じゃ無かったからな」

アレナ達と合流し、そこで見つけた短剣の話をするとアレナは呆れた表情になって大きなため息を吐いた。

「確かにそれは街に届けておいた方が良いのは確かよ。けど、それをゼルートが見つけてしまうっていうのが……なんかもう、運命じゃないかしら?」

「嫌な運命だな。とりあえず、クリーワイトに着いたらそこの領主に頼むよ」

自分で持っていくのは面倒。
それに今ゼルート達はバジル・ラーガスからの依頼を受けている。

手に入れる素材の入手困難さを考えれば、他の事に構っている時間は無い。

(ただでさえ聖魔鋼は手に入りずらい素材なんだし、他の街に行ってる余裕は無いんだよな)

もしかしたらお礼として聖魔鋼が手に入るかもしれない。
そんな事を一瞬考えたが、さすがにそんな運が良い出来事は起こらないだろうと考え直す。

(それに聖魔鋼だけじゃなくてエボルサーペントの素材も必要なんだ。聖魔鋼だけが手に入っても意味無い)

その他のに必要な鉱石を手に入れる為にホーリーパレスで全て素材を手に入れてしまう。
もう一度気合を入れるゼルート。

そしてその後は魔物に襲撃することもあったが、無事にクリーワイトに到着。
そこで街中に入る前に門兵に盗賊団の頭の首を見せる。
するとゼルートから説明を受けた門兵は直ぐに鑑定を使える者を呼び、生首が本当に盗賊団のものかを確認。

確認が無事終了し、ギルドが決めていたい報奨金を門兵が用意しようとするが、一旦待ってくれと引き留める。
アイテムバッグの中から本命の箱とその中に入っていた短剣を見せる。

すると自分では判断することが不可能だと思った門兵は兵士長にこの事を伝える。
そして兵士長はその短剣を見ると心底驚いた表情になり、ゼルート達を個室に案内する。

「すまないな、わざわざ移動してもらって」

「いいや、あれはあんまり一般人に知られない方が良い代物だろう。場所を変えるのは賢明な判断だ」

「そう言ってくれると助かるよ。戦鬼覇王」

「……まて、その戦鬼覇王ってのはなんだ?」

ゼルートの疑問に兵士長は首を傾げながら答える。

「知らないのか? 悪獣をソロで倒した君の二つ名候補だ」

全く知らなかったその事実にゼルートは先程の兵士長以上に驚いた顔になる。

「……いつのまにそんなのが広まっているんだ」

「いや、正確に決まったわけでは無いが、有力な二つ名候補が戦鬼覇王だそうだ」

「……俺は鬼でも王族でも無いんだが」

「それは見れば解かる。ただ、悪獣との戦いを遠目から見ていた者達からは君に戦う姿が鬼人族が暴れまわる様な姿と重なったらしい。そしてある者は君の後ろ姿に王の姿を感じた。戦う王……つまりは戦王だね」

(……いや、何がつまりなんだ???)

普段なら理解出来る内容も、今のゼルートには理解出来ない。
思考が停止してしまうのをギリギリ抑えている。

(いや、戦鬼覇王って……俺魔法の方が得意なんだよ? なのに戦鬼覇王っておかしくない?? 悪獣との戦いでも攻撃魔法は使ってた筈だし……いや、確かに接近戦の方がメインで戦っていたか???)

「ゼルート、戻って来なさい。冒険者の仕事上の二つ名ってのは本人とギルドに決定権があるのよ。だから戦鬼覇王があなたの二つなって決まった訳じゃ無いのよ」

「そ、そうか……そうだよな。わるい、この短剣について話しを戻す。単刀直入に言えば、この短剣はそちらから持ち主に返して欲しい」

「もちろん、責任を持って届けよう。しかし、自ら届けなくても良いのかい? そうずれば必ず礼が貰える筈だが……いや、そうでも無くても礼は届けられるだろう」

「……それって俺の名を伝えるもりか?」

できることならそれは避けたいゼルート。
だが、その期待を裏切るように兵士長は首を横に振る。

「流石に相手が相手だ。名を伝えない訳にはいかない」

「そうか……分かった。それじゃ、宜しく頼むよ」

色々と諦めた表情をしながらゼルートは部屋から出た。
しおりを挟む
感想 685

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。