947 / 1,012
九百四十五話 三コンボ
しおりを挟む
「こ、こちらがお会計の金額になります」
「分かりました……………………これで、丁度かと」
アラッドはアイテムバッグから先程ギルドマスターから貰った特別報酬の袋を取り出し、その中から会計ピッタリの金額を支払った。
「は、はい…………確かに丁度、頂きました」
今回も今回でアラッドたちは当然のことながら大量に料理を食べ、クロたちも値段を気にせず店の料理を注文して食べていた。
そのため、余裕で白金貨数枚が吹き飛んだ。
「「「「「「…………」」」」」」
「ん? お前ら、なんて顔してんだよ。美味かっただろ?」
「いや、それは勿論そうなんだが……あれだ、とりあえず、ご馳走になった」
ソルがぺこりと頭を下げると、他のメンバーも頭を下げた。
当たり前だが、白金貨というのは騎士や貴族からしても非常に大金である。
合計で十人と三体の食事代とはいえ、白金貨十枚以上もの料理を食べることなど、まずない。
そんな大金をポンと支払うアラッドの姿に何とも言えない気持ちを抱きながらも、一先ずソルたちは感謝の意を伝えた。
「いやぁ~~、食べた食べた~~~。この店も美味しかったね」
ポッコリと膨れたお腹をポンポンと叩きながら、ガルーレは非常に満足気な笑顔を浮かべていた。
「そうだね……それにしても、本当にあの報酬から支払って良かったのかい?」
スティームも満足気な表情を浮かべてはいるが、本当にアラッドが受け取った特別報酬から支払っても良かったのかと思っていた。
スティームやガルーレも、錬金術などには興味がないため、脳や心臓などに関しては全て売却していた為、それなりの金額が懐に入っていた。
「大丈夫だって言ってるだろ」
「そうは言うけど、あれは主に闇竜を討伐したアラッドへの特別報酬でしょ?」
「何言ってんだ。あれは闇竜とその他のモンスターを纏めて討伐した、俺たちへの特別報酬だ。だからこそ、盛大に使って構わないんだよ」
確かに、今回アラッドたちが戦ったモンスターの中で一番強いモンスターとはいえば、間違いなく闇竜デネブが一番強かった。
だが、スティームたちが戦った黒色モンスターたちも十分脅威的なモンスターであったのは間違いない。
故に、アラッドはギルドマスターから貰った特別報酬が、自分だけの物だとは全く思っていなかった。
「んじゃ、帰るぞ」
満腹状態で一旦宿に帰還。
アラッドはワインを呑んでいたことで多少酔いもあったが、就寝前に大浴場向かった。
ガルーレやスティームも同じく、多少の酔いは残っていたが……それでもまず風呂に入っておきたいと思い、アラッドと主に大浴場へ向かった。
そんな中フローレンスたちは……フローレンスも同じく多少酔ってはいたが、問題無く歩くことが出来た。
だが、ソルたちは半黒色のオークジェネラルたちとの戦闘による疲労、美味い料理を腹一杯まで食べた満腹感に、ワインを呑んだことで襲ってきた酔いの三コンボによって撃沈。
全員部屋に入ることは出来たが、何名かは地面に倒れて寝てしまい、もう何名かは……ベッドに辿り着くことは出来たが、鎧などを外し終えるも……寝間着に着替えることは出来ず、ベッドに倒れた。
「あっ、フローレンスさんじゃん」
「奇遇ですね。ガルーレも……アラッドたちも大浴場に?」
「そうですよ。寝る前に風呂に入りたいよね~~ってなって」
ガルーレの後にフローレンスが着替え室に入ってきた。
ばったり出会った二人は直ぐに素っ裸になり、大浴場へと向かう。
「あぁ~~~~、癒される~~~~~」
体を洗い、髪を洗った後、二人は湯に浸かり、ガルーレは戦闘後の……食事後の風呂を満喫していた。
「そうですね。疲れが流れ落ちるようです」
「ですよね~~~~……フローレンスさんたちは、数日後には帰るんですか?」
「えぇ、そうですね。さすがに明日出発は無理そうなので、体調を整えてから戻ろうと思っています」
