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八百九十八話 物分かりの良い脳筋?
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「よぅ、あんたがアラッドって冒険者か」
闇の力を持つサラマンダーとヴァジュラが戦ってから数日後……アラッドの目の前に、同じ冒険者であろう大男が現れた。
「あぁ、そうだな。俺は確かにアラッドだ。それで……俺とあなたは初対面だと思うが、俺に何か用かな」
「お前……ギルドの職員に、つまらねぇ事伝えただろ」
(つまらない事?)
アラッドがゴルドスの冒険者ギルドで働く者たちに伝えた内容と言えば、闇の力を持つサラマンダー。
それに関して、もしかしたらサラマンダーに闇の力を与えたモンスターが存在し、他にも闇の力を持つモンスターが
存在するかもしれないという内容である。
どう考えても、つまらない情報ではなく、サラマンダーがBランクのモンスターという事も考慮すれば、非常に貴重である。
「……あぁ、そういう事か」
「アラッド、何がそういう事なの?」
ガルーレもアラッドがギルド職員に伝えた内容は、冒険者たちにとって非常に貴重で重要な情報だと認識しているため、目の前の割と歳が近そうで筋肉ムキムキ大男が何故アラッドに絡んでるのか解らなかった。
「職員の方は、あぁいうモンスターが生息してるから、見かけたら無理に戦わず逃げてくださいって伝えたんだろ」
実際に職員が伝えた冒険者は、話が解る冒険者であり、現在アラッドに絡んでいる大男ではない。
だが、話しの解る冒険者は可愛がってる後輩たちや、仲の良い同年代たちに伝える中で……又聞きではあるが、大男はその話を聞いてしまった。
「俺は、温い覚悟で冒険者をやってねぇんだよ」
「…………みたいだな」
貴重な情報を提供した人物とも言える自分に対し、なんだその態度は!!!!! と思うことも、実際に口に出すこともない。
何故なら、アラッドは目の前の大男から鑑定などを使わずとも、ある程度の強さを感じ取ったから。
日々の鍛錬、繰り返して乗り越えてきた実戦の中で鍛え上げられてきた筋肉が、強さを物語っている。
「あなたが並々ならぬ覚悟を持って、冒険者活動をしていることは解った。ただ、知っていれば、対策が出来る。闇の力には光の力が効く。これが解っているだけでも、生き残れる確率が変わってくる」
「んな事を一々考えてて、本当に強ぇモンスターに勝てる訳がねぇだろ!」
(ん~~~~~…………脳筋だけど、一応間違ってはいないんだよな)
備えている、考えている。
だからといって、実戦で絶対に予定通りに、思い通りにいくかと言えば……そうではない。
「あなたが言うことにも一理ある。だが、人生死ねばそこまでだ。あなたは、好きな料理はあるか?」
「は? いったい何の質問だ」
「俺は肉料理が好きだ」
アラッドは大男の言葉を無視し、話を続けた。
「他の料理も好きだが、やはり一番は肉料理だ。それと、酒もまぁ……それなりに呑む。カクテルも好きだが、仕事終わりに呑むエールも最高だな」
「むっ……それはそうだな」
一部同意できる部分が、大男にもあった。
「それらも、全て生きていればこそ……生きて、仕事から帰ってきて得られる喜び、幸せだ。でも、死ねば二度とその喜びを、幸せを感じることが出来ない」
「………………」
大男は言動からも解る通り、あまり頭は良くなく、少々脳筋なところがある。
だが、完全にアラッドが何を伝えても話の通じない人の形をした何かではない。
大男はアラッドが何を言いたいのか、解らなくはなかった。
「闇の力を得たCランクモンスターであれば……あなたと同等レベルの冒険者と共に挑めば、おそらく倒せるでしょう」
「チッ!! 自分なら、仲間に頼らずとも一人で倒せるって面だな」
「他人にこんな事を伝えておきながら、それなりに無茶を何度か繰り返してきてるので」
「…………」
最初の無茶は、まだブラックウルフだったクロを瀕死に追い込んだトロール亜種に挑んだ戦い。
その後も何度か無茶な戦いを繰り返していた。
「…………チッ!!! 解ったよ。邪魔したな」
脳筋である大男は、脳筋だからこそ……直感でアラッドが嘘はついてないと解り、最後に舌打ちをしつつも、一応謝罪しながら去って行った。
「物分かりの良い脳筋タイプの人は珍しいね」
「そうだな。もしかしたら、本当に何も考えていない訳ではない脳筋だったのかもしれないな」
「……私はそこら辺よく解らないけど、確かに悪くない……寧ろ良い筋肉してたわね」
ガルーレはじゅるりと少しだけ涎を零しながら、先程アラッドに絡んできた大男をロックオン。
後日、夕食後に運良く大男を発見して接近。
吞まないかと誘ってバーで打ち解けた後、宿屋でバッチリ決めて搾り取るのだった。
「キィィイイアアアアアッ!!!!」
「ガァアアアアアアアアッ!!!!」
それから更に数日後、アラッドたちの前でファルが体色が半分ほど黒くなっているワイバーンとバチバチに空中戦を繰り広げていた。
闇の力を持つサラマンダーとヴァジュラが戦ってから数日後……アラッドの目の前に、同じ冒険者であろう大男が現れた。
「あぁ、そうだな。俺は確かにアラッドだ。それで……俺とあなたは初対面だと思うが、俺に何か用かな」
「お前……ギルドの職員に、つまらねぇ事伝えただろ」
(つまらない事?)
