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八百八十八話 いける感覚
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「ぃよい、しょッ!!!!!!!!!!!!」
ガルーレは角をがっちり掴んだままラバーゴートを持ち上げると、勢い良く地面に叩きつけた。
「~~~~~っ!!!???」
そのまま下に叩きつけられたので、しっかり四つの脚で地面に着地は出来たが……叩きつけられた衝撃で脚の骨がやられ、その衝撃が上りに上り……体全体に伝わった。
結果、ラバーゴートは直ぐに動けるわけなく……これから数秒後にくると解っている攻撃に対し、何も対処することが出来なかった。
「セヤッ!!!!!!!!!!!!!」
「っ!!!!!!??????」
体技、正拳突き。
あれだけの衝撃を与えれば数秒は動けないだろう……そんなガルーレの読みは見事に的中。
しっかりと構え、勢い良く放たれた渾身の正拳突きはラバーゴートの頭部にめり込み、殴り飛ばされた。
当然、ガルーレとラバーゴートの戦いはそこで決着した。
「……あれだね。結局、最後の討伐手段? は二人とも当たらなかったね」
「そうだな。あそこから持ち上げるって手段は解るが、そうなるとスティームが予想した通り、後方に投げつけるかと思ったんだが……そのまま脚から叩きつけるとはな」
高い場所から飛び降りた時、脚が痺れる。
そんな幼い頃、前世の記憶などから、確かに有効な手段であることは解る。
だが、仮に予定通り四つの脚が砕けなければ……想定よりも早く痺れが消えれば、手痛い反撃を食らう可能性は十分にあった。
「そして、最後は締めの正拳突き、か……角であればともかく、頭部を狙われたらな…………ガルーレの方は、悪くてもヒビが入ってるぐらいか」
「…………仮にさ、ラバーゴートが本気で突進してきた場合だと、どうなるかな」
「突進に対して正拳突きで対抗するってことか? それはさすがに……ペイル・サーベルスを使ってなかったら、厳しいだろうな」
ガルーレの強さを理解しているからこそ、絶対に無理とは言わなかった。
「無理ではないんだね」
「可能性の話だけどな……スティームも、今度ラバーゴートが襲いかかってきたら、ガルーレみたいに角を掴んで耐えてみるか?」
「……無茶を言わないでよ、アラッド。僕だと轢かれて終わっちゃうよ」
素早さだけが取り柄ではないスティームだが、さすがにガルーレと同じことが出来る自身はなかった。
「二人共お待たせ~~~~~」
「おぅ、お疲れ。ガルーレ」
「お疲れ様、ガルーレ。とりあえず……右手、大丈夫かい」
「右手? ん~~~~~…………とりあえず大丈夫だと思う!!!」
「そ、そうかい。もし異変を感じたら、ポーションを使ってね」
「りょ~かい。んじゃ、早速解体しちゃおっか!!!」
顔面はガルーレの正拳突きによって完全に凹んでしまっているが、その他の部分は……脚の骨以外は大して傷付いてはいない。
殆ど素材を傷付けずに討伐したことを考えると、ガルーレの討伐方法は……決して悪くはなかったと言える。
「ガルーレ、元々あぁいった方法で仕留めようと考えてたのか?」
「とりあえず完全に受け止めようとは思ってたかな。ただ、角をそのまま握り潰そうと思ったけど、さすがにちょっと硬かったね」
「そ、そうか……ラバーゴートが頭を振り回してたしな」
「それそれ! それが結構面倒だったんよね~~~~」
面倒だと口にしながらも、ガルーレの顔は笑っていた。
「押し返して、持ち上げて叩きつけるのは、あれは狙ってたのか?」
「咄嗟に思い付いたって感じかな~~。ぶっちゃけ、あそこでこう……角を持ったまま、膝をぶち込むのありだと思ったんだけど、思いっきり叩きつけたい気持ちもあったからさ」
叩きつけたいという気持ちがあったから叩きつけた。
それを本当に実行してしまうガルーレの行動力に、スティームは驚かされた。
「脚の骨が折れてなかったら、って考えなかったの?」
「ん~~~~…………二人ともさ、この攻撃で終わらせられる時にさ、その時特有の感覚を感じたことない?」
「……解らなくも、ない……かもしれないな」
モンスターや盗賊との戦いの際、ガルーレの言う様な感覚を、確かにアラッドとスティームは感じたことがあった。
それは、強敵との戦いで何度か感じていた。
「その感覚があったから、あっ! これはいけるなって思って、持ち上げて思いっ切り叩きつけて、正拳突きを叩き込んだんだ!」
「…………まぁ、それで無事に倒せて、ガルーレの体に支障がないなら、問題無いか」
そういった直感を信じすぎるのは良くないのではと言いかけるも、スティーム自身、その直感を信じて力を振り絞って攻撃を行った記憶があるため、口にすることなく飲み込んだ。
そしてその日の夜、予定通り解体したラバーゴートの肉を焼き、アラッドたちはその味を堪能していた。
「うん、美味いな。ちょっと味は薄めだが、悪くない」
「アラッド、じゃんじゃん焼いちゃおう!!!」
「オッケー、任せろ」
交代でどんどんラバーゴートの肉を焼いていく三人。
