948 / 985
九百四十六話 疎まれるだけ
しおりを挟む
「……もしかして、フローレンスさんって冒険者になりたいな~とかって思ってます?」
「っ…………冒険者になりたいと言うか、そういった冒険者の身軽さは羨ましいとな思いますね」
ガルーレの質問に、ちょっと言葉を詰まらせながらも、フローレンスは思ったことを口にした。
正直なところ、フローレンスも報告は手紙だけで知らせ、早く別のドラゴンの元へと向かい、討伐したい。
だが、基本的に手紙だけで終わりましたよと伝えることは出来ず、キッチリ拠点まで戻ってから仕事完了を報告しなければならない。
「ですが、冒険者になりたいとは思っていませんよ。私の目的として、冒険者として活動するのは……どう考えても浮いてしまいますし、悪い意味で目立ってしまうでしょう」
フローレンスは騎士として、民に被害を与えるモンスターや盗賊を討伐し、現在は手に入れた金の一部を孤児院などで暮らしている子供たちが本当の意味で前に進めるようにするために支援に使っている。
非常に立派な活動……それは間違いない。
立派な活動であり、称賛されるべき活動であることは、間違いない。
だが……冒険者たちは、基本的にそんな事を考えながら活動しているわけではない。
基本的に冒険者になろうと登録し、活動を始める者たちは成り上がる為に冒険者としての道を選び、活動している。
そう簡単に成り上がれるものではないが、それでも実際に冒険者になる前と比べて、良い生活を出来るようになったと感じる者はそれなりにいる。
そんな彼らは……自身の欲の為に生きている。
「あぁ~~~……それは、そうなるかもしれないかな~~。多分だけど、フローレンスさんを見てたら、否が応でも自分たちの活動? が醜く、バカにされてる様に感じるかもしれないかな」
「やはり、そうですよね」
冒険者の中には、寧ろ騎士になりたいという目標を持って活動している者もいる。
騎士というのは誰でもなれるものではなく、平民であれば王道のルートで騎士になるのは難しい。
そのため、冒険者になって名声を高め、貴族に声を掛けられて騎士になる道を目指す者は、少なからず存在する。
だが、本当に少なからずといった人数。
大半の冒険者たちは己の欲の為に生きている。
フローレンスの民を襲うモンスターや盗賊を討伐し、自分の力だけでは道を選ぶという選択肢も取れない子供たちに支援するという気持ちも……もしかしたら、フローレンスの欲と捉えられるかもしれない。
ただ、その欲は明らかに善とした欲。
自分を優先する欲ではなく、他者を優先する欲である。
「ですので、私が活動する場はあくまで騎士団という場が適しています」
「ん~~~~~~~…………多分、そうなんだろうな~~」
「それに、仮に私が冒険者の世界に足を踏み入れようとすれば、アラッドはとんでもなく嫌な顔をするでしょう」
「……ふふ、あっはっは!!! 簡単に想像出来ちゃいますね」
絶対に不機嫌そうな顔を浮かべる。
二人はそんなアラッドの顔があっさりと想像出来てしまった。
(アラッドは……多分、そうなったらフローレンスを冒険者の世界に引きずり込んだ要因として、真っ先に疑われるのが嫌だから、超不機嫌そうな顔になりそうだよね~~~)
実際のところ、アラッドはフローレンスに冒険者の方が騎士よりも自由だと、楽しいぞと進めたことは一度もない。
なので、本当にフローレンスが血迷って冒険者としての道に進んだとしても、アラッドに一切の責任はない。
責任はないのだが……冒険者の中で、一番関りが深い者となると、必然的にアラッドという答えに辿りつく。
加えて、アラッドは今回や交流戦の時にフローレンスとの会話で、冒険者になってからの体験などを楽しげに話している。
そういった点が、フローレンスを冒険者の道へと引きずり込んだ……と言われれば、アラッドとしては「ふざけんなクソったれが!!!!! もっとまともな根拠を持ってこい!!!!!!!」と、絶対にブチ切れる。
