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九百十五話 鉄拳ライナー
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黒色ハードメタルゴーレムが放った渾身の暗黒ロケットパンチに対し、ヴァジュラはフルパワーで完全に軌道やタイミングを見極め、下からかち上げた。
漆黒の右拳は天井すれすれまで跳ね飛ばされた。
「~~~~~~~ッ!!!」
当然と言えば当然ながら、ヴァジュラの両腕は思いっきり痺れていた。
折れたりはしてない。
それでも、その痺れから自分がもし食らっていればと……敗北が過ぎる威力を秘めていたことが、十分に伝わってきた。
「……ウキャキャ」
決して……決してそれは、意図していた訳ではない。
偶々、回避ではなく弾くという選択肢を取った。
決して、次に繋げるつもりはなかった。
ただ、黒色ハードメタルゴーレムはフルスイングでロケットパンチを放ったことで、体が前に流れており、体勢は完全に崩れていた。
そして当然ながら……ヴァジュラはそのスポーツを知らない。
そもそも、アラッドがスポーツというものを広めたところで意味はないと思っており、スティームたちとの会話内ですら匂わせたことはない。
本当に……偶々偶然、頭に思い浮かんだだけだった。
だが、その攻撃は黒色ハードメタルゴーレムというモンスターに対して、とても理に適った攻撃と言えた。
「ウっ、キャッ!!!!!!!!!!!」
誰かに教わった訳ではない。
アラッドから、こういう使い方もあると教わった訳ではない。
第一、戦闘という場で行うには……あまりにも隙が大き過ぎる。
しかし、決して初めてではなかった。
だからこそ……普段のヴァジュラからあまり想像出来ない美しさを感じる動作で……自慢の得物で、落ちてきた黒色ハードメタルゴーレムの鉄拳を打ち飛ばした。
「っ!!!!!?????」
他のゴーレムと比べればスピードがある黒色ハードメタルゴーレムだが、ヴァジュラのパワーで打ち飛ばされた鉄拳を躱すには……スピードと反応速度が足りな過ぎた。
速度は十分であり、硬度は黒色ハードメタルゴーレム自身と同じ。
そんな攻撃が当たれば……当然、体は砕ける。
「ウキャァァアアアアッ!!!!」
なんとなく見えた。
多分、そこにある。
そんな雑な勘ではなく、頼れる本能を信じ、ヴァジュラは自身の得物を思いっきりぶん投げた。
「ッ!!!!!! っ、ッ……ッ………………」
腕が、脚が切断されようとも、闇の力があれば再生できる。
再生する為に必要な魔力は、まだ十分にある。
体の一部分を除けば、まだまだ戦える……だが、その壊された一部が不味かった。
ヴァジュラの本能が察した通り、棒で打ち飛ばした鉄拳ライナーがぶつかり、砕けた場所には魔石があった。
黒色ハードメタルゴーレムの体を貫くことは出来ず、そこは流石頑強過ぎる鉄人と言える。
それでも……魔石が砕かれてしまっては、何も出来ない。
ヒビであればまだしも、砕かれてしまえば、再生もクソもない。
黒色ハードメタルゴーレムは殆ど原型を残したまま、膝からその場に崩れ落ちた。
「ウキャっ!?」
敵が膝から崩れ落ちる姿を見て、ヴァジュラは同じモンスターとして多少の悲しみを……零すなんてことはなく、「やっちまった!!!!」といった表情を浮かべていた。
ヴァジュラは黒色ハードメタルゴーレムの事を、最高の動くサンドバッグだと思っていた。
一撃の威力に関しては十分自身の命に手が届くと解っているからこそ、丁度良い緊張感のある戦いが出来る。
その上、どれだけ叩いても突いても、体にヒビが入っても直ぐに修復する。
ヴァジュラは基本的にアラッドたちの実力を信じている。
ソルたちの実力は興味ないが、彼女たちのリーダーであるフローレンスの実力も同様に信じられる。
だからこそ、自分が助けに入らずとも各々標的を各自劇は出来ると思っていた。
なので……本当は黒色ハードメタルゴーレムを相手に、もっともっと遊びたいと思っていた。
にもかかわらず、なんとなく思い付いてしまった攻撃を実行したバッチリ辺り、その結果的の急所らしき場所が見えた。
戦闘大好きヴァジュラと言えど、殺るべき瞬間に殺らなければならないという、野性社会の常識が刻まれている。
黒色ハードメタルゴーレムの一撃が自分の命を十分脅かすということも理解していたこともあり、つい反射的に自身の得物をその急所目掛けてぶん投げてしまった。
結果、砕かれてはいけない急所の心臓、脳以外の器官、魔石を砕いてしまった。
本当に今更で自分勝手な理由ではあるものの、ヴァジュラは「なんで魔石は砕けたのに、その奥の体は完全に貫けないんだよ!!! それならもうちょい魔石頑張ってくれよ!!!」と心の中で叫んでいた。
全くもって本能に忠実過ぎる。
「ウキャ~~~~~…………ッ!!!!!!!!」
だが、黒色ハードメタルゴーレムとの決着が着いてから約数十秒後、のんびりと得物を回収する為に死体の元へ歩を進めていたヴァジュラは、弾かれた様に駆け出し、自身の得物を手にした。