アラッドがゴルドスの冒険者ギルドで働く者たちに伝えた内容と言えば、闇の力を持つサラマンダー。
それに関して、もしかしたらサラマンダーに闇の力を与えたモンスターが存在し、他にも闇の力を持つモンスターが
存在するかもしれないという内容である。
どう考えても、つまらない情報ではなく、サラマンダーがBランクのモンスターという事も考慮すれば、非常に貴重である。
「……あぁ、そういう事か」
「アラッド、何がそういう事なの?」
ガルーレもアラッドがギルド職員に伝えた内容は、冒険者たちにとって非常に貴重で重要な情報だと認識しているため、目の前の割と歳が近そうで筋肉ムキムキ大男が何故アラッドに絡んでるのか解らなかった。
「職員の方は、あぁいうモンスターが生息してるから、見かけたら無理に戦わず逃げてくださいって伝えたんだろ」
実際に職員が伝えた冒険者は、話が解る冒険者であり、現在アラッドに絡んでいる大男ではない。
だが、話しの解る冒険者は可愛がってる後輩たちや、仲の良い同年代たちに伝える中で……又聞きではあるが、大男はその話を聞いてしまった。
「俺は、温い覚悟で冒険者をやってねぇんだよ」
「…………みたいだな」
貴重な情報を提供した人物とも言える自分に対し、なんだその態度は!!!!! と思うことも、実際に口に出すこともない。
何故なら、アラッドは目の前の大男から鑑定などを使わずとも、ある程度の強さを感じ取ったから。
日々の鍛錬、繰り返して乗り越えてきた実戦の中で鍛え上げられてきた筋肉が、強さを物語っている。
「あなたが並々ならぬ覚悟を持って、冒険者活動をしていることは解った。ただ、知っていれば、対策が出来る。闇の力には光の力が効く。これが解っているだけでも、生き残れる確率が変わってくる」
「んな事を一々考えてて、本当に強ぇモンスターに勝てる訳がねぇだろ!」
(ん~~~~~…………脳筋だけど、一応間違ってはいないんだよな)
備えている、考えている。
だからといって、実戦で絶対に予定通りに、思い通りにいくかと言えば……そうではない。
「あなたが言うことにも一理ある。だが、人生死ねばそこまでだ。あなたは、好きな料理はあるか?」
「は? いったい何の質問だ」
「俺は肉料理が好きだ」
アラッドは大男の言葉を無視し、話を続けた。
「他の料理も好きだが、やはり一番は肉料理だ。それと、酒もまぁ……それなりに呑む。カクテルも好きだが、仕事終わりに呑むエールも最高だな」
「むっ……それはそうだな」
一部同意できる部分が、大男にもあった。
「それらも、全て生きていればこそ……生きて、仕事から帰ってきて得られる喜び、幸せだ。でも、死ねば二度とその喜びを、幸せを感じることが出来ない」
「………………」
大男は言動からも解る通り、あまり頭は良くなく、少々脳筋なところがある。
だが、完全にアラッドが何を伝えても話の通じない人の形をした何かではない。
大男はアラッドが何を言いたいのか、解らなくはなかった。
「闇の力を得たCランクモンスターであれば……あなたと同等レベルの冒険者と共に挑めば、おそらく倒せるでしょう」
「チッ!! 自分なら、仲間に頼らずとも一人で倒せるって面だな」
「他人にこんな事を伝えておきながら、それなりに無茶を何度か繰り返してきてるので」
「…………」
最初の無茶は、まだブラックウルフだったクロを瀕死に追い込んだトロール亜種に挑んだ戦い。
その後も何度か無茶な戦いを繰り返していた。
「…………チッ!!! 解ったよ。邪魔したな」
脳筋である大男は、脳筋だからこそ……直感でアラッドが嘘はついてないと解り、最後に舌打ちをしつつも、一応謝罪しながら去って行った。
「物分かりの良い脳筋タイプの人は珍しいね」
「そうだな。もしかしたら、本当に何も考えていない訳ではない脳筋だったのかもしれないな」
「……私はそこら辺よく解らないけど、確かに悪くない……寧ろ良い筋肉してたわね」
ガルーレはじゅるりと少しだけ涎を零しながら、先程アラッドに絡んできた大男をロックオン。
後日、夕食後に運良く大男を発見して接近。
吞まないかと誘ってバーで打ち解けた後、宿屋でバッチリ決めて搾り取るのだった。
「キィィイイアアアアアッ!!!!」
「ガァアアアアアアアアッ!!!!」
それから更に数日後、アラッドたちの前でファルが体色が半分ほど黒くなっているワイバーンとバチバチに空中戦を繰り広げていた。
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