フローレンスの予想では、ソルたちが二日酔い状態になっているため、元々帰還するための準備が必要ということもあり、まだ数日間はゴルドスに滞在するつもりだった。
「ガルーレたちはどうするのですか?」
「ん~~……多分、フローレンスさんと同じく、数日間はゴルドスにいると思います。色々と準備が整ったら、次のドラゴンを討伐しに行こうかなって感じです」
「そうですか…………羨ましいですね」
「? フローレンスさんも、やっぱりソロでBランクモンスターを討伐して、ドラゴンスレイヤーになりたいんですか?」
今回は流れでアラッドが闇竜と戦ったが、本来相性という点を考慮すれば、フローレンスが戦うべきであった。
アラッドが狂気を刺激され、飲まれそうになった要因を生んだ幻惑効果に関しても、フローレンスが精霊同化でウィリアスと一つになっていれば、そもそも食らうことがなかった。
「いえ、そういう訳では……そうですね。一人の騎士として、その気持ちは多少はあります。ただ、私はガルーレたちの様に身軽に動くことが出来ず、一旦拠点に戻って報告しなければなりません」
報連相はしっかりとしなければならない。
まだ伝達技術が低い時代だからこそ、報連相を怠れば、それだけで騎士としての評価が下がると言っても過言ではない。
「分かりました……………………これで、丁度かと」
アラッドはアイテムバッグから先程ギルドマスターから貰った特別報酬の袋を取り出し、その中から会計ピッタリの金額を支払った。
「は、はい…………確かに丁度、頂きました」
今回も今回でアラッドたちは当然のことながら大量に料理を食べ、クロたちも値段を気にせず店の料理を注文して食べていた。
そのため、余裕で白金貨数枚が吹き飛んだ。
「「「「「「…………」」」」」」
「ん? お前ら、なんて顔してんだよ。美味かっただろ?」
「いや、それは勿論そうなんだが……あれだ、とりあえず、ご馳走になった」
ソルがぺこりと頭を下げると、他のメンバーも頭を下げた。
当たり前だが、白金貨というのは騎士や貴族からしても非常に大金である。
合計で十人と三体の食事代とはいえ、白金貨十枚以上もの料理を食べることなど、まずない。
そんな大金をポンと支払うアラッドの姿に何とも言えない気持ちを抱きながらも、一先ずソルたちは感謝の意を伝えた。
「いやぁ~~、食べた食べた~~~。この店も美味しかったね」
ポッコリと膨れたお腹をポンポンと叩きながら、ガルーレは非常に満足気な笑顔を浮かべていた。
「そうだね……それにしても、本当にあの報酬から支払って良かったのかい?」
スティームも満足気な表情を浮かべてはいるが、本当にアラッドが受け取った特別報酬から支払っても良かったのかと思っていた。
スティームやガルーレも、錬金術などには興味がないため、脳や心臓などに関しては全て売却していた為、それなりの金額が懐に入っていた。
「大丈夫だって言ってるだろ」
「そうは言うけど、あれは主に闇竜を討伐したアラッドへの特別報酬でしょ?」
「何言ってんだ。あれは闇竜とその他のモンスターを纏めて討伐した、俺たちへの特別報酬だ。だからこそ、盛大に使って構わないんだよ」
確かに、今回アラッドたちが戦ったモンスターの中で一番強いモンスターとはいえば、間違いなく闇竜デネブが一番強かった。
だが、スティームたちが戦った黒色モンスターたちも十分脅威的なモンスターであったのは間違いない。
故に、アラッドはギルドマスターから貰った特別報酬が、自分だけの物だとは全く思っていなかった。
「んじゃ、帰るぞ」
満腹状態で一旦宿に帰還。
アラッドはワインを呑んでいたことで多少酔いもあったが、就寝前に大浴場向かった。
ガルーレやスティームも同じく、多少の酔いは残っていたが……それでもまず風呂に入っておきたいと思い、アラッドと主に大浴場へ向かった。
そんな中フローレンスたちは……フローレンスも同じく多少酔ってはいたが、問題無く歩くことが出来た。