その時抱いたのは……警戒心。
強者を相手にいつも笑みを浮かべているヴァジュラが、余裕ゼロの……警戒心だけが心の中に浮かんだ。
漆黒の右拳は天井すれすれまで跳ね飛ばされた。
「~~~~~~~ッ!!!」
当然と言えば当然ながら、ヴァジュラの両腕は思いっきり痺れていた。
折れたりはしてない。
それでも、その痺れから自分がもし食らっていればと……敗北が過ぎる威力を秘めていたことが、十分に伝わってきた。
「……ウキャキャ」
決して……決してそれは、意図していた訳ではない。
偶々、回避ではなく弾くという選択肢を取った。
決して、次に繋げるつもりはなかった。
ただ、黒色ハードメタルゴーレムはフルスイングでロケットパンチを放ったことで、体が前に流れており、体勢は完全に崩れていた。
そして当然ながら……ヴァジュラはそのスポーツを知らない。
そもそも、アラッドがスポーツというものを広めたところで意味はないと思っており、スティームたちとの会話内ですら匂わせたことはない。
本当に……偶々偶然、頭に思い浮かんだだけだった。
だが、その攻撃は黒色ハードメタルゴーレムというモンスターに対して、とても理に適った攻撃と言えた。
「ウっ、キャッ!!!!!!!!!!!」
誰かに教わった訳ではない。
アラッドから、こういう使い方もあると教わった訳ではない。
第一、戦闘という場で行うには……あまりにも隙が大き過ぎる。
しかし、決して初めてではなかった。
だからこそ……普段のヴァジュラからあまり想像出来ない美しさを感じる動作で……自慢の得物で、落ちてきた黒色ハードメタルゴーレムの鉄拳を打ち飛ばした。
「っ!!!!!?????」
他のゴーレムと比べればスピードがある黒色ハードメタルゴーレムだが、ヴァジュラのパワーで打ち飛ばされた鉄拳を躱すには……スピードと反応速度が足りな過ぎた。
速度は十分であり、硬度は黒色ハードメタルゴーレム自身と同じ。
そんな攻撃が当たれば……当然、体は砕ける。
「ウキャァァアアアアッ!!!!」
なんとなく見えた。
多分、そこにある。
そんな雑な勘ではなく、頼れる本能を信じ、ヴァジュラは自身の得物を思いっきりぶん投げた。
「ッ!!!!!! っ、ッ……ッ………………」
腕が、脚が切断されようとも、闇の力があれば再生できる。
再生する為に必要な魔力は、まだ十分にある。
体の一部分を除けば、まだまだ戦える……だが、その壊された一部が不味かった。
ヴァジュラの本能が察した通り、棒で打ち飛ばした鉄拳ライナーがぶつかり、砕けた場所には魔石があった。
黒色ハードメタルゴーレムの体を貫くことは出来ず、そこは流石頑強過ぎる鉄人と言える。
それでも……魔石が砕かれてしまっては、何も出来ない。
ヒビであればまだしも、砕かれてしまえば、再生もクソもない。
黒色ハードメタルゴーレムは殆ど原型を残したまま、膝からその場に崩れ落ちた。
「ウキャっ!?」
敵が膝から崩れ落ちる姿を見て、ヴァジュラは同じモンスターとして多少の悲しみを……零すなんてことはなく、「やっちまった!!!!」といった表情を浮かべていた。
ヴァジュラは黒色ハードメタルゴーレムの事を、最高の動くサンドバッグだと思っていた。
一撃の威力に関しては十分自身の命に手が届くと解っているからこそ、丁度良い緊張感のある戦いが出来る。
その上、どれだけ叩いても突いても、体にヒビが入っても直ぐに修復する。
ヴァジュラは基本的にアラッドたちの実力を信じている。
ソルたちの実力は興味ないが、彼女たちのリーダーであるフローレンスの実力も同様に信じられる。
だからこそ、自分が助けに入らずとも各々標的を各自劇は出来ると思っていた。
なので……本当は黒色ハードメタルゴーレムを相手に、もっともっと遊びたいと思っていた。
にもかかわらず、なんとなく思い付いてしまった攻撃を実行したバッチリ辺り、その結果的の急所らしき場所が見えた。
戦闘大好きヴァジュラと言えど、殺るべき瞬間に殺らなければならないという、野性社会の常識が刻まれている。
黒色ハードメタルゴーレムの一撃が自分の命を十分脅かすということも理解していたこともあり、つい反射的に自身の得物をその急所目掛けてぶん投げてしまった。
結果、砕かれてはいけない急所の心臓、脳以外の器官、魔石を砕いてしまった。
本当に今更で自分勝手な理由ではあるものの、ヴァジュラは「なんで魔石は砕けたのに、その奥の体は完全に貫けないんだよ!!! それならもうちょい魔石頑張ってくれよ!!!」と心の中で叫んでいた。
全くもって本能に忠実過ぎる。
「ウキャ~~~~~…………ッ!!!!!!!!」
だが、黒色ハードメタルゴーレムとの決着が着いてから約数十秒後、のんびりと得物を回収する為に死体の元へ歩を進めていたヴァジュラは、弾かれた様に駆け出し、自身の得物を手にした。
その時抱いたのは……警戒心。
強者を相手にいつも笑みを浮かべているヴァジュラが、余裕ゼロの……警戒心だけが心の中に浮かんだ。
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