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六百七十九話 男子が憧れる功績
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「さてと、行くか」
久しぶりにシルフィーやアッシュ、ベルたちに出会た翌日、アラッドは王都に来た本当の目的を忘れないうちに、王城へと向かった。
「アラッドです」
「お待ちしておりました。ささ、どうぞこちらへ」
既に話は届いており、中への案内はスムーズに行われた。
(なんか……思ってた以上に、好意的な視線が向けられてる様な?)
過去に形としては、騎士に喧嘩を売った……そう思われるかもしれない件があった。
騎士の爵位だけは貰うが、騎士としては全く活動しない。
今更ではあるが、アラッドもその内容に関して十人ほどの騎士が不満を感じて自分に挑んで来た気持ちは解らなくもない。
しかし、案内してくれる騎士、すれ違う騎士たちの視線はどれも好意的。
(騎士らしい行動とかしたか? あんまり記憶にないんだがな)
騎士たちの視線に首を傾げるアラッド。
しかし、アラッドの冒険者として活動を始めてからの功績を考えれば、彼らが好意的な視線を向けるのも当然と言えなくもなかった。
一番大きな話題は、やはりAランクモンスター、ドラゴンゾンビを討伐した一件。
冒険者になり立てのルーキーが打ち立てた功績としては、あまりにもスケールが大き過ぎた。
そして騎士という立場から見ると……消えたと思われていた木竜が当然現れ、その木竜が暴れるのを未然に防いだ。
何故木竜が消えたのかという詳細に関しては伏せられているが、木竜が暴れたかもしれない可能性をアラッドたちが防いだという話は止められなかった。
というよりも、共にその件に関して探っていたクラン、緑焔のクランマスターであるハリスが得意気に自慢している。
アラッドは功績欲しさに急いで現場に急行したわけではないが、外から見ればそれは立派な善行で功績であった。
「アラッドって、騎士たちから煙たがられてるんじゃなかったの?」
「俺は……あまり好かれてはいないと思ってたんだけどな」
「そんな事ありませんよ。アラッドさんがこれまで打ち立てた功績は、どれも騎士であれば……男であれば憧れる物ばかりです」
モンスターに連れ攫われた令嬢の救出に、ユニコーンとの出会い。
不幸をふりまこうとしていた最悪の魔法使いを叩き潰す為に、Aランクのドラゴンと激闘を繰り広げる。
その他の功績も、騎士たちからすれば胸が熱くなり、非常に盛り上がる。
まさに……英雄譚に出てくる主人公の様な物語。
「ドラゴンゾンビに、轟炎竜の討伐とかは、確かに男が……男子が憧れる功績だね」
「ドラゴンゾンビの件に関しては超ギリギリで、轟炎竜との戦いは俺一人じゃなくて、クロと一緒に戦ったんだけどな」
「結果として、アラッドが二体のAランクドラゴンを討伐したことに変わりはないよ。それに、一応テイマーである立場として、他のテイマーに従魔は別にお前の力じゃないからなって言うの?」
「……言えないな」
卑劣で外道なマジックアイテムを使っているならともかく、絆を育み共に支え合ってきた存在であれば……一つの存在が持つ戦力として認めなければならない。
「そうでしょう。僕だって、ファルの力を含めて僕の戦闘力だと思ってるよ。まぁ、他より過ぎたくない気持ちは解るけどね」
「アラッドの向上心はまだまだ尽きてないってことだね」
「まだ十代後半だぞ? 尽きる訳ないだろ」
自分の可能性、未来が尽きたとは思えない。
これ以上強くなってどうする?
そんな問いに対して……特に意志を持った答えは出てこない。
ただ、守りたい存在は確かにいる。
場合、状況によってはその守りたい存在が本当に死んでしまう可能性がある。
アラッドからすれば、その危機があるだけで、まだ強くなれるのに前に進まないという選択肢を取らない理由が解らない。
「こちらに陛下がおります」
「ありがとうございます」
アラッドは銀貨を一枚弾いて渡し、ドアをノック。
すると直ぐに返事が返され、入室。
「久しぶりだな、アラッド」
「ご無沙汰しております、国王陛下」
案内された部屋には国王だけではなく宰相もおり、アラッドはそちらにも頭を下げ、ソファーへ腰を下ろした。
(…………そうだな。この場はこれで良いのか)
スティームとガルーレはアラッドの両隣に座ることはなく、ソファーの後ろに立って待機の姿勢を取った。
「ふふ、頼れる仲間に巡り合えたようだな」
「はい。非常に頼れる仲間です」
ややお世辞が入っている。
それが解らない程愚かな二人ではない。
ただ……やはり嬉しさはあり、しっかりそれが顔に出ないようにかみ殺した。
「さて、わざわざ王城に来てくれたという事は、良い返事と思って良いのか」
「陛下、断るにしても私は王城に来なければなりません。勿論……今回の要望に関してですが、是非とも受けさせていただきます」
「ふっふっふ、私としては断るなら手紙でも構わないが、そうかそうか。受けてくれるか」
「はい。期待に応えられる活躍をしてみせます」
面倒なイベントではあるが、アラッドにとって初の海外となる。
前世でも海外には行ったことがなかったので、ワクワク感がゼロというわけではなかった。
久しぶりにシルフィーやアッシュ、ベルたちに出会た翌日、アラッドは王都に来た本当の目的を忘れないうちに、王城へと向かった。
「アラッドです」
「お待ちしておりました。ささ、どうぞこちらへ」
既に話は届いており、中への案内はスムーズに行われた。
(なんか……思ってた以上に、好意的な視線が向けられてる様な?)
