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六百九十九話 どの程度の威力があれば
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「とりあえず、アラッドの対戦相手の予想は一旦止めようか」
最もらしい対戦相手が思い浮かばず、一応ドラゴンを従魔として従える竜人族が、それらしい相手になるのではないか……という案が浮かびはしたものの、アラッドの強さを知る者たちからすればそれでも足りないのではという思いの方が強かった。
「だね~~。それじゃあ、次はフローレンスの対戦相手だけど……こっちもこっちで予想が難しいよね~」
アラッドが本気で強いと、猛者だと認めている騎士であり、光の精霊と契約を交わしており、アラッドと同じく相手は実質二人を相手しなければならない。
「フローレンスのウィリスという光の精霊がいる。それを考えると、従魔を従えている騎士が妥当か」
「……思ったんだけどさ、騎士で従魔を持つ人って、それなりにいるものなの?」
「「「「…………」」」」
貴族出身の四人が自身の記憶を振り返るが……思った以上に、従魔という相棒を持つ騎士はいなかった。
「あまり記憶に、ないね。正直な話、簡単に相棒と言える従魔とは巡り得ないからね」
「それこそ、竜騎士と呼べる者たちでなければ、まず想像出来ないな」
「ドラゴンライダーってやつよね。って事は、若手騎士の中でも家系的に竜騎士になる人が多い家出身の奴が相手?」
あり得なくはない、とアラッドたちは思った。
(竜騎士……何歳から、どれぐらい騎士として経験を積んでいればとか、詳しい内容は知らないが、仮に幼い頃からドラゴンと共に暮らしている者であれば……向こうの国王が自慢するのも納得の逸材、なのかもしれないな)
候補の一つ、竜騎士。
これに異論を唱える者はいなかった。
「候補の一つだな。本当にそんな若手がいるのかは知らないが、それぐらい優れた人物じゃないとフローレンスの相手にならないだろ」
「それじゃあ、他にどんな人ならフローレンスの相手になるかな」
「……一撃必殺の技を持ってる人とか、どうでしょうか」
アッシュの意見に、アラッドたちは納得のいく顔を浮かべ、その可能性について探っていく。
「それもあり得るな。一撃必殺…………俺らの中で言えば、スティームの万雷みたいなものか」
「そういえば、スティーム君にはその様な攻撃があるのでしたね。実際のところ、どれほどの威力があるのでしょうか」
「……そういえば、まだ実戦では使ったことがなかったな」
「うん、そうだったね」
スティームの切り札、万雷から放たれるまるで天罰の様な強大な落雷。
燃費がえぐく、そう簡単に使える攻撃ではない。
「けど、万雷が当たれば…………赤雷バージョンで行えば、Bランクのモンスターなら一撃で倒せるんじゃないか?」
「そう、だね……多分、出来ると思う」
Bランクのモンスターを一撃で倒せる。
その言葉にフローレンスとアッシュは大なり小なり差はあれど、驚かされた。
「というか、当たり所によってはAランクのモンスターでも殺れるんじゃないか?」
「そ、それはどうかな? そもそもな話、Aランクのモンスターがそう簡単に当ってくれるかどうか……」
当れば殺せるかもしれない。
その可能性を否定しなかったスティーム。
「っ……と、とてつもないを持つ必殺技なのですね」
「威力はあるけど、魔力の消費が激しくてね。今の僕だと直ぐに魔力がすっからかんになってしまうんだ。だから、使おうと思っても簡単には使えない」
完全に魔力が切れてしまうと、とてつもない倦怠感に襲われる。
魔力を使い続ける魔法使いでなくとも、戦闘者であれば常識なため、簡単に使えないという理由に全員が納得。
「流石にそこまでの威力を持つ技を会得してるとは思えないが……フローレンスを一撃で倒す秘策があるなら、Bランクモンスターを一撃で倒せる威力を持つ技なのは間違いないだろうな」
「……それって、精霊同化したフローレンスが相手でも倒せるのかな?」
「その状態も含めて、倒せるって確信を持ってる可能性はあるんじゃないか? フローレンスが精霊と契約してる、精霊同化を使えるっていう情報はどう考えても向こうに伝わってるだろ」
代表戦でフローレンスと戦う騎士が、そういった情報を全く耳に入れていなければ……アラッドは普通にドン引きしてしまう。
「それもそうね~。二つ目の候補は、一撃必殺の技を持つ騎士。けどさ、フローレンスなら相手が何かを狙ってる感は直ぐに解るんじゃないの?」
「そうですねぇ……対戦相手の性格などにもよりますが、おそらく気付けるかと」
相手の思考、考えている事を読むという技術に関しては、圧倒的にアラッドよりも長けているフローレンス。
長年社交界に出席し続けていることもあり、ポーカーフェイスをしている相手であっても、探ることが不可能ではない。
「……狙いが解れば、タイミングに合わせてガードすることも可能だろ。さすがにBランクモンスターを殺せる攻撃であっても、本気でガードすれば耐えられるだろ」
普段のフローレンスであればともかく、筋肉聖女モードに加えて精霊同化を行うだけで防御力はそこら辺のタンク以上になり得る。
(とはいえ……どう対処するかは、フローレンスの考え次第か)