従魔たちも主人たちが焼いてくれた焼肉を堪能し、そろそろ三人とも満腹になってきた……といったタイミングで、離れた場所に小さな火が見えた。
ガルーレは角をがっちり掴んだままラバーゴートを持ち上げると、勢い良く地面に叩きつけた。
「~~~~~っ!!!???」
そのまま下に叩きつけられたので、しっかり四つの脚で地面に着地は出来たが……叩きつけられた衝撃で脚の骨がやられ、その衝撃が上りに上り……体全体に伝わった。
結果、ラバーゴートは直ぐに動けるわけなく……これから数秒後にくると解っている攻撃に対し、何も対処することが出来なかった。
「セヤッ!!!!!!!!!!!!!」
「っ!!!!!!??????」
体技、正拳突き。
あれだけの衝撃を与えれば数秒は動けないだろう……そんなガルーレの読みは見事に的中。
しっかりと構え、勢い良く放たれた渾身の正拳突きはラバーゴートの頭部にめり込み、殴り飛ばされた。
当然、ガルーレとラバーゴートの戦いはそこで決着した。
「……あれだね。結局、最後の討伐手段? は二人とも当たらなかったね」
「そうだな。あそこから持ち上げるって手段は解るが、そうなるとスティームが予想した通り、後方に投げつけるかと思ったんだが……そのまま脚から叩きつけるとはな」
高い場所から飛び降りた時、脚が痺れる。
そんな幼い頃、前世の記憶などから、確かに有効な手段であることは解る。
だが、仮に予定通り四つの脚が砕けなければ……想定よりも早く痺れが消えれば、手痛い反撃を食らう可能性は十分にあった。
「そして、最後は締めの正拳突き、か……角であればともかく、頭部を狙われたらな…………ガルーレの方は、悪くてもヒビが入ってるぐらいか」
「…………仮にさ、ラバーゴートが本気で突進してきた場合だと、どうなるかな」
「突進に対して正拳突きで対抗するってことか? それはさすがに……ペイル・サーベルスを使ってなかったら、厳しいだろうな」
ガルーレの強さを理解しているからこそ、絶対に無理とは言わなかった。
「無理ではないんだね」
「可能性の話だけどな……スティームも、今度ラバーゴートが襲いかかってきたら、ガルーレみたいに角を掴んで耐えてみるか?」
「……無茶を言わないでよ、アラッド。僕だと轢かれて終わっちゃうよ」
素早さだけが取り柄ではないスティームだが、さすがにガルーレと同じことが出来る自身はなかった。
「二人共お待たせ~~~~~」
「おぅ、お疲れ。ガルーレ」
「お疲れ様、ガルーレ。とりあえず……右手、大丈夫かい」
「右手? ん~~~~~…………とりあえず大丈夫だと思う!!!」
「そ、そうかい。もし異変を感じたら、ポーションを使ってね」
「りょ~かい。んじゃ、早速解体しちゃおっか!!!」
顔面はガルーレの正拳突きによって完全に凹んでしまっているが、その他の部分は……脚の骨以外は大して傷付いてはいない。
殆ど素材を傷付けずに討伐したことを考えると、ガルーレの討伐方法は……決して悪くはなかったと言える。
「ガルーレ、元々あぁいった方法で仕留めようと考えてたのか?」
「とりあえず完全に受け止めようとは思ってたかな。ただ、角をそのまま握り潰そうと思ったけど、さすがにちょっと硬かったね」
「そ、そうか……ラバーゴートが頭を振り回してたしな」
「それそれ! それが結構面倒だったんよね~~~~」
面倒だと口にしながらも、ガルーレの顔は笑っていた。
「押し返して、持ち上げて叩きつけるのは、あれは狙ってたのか?」
「咄嗟に思い付いたって感じかな~~。ぶっちゃけ、あそこでこう……角を持ったまま、膝をぶち込むのありだと思ったんだけど、思いっきり叩きつけたい気持ちもあったからさ」
叩きつけたいという気持ちがあったから叩きつけた。
それを本当に実行してしまうガルーレの行動力に、スティームは驚かされた。
「脚の骨が折れてなかったら、って考えなかったの?」
「ん~~~~…………二人ともさ、この攻撃で終わらせられる時にさ、その時特有の感覚を感じたことない?」
「……解らなくも、ない……かもしれないな」
モンスターや盗賊との戦いの際、ガルーレの言う様な感覚を、確かにアラッドとスティームは感じたことがあった。
それは、強敵との戦いで何度か感じていた。
「その感覚があったから、あっ! これはいけるなって思って、持ち上げて思いっ切り叩きつけて、正拳突きを叩き込んだんだ!」
「…………まぁ、それで無事に倒せて、ガルーレの体に支障がないなら、問題無いか」
そういった直感を信じすぎるのは良くないのではと言いかけるも、スティーム自身、その直感を信じて力を振り絞って攻撃を行った記憶があるため、口にすることなく飲み込んだ。
そしてその日の夜、予定通り解体したラバーゴートの肉を焼き、アラッドたちはその味を堪能していた。
「うん、美味いな。ちょっと味は薄めだが、悪くない」
「アラッド、じゃんじゃん焼いちゃおう!!!」
「オッケー、任せろ」
交代でどんどんラバーゴートの肉を焼いていく三人。
従魔たちも主人たちが焼いてくれた焼肉を堪能し、そろそろ三人とも満腹になってきた……といったタイミングで、離れた場所に小さな火が見えた。
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