だが、ソルたちは半黒色のオークジェネラルたちとの戦闘による疲労、美味い料理を腹一杯まで食べた満腹感に、ワインを呑んだことで襲ってきた酔いの三コンボによって撃沈。
全員部屋に入ることは出来たが、何名かは地面に倒れて寝てしまい、もう何名かは……ベッドに辿り着くことは出来たが、鎧などを外し終えるも……寝間着に着替えることは出来ず、ベッドに倒れた。
「あっ、フローレンスさんじゃん」
「奇遇ですね。ガルーレも……アラッドたちも大浴場に?」
「そうですよ。寝る前に風呂に入りたいよね~~ってなって」
ガルーレの後にフローレンスが着替え室に入ってきた。
ばったり出会った二人は直ぐに素っ裸になり、大浴場へと向かう。
「あぁ~~~~、癒される~~~~~」
体を洗い、髪を洗った後、二人は湯に浸かり、ガルーレは戦闘後の……食事後の風呂を満喫していた。
「そうですね。疲れが流れ落ちるようです」
「ですよね~~~~……フローレンスさんたちは、数日後には帰るんですか?」
「えぇ、そうですね。さすがに明日出発は無理そうなので、体調を整えてから戻ろうと思っています」
フローレンスの予想では、ソルたちが二日酔い状態になっているため、元々帰還するための準備が必要ということもあり、まだ数日間はゴルドスに滞在するつもりだった。
「ガルーレたちはどうするのですか?」
「ん~~……多分、フローレンスさんと同じく、数日間はゴルドスにいると思います。色々と準備が整ったら、次のドラゴンを討伐しに行こうかなって感じです」
「そうですか…………羨ましいですね」
「? フローレンスさんも、やっぱりソロでBランクモンスターを討伐して、ドラゴンスレイヤーになりたいんですか?」
今回は流れでアラッドが闇竜と戦ったが、本来相性という点を考慮すれば、フローレンスが戦うべきであった。
アラッドが狂気を刺激され、飲まれそうになった要因を生んだ幻惑効果に関しても、フローレンスが精霊同化でウィリアスと一つになっていれば、そもそも食らうことがなかった。
「いえ、そういう訳では……そうですね。一人の騎士として、その気持ちは多少はあります。ただ、私はガルーレたちの様に身軽に動くことが出来ず、一旦拠点に戻って報告しなければなりません」
報連相はしっかりとしなければならない。
まだ伝達技術が低い時代だからこそ、報連相を怠れば、それだけで騎士としての評価が下がると言っても過言ではない。
496
お気に入りに追加
6,106
あなたにおすすめの小説
転移したらダンジョンの下層だった
Gai
ファンタジー
交通事故で死んでしまった坂崎総助は本来なら自分が生きていた世界とは別世界の一般家庭に転生できるはずだったが神側の都合により異世界にあるダンジョンの下層に飛ばされることになった。
もちろん総助を転生させる転生神は出来る限りの援助をした。
そして総助は援助を受け取るとダンジョンの下層に転移してそこからとりあえずダンジョンを冒険して地上を目指すといった物語です。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?
Gai
ファンタジー
鉄柱が頭にぶつかって死んでしまった少年は神様からもう異世界へ転生させて貰う。
貴族の四男として生まれ変わった少年、ライルは属性魔法の適性が全くなかった。
貴族として生まれた子にとっては珍しいケースであり、ラガスは周りから憐みの目で見られる事が多かった。
ただ、ライルには属性魔法なんて比べものにならない魔法を持っていた。
「はぁーー・・・・・・属性魔法を持っている、それってそんなに凄い事なのか?」
基本気だるげなライルは基本目立ちたくはないが、売られた値段は良い値で買う男。
さてさて、プライドをへし折られる犠牲者はどれだけ出るのか・・・・・・
タイトルに書いてあるパートナーは序盤にはあまり出てきません。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる