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九百五十五話 一応納得
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「それで、結局私たちへの贈り物って、どんな物なんですか?」
「ふふ、それは見てからのお楽しみでも良いと思うぞ」
「「?」」
アレクが、こういった時に嘘を付く様なタイプではないと知っている二人だが、それでもいったいどんなプレゼントを誰が送ってきたのか気になる。
生徒からの相談を聞く時などに主に使用する部屋に到着。
中に入ると、テーブルの上には大きな箱と小さな箱が置かれていた。
「……随分と、大きな贈り物ですね」
「もう一つは、随分と小さいですね」
「大きい方がシルフィーへの贈り物で、小さい方がアッシュへの贈り物らしい。因みに……送り主は、お前たちの兄のアラッドだ」
「「っ!!!!」」
アレクの口から送り主の名前を聞いた瞬間、二人は急いで箱を開け始めた。
「ったく……まぁ、二人らしいか」
二人の様子に苦笑いを浮かべながらも、どこか嬉しそうなアレク。
「わぁ~~~~~~!!!!!!」
箱の中に入っていたアラッドからの贈り物を見て、シルフィーは本当に子供の様に目を輝かせる。
「アレク先生! これって、闇属性の大剣ですよね!!」
「あぁ、そうだね……うん。もう、見た目からして間違いないと思うよ」
見た目からして闇属性の大剣は、闇竜デネブの素材をメインとして造られた逸品。
とりあえずアレクから言えることは……まだ、シルフィーが持つべきではない大剣ということ。
(どう見ても……熟練の大剣士が持つ大剣なんだよね~)
シルフィーは、将来大剣士として大成する……アレクはそう思ってはいるものの、現段階ではまだひよこの段階。
同世代の中ではずば抜けた実力を有しているが、シルフィーが目指そうとしている場所に本気で辿り着こうとするのであれば、現段階で武器に頼るような思考を持ってはならない。
(売るとなれば、いったい幾らになるのやら)
アラッドのシスコンっぷりに呆れていると、今度はアッシュに送られた物に目を奪われた。
「ふ、ふふふふふふふ」
小さな箱に入っていたのは、一つのアイテムバッグであった。
だが、本命はそのアイテムバッグではなく、その中に入っている物。
手を入れて取り出すと……鱗や骨、内臓が入った瓶などが取り出されていく。
(ん~~~~~~~…………アラッドがアラッドだから送れるプレゼントってところかな)
鱗や骨などは、シルフィーの大剣の素材に使われた物と同じ。
Bランクドラゴンの中でもトップクラスの戦闘力を持つ闇竜デネブの素材。
(これまた、まだアッシュが十分に扱える物じゃないよね~~……)
優れた腕を持つ錬金術師たちにとっても、垂涎物の素材たち。
「ん? ……………………なる、ほど」
「アッシュからの手紙かい?」
「はい。アラッド兄さんからの近況と、何故脳がないのかについて書かれていました」
「……その手紙、僕も読んで良いかい」
「えぇ」
アッシュから手紙を受け取り、目を通していくアレク。
既に現役からは退いているが、現役騎士の知り合いが多いアレクは、それなりにここ最近起こっている問題に関して知っていた。
「っ!!!! ……いや、そうか……そうだね。世界は広いもんね」
アレクが驚いたのは、アッシュに何故内臓などはあるのに、脳はないのかという話に関する説明分だった。
(一手遅れていれば、アラッドの狂気が暴走、か…………本当に想像したくないね)
自分が担任を持った中で、間違いなく一番の出世株ということもあり、アレクはアラッドがどんな冒険をしてどんなモンスターを討伐したかなど、度々情報を仕入れ、元教え子の活躍を楽しんでいた。
だからこそ、アラッドが学園に入学した時ならまだしも、現在成長したアラッドを抑えるとなると……自分一人では足りないと断言出来る。
「因みに、アッシュはこの手紙の内容で、脳……後、心臓がないことに納得出来たのかい?」
「えぇ、まぁ…………そうですね。正直、物理的にではないとはいえ、一度はアラッド兄さんを追い詰めたドラゴンの脳や心臓は……正直気になります、欲しいです。ただ……安全性を考慮するのであれば、まだ自分には扱えないものだと……直ぐに扱えるようになるものではないと解ってるいるので、納得はしてます」
「そうか、それは良かったよ」
錬金術に関しては専門分野ではないアレクだが、アッシュの闇竜デネブの脳や心臓に対して惜しい、悔しいと思う感情は解らなくもなかった。
ただ、それと同時に妹大好き弟大好きなアラッドではあるが、その辺りの危険性を考慮した点に関して、ホッと一安心していた。
「えっ!!!??? アラッド兄さんが追い詰められたの!!??」
「物理的にではないみたいだけどね……そっちには書いてなかったの?」
「書いてなかったわ」
シルフィーへの手紙を見せて貰うアッシュとアレク。
そこには、どういった経緯で闇属性の大剣を送ったのかという内容に関しては記されていたが、そこまで細かくは掛かれておらず、他はアッシュと同じく自身の近況と……出会ってきたモンスターや冒険者の強さ、戦い方など主に
