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七百十二話 あれ、もしかして?
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(僕には全くその気がないんだけど…………本当にアラッド兄さんの言う通りになるのかな?)
アッシュはアラッドと別れた後、ゆっくりと歩きながら、先程兄と話した会話内容を思い返していた。
(あの人は……僕を好きになった? でも、婚約を申し込んできたという事は……血の問題?)
貴族同士の結婚において、血統は非常に重要な要素。
アッシュは父親だけではなく、母親も貴族出身。
そのため、血統という点においてはアラッドより優れていると言える。
(でも、僕はアルバース王国の人間で、あの人はナルターク王国の人間……争ってる国同士というわけではないけど、なんか……色々と面倒だよね)
今回、両国間で代表戦を行っているが、基本的に殺しも有りとは推奨されていない。
結果として……とは容認されているものの、両国王としてもその結果は避けたい。
その点に関して、アルバース国王はアラッドとフローレンスの二人が狂化、精霊同化という手札を切った際、うっかりやってしまわないかと、ほんの少しだけ心配している。
(もしかして、あの人はそれを面倒だと思ってないのかな? 普通に考えれば、僕は代表戦という場であの人を倒した人間……それを考えれば、あの人の家が納得しないと思うんだけど……間違ってないよね?)
観客席に戻る途中なため、確認を取れる人が傍におらず、少し自分の常識が合っているか否か心配になる。
(それに、僕の事を好きになった? でなければ、断られた場合すぐに諦めるよね。僕、あの人とそんなに長い時間話したわけじゃないし、ただ代表戦という試合で戦っただけだし…………そもそもな話、あんな展開になる要素はない筈……うん、その筈)
必死に自己納得しようとするアッシュの考え自体は、そこまで間違っていない。
しかし、錬金術に強い興味と好奇心を抱き、その道に進もうとしているアッシュらしくない見落としをしていた。
自身の考え自体は割と正しかったとしても……彼女は、リエラ・カルバトラはアッシュに婚約を申し込んだのだ。
確かに長い間話してはおらず、互いの趣味に共通点がある、もしくは同じ趣味を持っているなど……全く知らない。
そんな……本当に初対面の身でありながら、彼女はアッシュに婚約を申し込んだ。
その事実だけで、彼女が本当に短期間の間にアッシュに惹かれ、惚れたという可能性を否定出来ない。
加えてアッシュは恋愛という存在に対して殆ど興味がなく、一目惚れという言葉を忘れていた。
(けど、僕の記憶が……耳がおかしくなってなければ、婚約を申し込まれたのは事実なんだよね…………ダメだ、全く納得出来る答えが出てこない)
モヤモヤ感、変な疑問がずっと残り続けているため、アッシュとしてはそれらを解消してスッキリしたいものの……一向に自身が納得出来る理由が思い付かない。
(アラッド兄さんの考えが正しい可能性もあるとは思うけど……僕は、一時の気の迷いだと思うなぁ)
兄であるアラッドに「お前はこんなに凄いんだぞ!!!!」と直接伝えられても、アッシュは直ぐに自分に男としての魅了はあるのか? と、人によっては「おちょくるのもいい加減にしろよ!!!!」と怒鳴りそうなことを考えてしまう。
「…………あれ? でも、僕はアラッド兄さんに伝えられて事って……もしかして」
強く、顔が整っており、貴族社会においてそれなりの地位を持っている。
「……それって、アラッド兄さんのことでもあるよね?」
気付いてしまったアッシュ。
実はアラッドが弟にあれこれ伝えていたことは、完全に超特大のブーメランとなってアラッドに突き刺さっていたことを。
アッシュは自分に向けられる恋愛感情を察することは苦手だが、自分以外のことは別だった。
まず、どう見てもフローレンスがアラッドに向ける視線は、ライバルや友人といったものだけではない。
(フローレンスさんがアラッド兄さんにアプローチをしてるのかは解らないけど……多分、そういう気持ちはあるよね)
加えて、あまり大きく広まっていない情報ではあるが、第三王女であるフィリアスがアラッドのことを空いているのではないか……といった噂を知る者は知っている。
(偶に僕やシルフィーをお茶会に誘ってくれるてることを考えれば……可能性は十分にあり得るよね?)
あれ……あれれという思いが膨れ上がってくる。
「アラッド兄さんは僕と違って、そういうのに気付くタイプだと思うんだけど……わざと、無視してる?」
いつの間にか頭の中に溢れていた疑問は消え、アラッドに対してそういった思いを抱いてるかもしれない人物に関する内容で上書きされ始めた。
「でも…………無視できないよね? あの人の実家の地位は知らないけど、僕よりは色々と問題や障害が少なそうだし……けどアラッド兄さんは冒険をするのが好きで…………?????」
あまり普段は考えない内容に思考力を使い過ぎたアッシュは脳がショートし、一旦考えることを放棄して観客席に戻り……スティームたちに賞賛を伝えられながら歓迎された。
アッシュはアラッドと別れた後、ゆっくりと歩きながら、先程兄と話した会話内容を思い返していた。
(あの人は……僕を好きになった? でも、婚約を申し込んできたという事は……血の問題?)