過去に形としては、騎士に喧嘩を売った……そう思われるかもしれない件があった。
騎士の爵位だけは貰うが、騎士としては全く活動しない。
今更ではあるが、アラッドもその内容に関して十人ほどの騎士が不満を感じて自分に挑んで来た気持ちは解らなくもない。
しかし、案内してくれる騎士、すれ違う騎士たちの視線はどれも好意的。
(騎士らしい行動とかしたか? あんまり記憶にないんだがな)
騎士たちの視線に首を傾げるアラッド。
しかし、アラッドの冒険者として活動を始めてからの功績を考えれば、彼らが好意的な視線を向けるのも当然と言えなくもなかった。
一番大きな話題は、やはりAランクモンスター、ドラゴンゾンビを討伐した一件。
冒険者になり立てのルーキーが打ち立てた功績としては、あまりにもスケールが大き過ぎた。
そして騎士という立場から見ると……消えたと思われていた木竜が当然現れ、その木竜が暴れるのを未然に防いだ。
何故木竜が消えたのかという詳細に関しては伏せられているが、木竜が暴れたかもしれない可能性をアラッドたちが防いだという話は止められなかった。
というよりも、共にその件に関して探っていたクラン、緑焔のクランマスターであるハリスが得意気に自慢している。
アラッドは功績欲しさに急いで現場に急行したわけではないが、外から見ればそれは立派な善行で功績であった。
「アラッドって、騎士たちから煙たがられてるんじゃなかったの?」
「俺は……あまり好かれてはいないと思ってたんだけどな」
「そんな事ありませんよ。アラッドさんがこれまで打ち立てた功績は、どれも騎士であれば……男であれば憧れる物ばかりです」
モンスターに連れ攫われた令嬢の救出に、ユニコーンとの出会い。
不幸をふりまこうとしていた最悪の魔法使いを叩き潰す為に、Aランクのドラゴンと激闘を繰り広げる。
その他の功績も、騎士たちからすれば胸が熱くなり、非常に盛り上がる。
まさに……英雄譚に出てくる主人公の様な物語。
「ドラゴンゾンビに、轟炎竜の討伐とかは、確かに男が……男子が憧れる功績だね」
「ドラゴンゾンビの件に関しては超ギリギリで、轟炎竜との戦いは俺一人じゃなくて、クロと一緒に戦ったんだけどな」
「結果として、アラッドが二体のAランクドラゴンを討伐したことに変わりはないよ。それに、一応テイマーである立場として、他のテイマーに従魔は別にお前の力じゃないからなって言うの?」
「……言えないな」
卑劣で外道なマジックアイテムを使っているならともかく、絆を育み共に支え合ってきた存在であれば……一つの存在が持つ戦力として認めなければならない。
「そうでしょう。僕だって、ファルの力を含めて僕の戦闘力だと思ってるよ。まぁ、他より過ぎたくない気持ちは解るけどね」
「アラッドの向上心はまだまだ尽きてないってことだね」
「まだ十代後半だぞ? 尽きる訳ないだろ」
自分の可能性、未来が尽きたとは思えない。
これ以上強くなってどうする?
そんな問いに対して……特に意志を持った答えは出てこない。
ただ、守りたい存在は確かにいる。
場合、状況によってはその守りたい存在が本当に死んでしまう可能性がある。
アラッドからすれば、その危機があるだけで、まだ強くなれるのに前に進まないという選択肢を取らない理由が解らない。
「こちらに陛下がおります」
「ありがとうございます」
アラッドは銀貨を一枚弾いて渡し、ドアをノック。
すると直ぐに返事が返され、入室。
「久しぶりだな、アラッド」
「ご無沙汰しております、国王陛下」
案内された部屋には国王だけではなく宰相もおり、アラッドはそちらにも頭を下げ、ソファーへ腰を下ろした。
(…………そうだな。この場はこれで良いのか)
スティームとガルーレはアラッドの両隣に座ることはなく、ソファーの後ろに立って待機の姿勢を取った。
「ふふ、頼れる仲間に巡り合えたようだな」
「はい。非常に頼れる仲間です」
ややお世辞が入っている。
それが解らない程愚かな二人ではない。
ただ……やはり嬉しさはあり、しっかりそれが顔に出ないようにかみ殺した。
「さて、わざわざ王城に来てくれたという事は、良い返事と思って良いのか」
「陛下、断るにしても私は王城に来なければなりません。勿論……今回の要望に関してですが、是非とも受けさせていただきます」
「ふっふっふ、私としては断るなら手紙でも構わないが、そうかそうか。受けてくれるか」
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面倒なイベントではあるが、アラッドにとって初の海外となる。
前世でも海外には行ったことがなかったので、ワクワク感がゼロというわけではなかった。
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