シルフィーがこれから強くなる為に必要である情報が記されていた。
「ふふ、それは見てからのお楽しみでも良いと思うぞ」
「「?」」
アレクが、こういった時に嘘を付く様なタイプではないと知っている二人だが、それでもいったいどんなプレゼントを誰が送ってきたのか気になる。
生徒からの相談を聞く時などに主に使用する部屋に到着。
中に入ると、テーブルの上には大きな箱と小さな箱が置かれていた。
「……随分と、大きな贈り物ですね」
「もう一つは、随分と小さいですね」
「大きい方がシルフィーへの贈り物で、小さい方がアッシュへの贈り物らしい。因みに……送り主は、お前たちの兄のアラッドだ」
「「っ!!!!」」
アレクの口から送り主の名前を聞いた瞬間、二人は急いで箱を開け始めた。
「ったく……まぁ、二人らしいか」
二人の様子に苦笑いを浮かべながらも、どこか嬉しそうなアレク。
「わぁ~~~~~~!!!!!!」
箱の中に入っていたアラッドからの贈り物を見て、シルフィーは本当に子供の様に目を輝かせる。
「アレク先生! これって、闇属性の大剣ですよね!!」
「あぁ、そうだね……うん。もう、見た目からして間違いないと思うよ」
見た目からして闇属性の大剣は、闇竜デネブの素材をメインとして造られた逸品。
とりあえずアレクから言えることは……まだ、シルフィーが持つべきではない大剣ということ。
(どう見ても……熟練の大剣士が持つ大剣なんだよね~)
シルフィーは、将来大剣士として大成する……アレクはそう思ってはいるものの、現段階ではまだひよこの段階。
同世代の中ではずば抜けた実力を有しているが、シルフィーが目指そうとしている場所に本気で辿り着こうとするのであれば、現段階で武器に頼るような思考を持ってはならない。
(売るとなれば、いったい幾らになるのやら)
アラッドのシスコンっぷりに呆れていると、今度はアッシュに送られた物に目を奪われた。
「ふ、ふふふふふふふ」
小さな箱に入っていたのは、一つのアイテムバッグであった。
だが、本命はそのアイテムバッグではなく、その中に入っている物。
手を入れて取り出すと……鱗や骨、内臓が入った瓶などが取り出されていく。
(ん~~~~~~~…………アラッドがアラッドだから送れるプレゼントってところかな)
鱗や骨などは、シルフィーの大剣の素材に使われた物と同じ。
Bランクドラゴンの中でもトップクラスの戦闘力を持つ闇竜デネブの素材。
(これまた、まだアッシュが十分に扱える物じゃないよね~~……)
優れた腕を持つ錬金術師たちにとっても、垂涎物の素材たち。
「ん? ……………………なる、ほど」
「アッシュからの手紙かい?」
「はい。アラッド兄さんからの近況と、何故脳がないのかについて書かれていました」
「……その手紙、僕も読んで良いかい」
「えぇ」
アッシュから手紙を受け取り、目を通していくアレク。
既に現役からは退いているが、現役騎士の知り合いが多いアレクは、それなりにここ最近起こっている問題に関して知っていた。
「っ!!!! ……いや、そうか……そうだね。世界は広いもんね」
アレクが驚いたのは、アッシュに何故内臓などはあるのに、脳はないのかという話に関する説明分だった。
(一手遅れていれば、アラッドの狂気が暴走、か…………本当に想像したくないね)
自分が担任を持った中で、間違いなく一番の出世株ということもあり、アレクはアラッドがどんな冒険をしてどんなモンスターを討伐したかなど、度々情報を仕入れ、元教え子の活躍を楽しんでいた。
だからこそ、アラッドが学園に入学した時ならまだしも、現在成長したアラッドを抑えるとなると……自分一人では足りないと断言出来る。
「因みに、アッシュはこの手紙の内容で、脳……後、心臓がないことに納得出来たのかい?」
「えぇ、まぁ…………そうですね。正直、物理的にではないとはいえ、一度はアラッド兄さんを追い詰めたドラゴンの脳や心臓は……正直気になります、欲しいです。ただ……安全性を考慮するのであれば、まだ自分には扱えないものだと……直ぐに扱えるようになるものではないと解ってるいるので、納得はしてます」
「そうか、それは良かったよ」
錬金術に関しては専門分野ではないアレクだが、アッシュの闇竜デネブの脳や心臓に対して惜しい、悔しいと思う感情は解らなくもなかった。
ただ、それと同時に妹大好き弟大好きなアラッドではあるが、その辺りの危険性を考慮した点に関して、ホッと一安心していた。
「えっ!!!??? アラッド兄さんが追い詰められたの!!??」
「物理的にではないみたいだけどね……そっちには書いてなかったの?」
「書いてなかったわ」
シルフィーへの手紙を見せて貰うアッシュとアレク。
そこには、どういった経緯で闇属性の大剣を送ったのかという内容に関しては記されていたが、そこまで細かくは掛かれておらず、他はアッシュと同じく自身の近況と……出会ってきたモンスターや冒険者の強さ、戦い方など主に
シルフィーがこれから強くなる為に必要である情報が記されていた。
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