貴族同士の結婚において、血統は非常に重要な要素。
アッシュは父親だけではなく、母親も貴族出身。
そのため、血統という点においてはアラッドより優れていると言える。
(でも、僕はアルバース王国の人間で、あの人はナルターク王国の人間……争ってる国同士というわけではないけど、なんか……色々と面倒だよね)
今回、両国間で代表戦を行っているが、基本的に殺しも有りとは推奨されていない。
結果として……とは容認されているものの、両国王としてもその結果は避けたい。
その点に関して、アルバース国王はアラッドとフローレンスの二人が狂化、精霊同化という手札を切った際、うっかりやってしまわないかと、ほんの少しだけ心配している。
(もしかして、あの人はそれを面倒だと思ってないのかな? 普通に考えれば、僕は代表戦という場であの人を倒した人間……それを考えれば、あの人の家が納得しないと思うんだけど……間違ってないよね?)
観客席に戻る途中なため、確認を取れる人が傍におらず、少し自分の常識が合っているか否か心配になる。
(それに、僕の事を好きになった? でなければ、断られた場合すぐに諦めるよね。僕、あの人とそんなに長い時間話したわけじゃないし、ただ代表戦という試合で戦っただけだし…………そもそもな話、あんな展開になる要素はない筈……うん、その筈)
必死に自己納得しようとするアッシュの考え自体は、そこまで間違っていない。
しかし、錬金術に強い興味と好奇心を抱き、その道に進もうとしているアッシュらしくない見落としをしていた。
自身の考え自体は割と正しかったとしても……彼女は、リエラ・カルバトラはアッシュに婚約を申し込んだのだ。
確かに長い間話してはおらず、互いの趣味に共通点がある、もしくは同じ趣味を持っているなど……全く知らない。
そんな……本当に初対面の身でありながら、彼女はアッシュに婚約を申し込んだ。
その事実だけで、彼女が本当に短期間の間にアッシュに惹かれ、惚れたという可能性を否定出来ない。
加えてアッシュは恋愛という存在に対して殆ど興味がなく、一目惚れという言葉を忘れていた。
(けど、僕の記憶が……耳がおかしくなってなければ、婚約を申し込まれたのは事実なんだよね…………ダメだ、全く納得出来る答えが出てこない)
モヤモヤ感、変な疑問がずっと残り続けているため、アッシュとしてはそれらを解消してスッキリしたいものの……一向に自身が納得出来る理由が思い付かない。
(アラッド兄さんの考えが正しい可能性もあるとは思うけど……僕は、一時の気の迷いだと思うなぁ)
兄であるアラッドに「お前はこんなに凄いんだぞ!!!!」と直接伝えられても、アッシュは直ぐに自分に男としての魅了はあるのか? と、人によっては「おちょくるのもいい加減にしろよ!!!!」と怒鳴りそうなことを考えてしまう。
「…………あれ? でも、僕はアラッド兄さんに伝えられて事って……もしかして」
強く、顔が整っており、貴族社会においてそれなりの地位を持っている。
「……それって、アラッド兄さんのことでもあるよね?」
気付いてしまったアッシュ。
実はアラッドが弟にあれこれ伝えていたことは、完全に超特大のブーメランとなってアラッドに突き刺さっていたことを。
アッシュは自分に向けられる恋愛感情を察することは苦手だが、自分以外のことは別だった。
まず、どう見てもフローレンスがアラッドに向ける視線は、ライバルや友人といったものだけではない。
(フローレンスさんがアラッド兄さんにアプローチをしてるのかは解らないけど……多分、そういう気持ちはあるよね)
加えて、あまり大きく広まっていない情報ではあるが、第三王女であるフィリアスがアラッドのことを空いているのではないか……といった噂を知る者は知っている。
(偶に僕やシルフィーをお茶会に誘ってくれるてることを考えれば……可能性は十分にあり得るよね?)
あれ……あれれという思いが膨れ上がってくる。
「アラッド兄さんは僕と違って、そういうのに気付くタイプだと思うんだけど……わざと、無視してる?」
いつの間にか頭の中に溢れていた疑問は消え、アラッドに対してそういった思いを抱いてるかもしれない人物に関する内容で上書きされ始めた。
「でも…………無視できないよね? あの人の実家の地位は知らないけど、僕よりは色々と問題や障害が少なそうだし……けどアラッド兄さんは冒険をするのが好きで…………?????」
あまり普段は考えない内容に思考力を使い過ぎたアッシュは脳がショートし、一旦考えることを放棄して観客席に戻り……スティームたちに賞賛を伝えられながら歓迎された。
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