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八百五十八話 どちらかと言えば、やはり……
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「「「乾杯!!!」」」
三人はギルドのお偉いさん、セストに報告を終えた後、幾つかの素材を売却。
用意されていた特別報酬も含めて、三人の懐はかなり潤った。
そのお金で、三人はカルトロッサにある名店と呼ばれる店に入り、祝勝会を行っていた。
「はぁ~~~~、やっぱりこういう店にも、エールは置いてるんだね~~」
「そうだな……冒険者でも、商人でも騎士でもこの仕事終わりの一杯に敵う味はないと解ってるんじゃないか?」
「貴族も同じじゃないかな」
三人は杯に注がれていたエールを一気に飲み干し、テーブルの上に並べられている料理を食べ始めた。
因みに、三人もがっつり食べはするものの、今回の主役は……正直なところ、アラッドたち三人ではなく、クロである。
そのため、クロに特に値段を気にせず注文して構わないと伝えている。
現在クロたちの元にも料理が届けられており、これまで食べてきた料理と比べて、量に関しては少ない……そう思いつつも料理を口に入れたヴァジュラは、再び歓喜の雄叫びを上げた。
ただ、そうなるだろうと事前に予想していたファルが翼で口を塞ぎ、ついでに風の壁を展開したことで、先日ほど周囲の者たちが驚かされることはなく、三人の元に声が届くこともなかった。
またやらかしかけたヴァジュラに対し、ファルとクロもそうなる気持ち自体は解るため、短めに説教しただけで、直ぐに食事を再開した。
「なんだかんだでクロに譲ったけど、やっぱりあの風竜と戦ってみたかったなぁ~~……また風竜が現れたりしないかな」
「そうなれば、今度はガルーレが戦っても良いぞ。とはいえ、今回の風竜……ルストと仮に戦うとなったら、どう戦うつもりだったんだ」
「ん~~~~~~~~~…………ペイル・サーベルスを使って、がっつり攻撃を受け止めてから仕留めるかな」
スティームだけではなく、アラッドと出会ってから更に強くなっているのはガルーレも同じ。
ただ、それでも無茶な手段……リスクを背負わなければ倒せない。
ガルーレほどの実力者にそう感じさせるほど、風竜ルストの戦闘力を高かった。
「立体感知を使えば、死角から来られてもなんとか出来そうだけど……」
「個人的には、リスクが高いその方法は使わないでほしいから、そういう戦い方をしてくれれば、安心して観れるな」
「だよね~~~……あっ、立体感知と気配感知を同時に使えば、上手く捉えられるって言うか、予想出来そうかも」
「どういう事だ?」
「気配感知も同時に使えば、風竜が移動する時の風が感じられそうじゃん。あの風竜はバカじゃないから、ギリギリで反応するだけだと普通に対策されそうだから、気配感知も一緒に使えばなんとか戦れそうね」
「……面白いこと考えるな」
探索する為ではなく、戦いを有利に進める為に立体感知と気配感知を同時に使用する。
それはアラッドも考えたことがない対策方法だった。
「スティームは、やっぱり赤雷を使ってバッサリ……まずは翼から切断する感じ?」
「そう、だね……翼をなんとか出来れば、一番良いのは間違いない。切断出来なくても、刺突で穴を開けられるだけでも十分効果がありそうだしね。後は…………倒すだけなら、風竜が上から仕掛けてきた攻撃を避けて、上に戻る際に万雷を叩き込むかな」
冒険者であるスティームとしては、なるべく素材を傷付けずに討伐したいところだが、追い詰められれば気にせずぶっ潰す。
そうしなければ、逆に自分が潰されてしまう、切り裂かれてしまうことを理解している。
「でも、あれだね。さっきも話したけど、ストールやルストも含めて、亜竜であるワイバーンを従えていたよね……これからも因縁がある風竜は、どれもそういう個体ばかりなのかな」
なんという根性ナシなんだ。これだから最近の若いドラゴンは……などと言いたい訳ではなく。
スティーム自身、効率的な狩猟方法で身体能力がBランククラスにまで情報したワイバーンの強さを身に染みて体験した。
あれが量産されればと思うと、ぞっとする。
それでも、自分たちが対峙するとなれば…………Bランクが一杯よりも、Aランク一体の方が恐ろしいというのがスティームの答え。
Aランクモンスターなど、そうそう出会うことが出来ないのだが、スティームはこれまで何度も木竜、成体の雷獣、轟炎竜、鋼竜……四体ものAランクモンスターと直接対面してきた。
実際に比べられる対象と出会ってきた経験から、Aランクモンスター一体の方が恐ろしいという答えは変わらない。
「…………父親である、暴風竜は越えられないと、その暴風竜を討伐した人間は自分だけでは倒せないと思ってるのかもしれないな」
「ふ~~~ん? じゃあ、血統? 的にはアラッドたちが勝ってるわけだね。あのドラング君だって、フールさんを越えようと、アラッドをぶっ倒そうと日々頑張ってるわけでしょ」
「……ふふ、そうだな。少なくとも、上に向かうメンタルは俺たちの方が勝ってるみたいだな」
しかし、今のところ遭遇した暴風竜の子である風竜が、二体とも群れるタイプであったとはいえ、他も同じとは断言出来ない。