ただ、第三者の視点から見てみると、そういう捉え方が出来る。
「でも、一回ぐらいアラッドと一緒に冒険してみたいとか思ったりします?」
「…………………………………そう、ですね。一度ぐらいは、彼と一緒に冒険してみたいですね」
十秒以上考え込んでから、本音を絞り出したフローレンス。
正直なところ、アラッドやガルーレ、スティームたちとの冒険というのは、非常に魅力的である。
彼等となら共に冒険してみたいと、心の底から思える。
ダンジョンか、それとも国外か……どちらも魅力的ではあるが、望んだからといって叶うものではない。
「ですが、あまりにも高望みです。今回の様に、共に共通の敵を相手に戦うことが出来た。それだけでも、私としては十分楽しかったです」
内容が内容なだけに、あまりその様な感想を口にするのは良くない。
それは解っていても……間違いなく、それがフローレンスの本音だった。
「フローレンスさん、諦めるにはまだ早いんじゃないですか」
そんなフローレンスに対し、ガルーレはニヤニヤとした表情を浮かべながらある提案をした。
「っ…………冒険者になりたいと言うか、そういった冒険者の身軽さは羨ましいとな思いますね」
ガルーレの質問に、ちょっと言葉を詰まらせながらも、フローレンスは思ったことを口にした。
正直なところ、フローレンスも報告は手紙だけで知らせ、早く別のドラゴンの元へと向かい、討伐したい。
だが、基本的に手紙だけで終わりましたよと伝えることは出来ず、キッチリ拠点まで戻ってから仕事完了を報告しなければならない。
「ですが、冒険者になりたいとは思っていませんよ。私の目的として、冒険者として活動するのは……どう考えても浮いてしまいますし、悪い意味で目立ってしまうでしょう」
フローレンスは騎士として、民に被害を与えるモンスターや盗賊を討伐し、現在は手に入れた金の一部を孤児院などで暮らしている子供たちが本当の意味で前に進めるようにするために支援に使っている。
非常に立派な活動……それは間違いない。
立派な活動であり、称賛されるべき活動であることは、間違いない。
だが……冒険者たちは、基本的にそんな事を考えながら活動しているわけではない。
基本的に冒険者になろうと登録し、活動を始める者たちは成り上がる為に冒険者としての道を選び、活動している。
そう簡単に成り上がれるものではないが、それでも実際に冒険者になる前と比べて、良い生活を出来るようになったと感じる者はそれなりにいる。
そんな彼らは……自身の欲の為に生きている。
「あぁ~~~……それは、そうなるかもしれないかな~~。多分だけど、フローレンスさんを見てたら、否が応でも自分たちの活動? が醜く、バカにされてる様に感じるかもしれないかな」
「やはり、そうですよね」
冒険者の中には、寧ろ騎士になりたいという目標を持って活動している者もいる。
騎士というのは誰でもなれるものではなく、平民であれば王道のルートで騎士になるのは難しい。
そのため、冒険者になって名声を高め、貴族に声を掛けられて騎士になる道を目指す者は、少なからず存在する。
だが、本当に少なからずといった人数。
大半の冒険者たちは己の欲の為に生きている。
フローレンスの民を襲うモンスターや盗賊を討伐し、自分の力だけでは道を選ぶという選択肢も取れない子供たちに支援するという気持ちも……もしかしたら、フローレンスの欲と捉えられるかもしれない。
ただ、その欲は明らかに善とした欲。
自分を優先する欲ではなく、他者を優先する欲である。
「ですので、私が活動する場はあくまで騎士団という場が適しています」
「ん~~~~~~~…………多分、そうなんだろうな~~」
「それに、仮に私が冒険者の世界に足を踏み入れようとすれば、アラッドはとんでもなく嫌な顔をするでしょう」
「……ふふ、あっはっは!!! 簡単に想像出来ちゃいますね」
絶対に不機嫌そうな顔を浮かべる。