アラッドはフローレンスほど意識している相手のをことを考えていない。
しかし、一撃必殺の話を聞いてフローレンスが何を考えているのか……不本意にも、ほんの少し解ってしまった。
最もらしい対戦相手が思い浮かばず、一応ドラゴンを従魔として従える竜人族が、それらしい相手になるのではないか……という案が浮かびはしたものの、アラッドの強さを知る者たちからすればそれでも足りないのではという思いの方が強かった。
「だね~~。それじゃあ、次はフローレンスの対戦相手だけど……こっちもこっちで予想が難しいよね~」
アラッドが本気で強いと、猛者だと認めている騎士であり、光の精霊と契約を交わしており、アラッドと同じく相手は実質二人を相手しなければならない。
「フローレンスのウィリスという光の精霊がいる。それを考えると、従魔を従えている騎士が妥当か」
「……思ったんだけどさ、騎士で従魔を持つ人って、それなりにいるものなの?」
「「「「…………」」」」
貴族出身の四人が自身の記憶を振り返るが……思った以上に、従魔という相棒を持つ騎士はいなかった。
「あまり記憶に、ないね。正直な話、簡単に相棒と言える従魔とは巡り得ないからね」
「それこそ、竜騎士と呼べる者たちでなければ、まず想像出来ないな」
「ドラゴンライダーってやつよね。って事は、若手騎士の中でも家系的に竜騎士になる人が多い家出身の奴が相手?」
あり得なくはない、とアラッドたちは思った。
(竜騎士……何歳から、どれぐらい騎士として経験を積んでいればとか、詳しい内容は知らないが、仮に幼い頃からドラゴンと共に暮らしている者であれば……向こうの国王が自慢するのも納得の逸材、なのかもしれないな)
候補の一つ、竜騎士。
これに異論を唱える者はいなかった。
「候補の一つだな。本当にそんな若手がいるのかは知らないが、それぐらい優れた人物じゃないとフローレンスの相手にならないだろ」
「それじゃあ、他にどんな人ならフローレンスの相手になるかな」
「……一撃必殺の技を持ってる人とか、どうでしょうか」
アッシュの意見に、アラッドたちは納得のいく顔を浮かべ、その可能性について探っていく。
「それもあり得るな。一撃必殺…………俺らの中で言えば、スティームの万雷みたいなものか」
「そういえば、スティーム君にはその様な攻撃があるのでしたね。実際のところ、どれほどの威力があるのでしょうか」
「……そういえば、まだ実戦では使ったことがなかったな」
「うん、そうだったね」
スティームの切り札、万雷から放たれるまるで天罰の様な強大な落雷。
燃費がえぐく、そう簡単に使える攻撃ではない。
「けど、万雷が当たれば…………赤雷バージョンで行えば、Bランクのモンスターなら一撃で倒せるんじゃないか?」
「そう、だね……多分、出来ると思う」
Bランクのモンスターを一撃で倒せる。
その言葉にフローレンスとアッシュは大なり小なり差はあれど、驚かされた。
「というか、当たり所によってはAランクのモンスターでも殺れるんじゃないか?」
「そ、それはどうかな? そもそもな話、Aランクのモンスターがそう簡単に当ってくれるかどうか……」
当れば殺せるかもしれない。
その可能性を否定しなかったスティーム。
「っ……と、とてつもないを持つ必殺技なのですね」
「威力はあるけど、魔力の消費が激しくてね。今の僕だと直ぐに魔力がすっからかんになってしまうんだ。だから、使おうと思っても簡単には使えない」
完全に魔力が切れてしまうと、とてつもない倦怠感に襲われる。
魔力を使い続ける魔法使いでなくとも、戦闘者であれば常識なため、簡単に使えないという理由に全員が納得。
「流石にそこまでの威力を持つ技を会得してるとは思えないが……フローレンスを一撃で倒す秘策があるなら、Bランクモンスターを一撃で倒せる威力を持つ技なのは間違いないだろうな」
「……それって、精霊同化したフローレンスが相手でも倒せるのかな?」
「その状態も含めて、倒せるって確信を持ってる可能性はあるんじゃないか? フローレンスが精霊と契約してる、精霊同化を使えるっていう情報はどう考えても向こうに伝わってるだろ」
代表戦でフローレンスと戦う騎士が、そういった情報を全く耳に入れていなければ……アラッドは普通にドン引きしてしまう。
「それもそうね~。二つ目の候補は、一撃必殺の技を持つ騎士。けどさ、フローレンスなら相手が何かを狙ってる感は直ぐに解るんじゃないの?」
「そうですねぇ……対戦相手の性格などにもよりますが、おそらく気付けるかと」
相手の思考、考えている事を読むという技術に関しては、圧倒的にアラッドよりも長けているフローレンス。
長年社交界に出席し続けていることもあり、ポーカーフェイスをしている相手であっても、探ることが不可能ではない。
「……狙いが解れば、タイミングに合わせてガードすることも可能だろ。さすがにBランクモンスターを殺せる攻撃であっても、本気でガードすれば耐えられるだろ」
普段のフローレンスであればともかく、筋肉聖女モードに加えて精霊同化を行うだけで防御力はそこら辺のタンク以上になり得る。
(とはいえ……どう対処するかは、フローレンスの考え次第か)
アラッドはフローレンスほど意識している相手のをことを考えていない。
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