なにより、今後に向けて警戒しなければならないドラゴンは、風竜だけではなかった。
三人はギルドのお偉いさん、セストに報告を終えた後、幾つかの素材を売却。
用意されていた特別報酬も含めて、三人の懐はかなり潤った。
そのお金で、三人はカルトロッサにある名店と呼ばれる店に入り、祝勝会を行っていた。
「はぁ~~~~、やっぱりこういう店にも、エールは置いてるんだね~~」
「そうだな……冒険者でも、商人でも騎士でもこの仕事終わりの一杯に敵う味はないと解ってるんじゃないか?」
「貴族も同じじゃないかな」
三人は杯に注がれていたエールを一気に飲み干し、テーブルの上に並べられている料理を食べ始めた。
因みに、三人もがっつり食べはするものの、今回の主役は……正直なところ、アラッドたち三人ではなく、クロである。
そのため、クロに特に値段を気にせず注文して構わないと伝えている。
現在クロたちの元にも料理が届けられており、これまで食べてきた料理と比べて、量に関しては少ない……そう思いつつも料理を口に入れたヴァジュラは、再び歓喜の雄叫びを上げた。
ただ、そうなるだろうと事前に予想していたファルが翼で口を塞ぎ、ついでに風の壁を展開したことで、先日ほど周囲の者たちが驚かされることはなく、三人の元に声が届くこともなかった。
またやらかしかけたヴァジュラに対し、ファルとクロもそうなる気持ち自体は解るため、短めに説教しただけで、直ぐに食事を再開した。
「なんだかんだでクロに譲ったけど、やっぱりあの風竜と戦ってみたかったなぁ~~……また風竜が現れたりしないかな」
「そうなれば、今度はガルーレが戦っても良いぞ。とはいえ、今回の風竜……ルストと仮に戦うとなったら、どう戦うつもりだったんだ」
「ん~~~~~~~~~…………ペイル・サーベルスを使って、がっつり攻撃を受け止めてから仕留めるかな」
スティームだけではなく、アラッドと出会ってから更に強くなっているのはガルーレも同じ。
ただ、それでも無茶な手段……リスクを背負わなければ倒せない。
ガルーレほどの実力者にそう感じさせるほど、風竜ルストの戦闘力を高かった。
「立体感知を使えば、死角から来られてもなんとか出来そうだけど……」
「個人的には、リスクが高いその方法は使わないでほしいから、そういう戦い方をしてくれれば、安心して観れるな」
「だよね~~~……あっ、立体感知と気配感知を同時に使えば、上手く捉えられるって言うか、予想出来そうかも」
「どういう事だ?」
「気配感知も同時に使えば、風竜が移動する時の風が感じられそうじゃん。あの風竜はバカじゃないから、ギリギリで反応するだけだと普通に対策されそうだから、気配感知も一緒に使えばなんとか戦れそうね」
「……面白いこと考えるな」
探索する為ではなく、戦いを有利に進める為に立体感知と気配感知を同時に使用する。
それはアラッドも考えたことがない対策方法だった。
「スティームは、やっぱり赤雷を使ってバッサリ……まずは翼から切断する感じ?」
「そう、だね……翼をなんとか出来れば、一番良いのは間違いない。切断出来なくても、刺突で穴を開けられるだけでも十分効果がありそうだしね。後は…………倒すだけなら、風竜が上から仕掛けてきた攻撃を避けて、上に戻る際に万雷を叩き込むかな」
冒険者であるスティームとしては、なるべく素材を傷付けずに討伐したいところだが、追い詰められれば気にせずぶっ潰す。
そうしなければ、逆に自分が潰されてしまう、切り裂かれてしまうことを理解している。
「でも、あれだね。さっきも話したけど、ストールやルストも含めて、亜竜であるワイバーンを従えていたよね……これからも因縁がある風竜は、どれもそういう個体ばかりなのかな」
なんという根性ナシなんだ。これだから最近の若いドラゴンは……などと言いたい訳ではなく。
スティーム自身、効率的な狩猟方法で身体能力がBランククラスにまで情報したワイバーンの強さを身に染みて体験した。
あれが量産されればと思うと、ぞっとする。
それでも、自分たちが対峙するとなれば…………Bランクが一杯よりも、Aランク一体の方が恐ろしいというのがスティームの答え。
Aランクモンスターなど、そうそう出会うことが出来ないのだが、スティームはこれまで何度も木竜、成体の雷獣、轟炎竜、鋼竜……四体ものAランクモンスターと直接対面してきた。
実際に比べられる対象と出会ってきた経験から、Aランクモンスター一体の方が恐ろしいという答えは変わらない。
「…………父親である、暴風竜は越えられないと、その暴風竜を討伐した人間は自分だけでは倒せないと思ってるのかもしれないな」
「ふ~~~ん? じゃあ、血統? 的にはアラッドたちが勝ってるわけだね。あのドラング君だって、フールさんを越えようと、アラッドをぶっ倒そうと日々頑張ってるわけでしょ」
「……ふふ、そうだな。少なくとも、上に向かうメンタルは俺たちの方が勝ってるみたいだな」
しかし、今のところ遭遇した暴風竜の子である風竜が、二体とも群れるタイプであったとはいえ、他も同じとは断言出来ない。
なにより、今後に向けて警戒しなければならないドラゴンは、風竜だけではなかった。
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