二人はそんなアラッドの顔があっさりと想像出来てしまった。
(アラッドは……多分、そうなったらフローレンスを冒険者の世界に引きずり込んだ要因として、真っ先に疑われるのが嫌だから、超不機嫌そうな顔になりそうだよね~~~)
実際のところ、アラッドはフローレンスに冒険者の方が騎士よりも自由だと、楽しいぞと進めたことは一度もない。
なので、本当にフローレンスが血迷って冒険者としての道に進んだとしても、アラッドに一切の責任はない。
責任はないのだが……冒険者の中で、一番関りが深い者となると、必然的にアラッドという答えに辿りつく。
加えて、アラッドは今回や交流戦の時にフローレンスとの会話で、冒険者になってからの体験などを楽しげに話している。
そういった点が、フローレンスを冒険者の道へと引きずり込んだ……と言われれば、アラッドとしては「ふざけんなクソったれが!!!!! もっとまともな根拠を持ってこい!!!!!!!」と、絶対にブチ切れる。
ただ、第三者の視点から見てみると、そういう捉え方が出来る。
「でも、一回ぐらいアラッドと一緒に冒険してみたいとか思ったりします?」
「…………………………………そう、ですね。一度ぐらいは、彼と一緒に冒険してみたいですね」
十秒以上考え込んでから、本音を絞り出したフローレンス。
正直なところ、アラッドやガルーレ、スティームたちとの冒険というのは、非常に魅力的である。
彼等となら共に冒険してみたいと、心の底から思える。
ダンジョンか、それとも国外か……どちらも魅力的ではあるが、望んだからといって叶うものではない。
「ですが、あまりにも高望みです。今回の様に、共に共通の敵を相手に戦うことが出来た。それだけでも、私としては十分楽しかったです」
内容が内容なだけに、あまりその様な感想を口にするのは良くない。
それは解っていても……間違いなく、それがフローレンスの本音だった。
「フローレンスさん、諦めるにはまだ早いんじゃないですか」
そんなフローレンスに対し、ガルーレはニヤニヤとした表情を浮かべながらある提案をした。
460
お気に入りに追加
6,083
あなたにおすすめの小説
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
わがまま令嬢の末路
遺灰
ファンタジー
清く正しく美しく、頑張って生きた先に待っていたのは断頭台でした。
悪役令嬢として死んだ私は、今度は自分勝手に我がままに生きると決めた。我慢なんてしないし、欲しいものは必ず手に入れてみせる。
あの薄暗い牢獄で夢見た未来も、あの子も必ずこの手にーーー。
***
これは悪役令嬢が人生をやり直すチャンスを手に入れ、自由を目指して生きる物語。彼女が辿り着くのは、地獄か天国か。例えどんな結末を迎えようとも、それを決めるのは彼女自身だ。
(※内容は小説家になろうに投稿されているものと同一)
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
幼馴染達にフラれた俺は、それに耐えられず他の学園へと転校する
あおアンドあお
ファンタジー
俺には二人の幼馴染がいた。
俺の幼馴染達は所謂エリートと呼ばれる人種だが、俺はそんな才能なんて
まるでない、凡愚で普通の人種だった。
そんな幼馴染達に並び立つべく、努力もしたし、特訓もした。
だがどう頑張っても、どうあがいてもエリート達には才能の無いこの俺が
勝てる訳も道理もなく、いつの日か二人を追い駆けるのを諦めた。
自尊心が砕ける前に幼馴染達から離れる事も考えたけど、しかし結局、ぬるま湯の
関係から抜け出せず、別れずくっつかずの関係を続けていたが、そんな俺の下に
衝撃な展開が舞い込んできた。
そう...幼馴染の二人に彼氏ができたらしい。
※小説家になろう様にも掲載しています。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる