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五百二十八話 お前に任せる
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「お帰りなさいませ、アラッド様!!!!」
「「「「お帰りなさいませ!!!」」」」
「おぅ、五人とも久しぶりだな。というか、毎回言ってるだろ。そんなに堅苦しくしなくていいって」
「そういう訳にはいきません。アラッド様は俺たちの主ですから」
アラッドが実家に帰って来たという報告を受けたガルシアたちは仕事を終えると、ダッシュでアラッドの元へやって来た。
「お前らにはまだ紹介していなかったな。こいつの名前はスティーム。俺の友達で、今一緒にパーティーを組んでる冒険者だ」
「初めまして。スティームと申します。よろしくお願いします」
言われずとも解る。目の前の青年が貴族の令息だと。
自分たちの立場をしっかりと弁えている為、五人は綺麗なお辞儀で対応。
ただ……ハーフドワーフのリンとエルフのシーリアを除いた三人は少々ただならぬ思いをスティームに向けていた。
三人とも自分の立場を理解し、アラッドに敬意を持っている。
そして、できることならアラッドと共に冒険したいという思いも持っている。
そんな三人からすれば、現在主人であるアラッドと共に行動しているスティームは心底羨ましい存在。
恨みを持つことなど筋違いということは理解しているが、それでも妬みという感情をスティームに向けてしまうのは……仕方ないのかもしれない。
「お前ら、そんなにスティームに熱い視線を向けてやるなっての。なぁ、スティーム……お前の方までうずうずしてくるだろ」
「へっ!? い、いやぁ~~~、そうだね…………うん、正直アラッドから聞いてた話よりも強そうっていうのが
第一印象だから、やっぱりそこら辺は気になるね」
「「「ッ!」」」
主人であるアラッドが自分たちの事を褒めていた。
スティームの言葉からそれを知った三人とリン、シーリアも大なり小なり照れる。
「まっ、そこら辺は明日あたりにやろう。ぶっちゃけ、実家に帰ってきた目的はリンに造ってほしい武器があるからなんだ」
「自分にですか?」
「そうだ。レドルスって街の闘技場が開催したトーナメントに俺とスティームが参加したんだけど、その際に鋼鉄の剛剣・改とスティームが愛用していた双剣が壊れたんだ。だから、どうせなら面白い素材を手に入れてからリンに造ってもらおうと思ってな」
鋼鉄の剛剣・改が破壊された。
そのことに対して、リンは驚きこそすれど、怒ることはなかった。
他四人も同じ反応ではあったが……結果としてスティームという青年が何かしらの攻撃で鋼鉄の剛剣・改を破壊したという事実に驚きを隠せなかった。
「なるほど、そういう理由があったんですね。分かったす。ところで、面白い素材とはどんな素材なんですか?」
アラッドとスティームと従魔二体が二体の雷獣を倒したというニュースはまだリンたちの元には届いていなかった。
「俺とスティームとクロ、そしてスティームの従魔であるストームファルコン、ファルと一緒に雷獣を倒したんだよ」
「「「「「っ!!!!????」」」」」
雷獣という名のモンスターは五人とも知っている。
生まれたてはBランクほどの実力しかないが、成体になればAランクモンスターの中でもトップクラスの戦闘力を持つようになる。
過去の文献には、災害以上の脅威を持つSランクまで成長した個体も確認されているほど恐ろしく、凶悪なモンスター……というのが世間一般的な常識。
「倒した雷獣はおそらく生まれてそこまで時間が経ってない個体と、成体の個体だ」
「に、二体も倒したんですか」
「偶々な。本当は一体を倒して終わりだと思ってたんだが、いきなりもう一体……成体の個体が現れてな。リン、とりあえず素材は今渡すぞ」
リンや他の鍛冶師たちが活動している工房へと移動し、テーブルの上に雷獣の牙や爪、骨と魔石を取り出す。
「ッ……凄い、っすね。良く倒せましたね」
「なんだかんだでクロがいるからな。あいつの力に頼るのは良くないのは解ってるけど……クロと俺たちがいれば、一応ある程度の状況には対応出来ると思ってる。まっ、Aランクのモンスターが同時に三体も四体も流石に対応出来ないけどな」
ドラゴンゾンビ、雷獣との戦いを乗り越え……また一つ強くなった。
それは事実だが、確実に一つ上のステージに上がった訳ではない。
アラッドにとって、Aランクという怪物は変わらず怪物的な存在である。
「それと、他の素材が必要なら、ここら辺のやつを使ってくれ」
そう言いながら……ギーラスが分けてくれた風竜、ストールの素材やドラゴンゾンビの素材などをテーブルに置く。
「「「「「「「「っ!!??」」」」」」」」
リンたちや鍛冶場で作業していた他の者たちは全員目を丸くしながら固まった。
「アラッド、様……こ、これは」
「ドラゴンゾンビや風竜、ストールの素材とかだ。武器に使う素材の相性とかまではそこまで詳しくない。だから、そこら辺はお前の感覚に任せるぞ、リン」
「よろしくお願いします、リンさん」
「ッ……勿論、任せてくださいっす!!!!」
二人から改めて頼まれたリンは胸を張って応え、そんなハーフドワーフを他四人は羨ましそうな目で眺めていた。
「「「「お帰りなさいませ!!!」」」」
「おぅ、五人とも久しぶりだな。というか、毎回言ってるだろ。そんなに堅苦しくしなくていいって」
「そういう訳にはいきません。アラッド様は俺たちの主ですから」
アラッドが実家に帰って来たという報告を受けたガルシアたちは仕事を終えると、ダッシュでアラッドの元へやって来た。
「お前らにはまだ紹介していなかったな。こいつの名前はスティーム。俺の友達で、今一緒にパーティーを組んでる冒険者だ」
「初めまして。スティームと申します。よろしくお願いします」
言われずとも解る。目の前の青年が貴族の令息だと。
自分たちの立場をしっかりと弁えている為、五人は綺麗なお辞儀で対応。
ただ……ハーフドワーフのリンとエルフのシーリアを除いた三人は少々ただならぬ思いをスティームに向けていた。
三人とも自分の立場を理解し、アラッドに敬意を持っている。
そして、できることならアラッドと共に冒険したいという思いも持っている。
そんな三人からすれば、現在主人であるアラッドと共に行動しているスティームは心底羨ましい存在。
恨みを持つことなど筋違いということは理解しているが、それでも妬みという感情をスティームに向けてしまうのは……仕方ないのかもしれない。
「お前ら、そんなにスティームに熱い視線を向けてやるなっての。なぁ、スティーム……お前の方までうずうずしてくるだろ」
「へっ!? い、いやぁ~~~、そうだね…………うん、正直アラッドから聞いてた話よりも強そうっていうのが
第一印象だから、やっぱりそこら辺は気になるね」
「「「ッ!」」」
主人であるアラッドが自分たちの事を褒めていた。
スティームの言葉からそれを知った三人とリン、シーリアも大なり小なり照れる。
「まっ、そこら辺は明日あたりにやろう。ぶっちゃけ、実家に帰ってきた目的はリンに造ってほしい武器があるからなんだ」
「自分にですか?」
「そうだ。レドルスって街の闘技場が開催したトーナメントに俺とスティームが参加したんだけど、その際に鋼鉄の剛剣・改とスティームが愛用していた双剣が壊れたんだ。だから、どうせなら面白い素材を手に入れてからリンに造ってもらおうと思ってな」
鋼鉄の剛剣・改が破壊された。
そのことに対して、リンは驚きこそすれど、怒ることはなかった。
他四人も同じ反応ではあったが……結果としてスティームという青年が何かしらの攻撃で鋼鉄の剛剣・改を破壊したという事実に驚きを隠せなかった。
「なるほど、そういう理由があったんですね。分かったす。ところで、面白い素材とはどんな素材なんですか?」
アラッドとスティームと従魔二体が二体の雷獣を倒したというニュースはまだリンたちの元には届いていなかった。
「俺とスティームとクロ、そしてスティームの従魔であるストームファルコン、ファルと一緒に雷獣を倒したんだよ」
「「「「「っ!!!!????」」」」」
雷獣という名のモンスターは五人とも知っている。
生まれたてはBランクほどの実力しかないが、成体になればAランクモンスターの中でもトップクラスの戦闘力を持つようになる。
過去の文献には、災害以上の脅威を持つSランクまで成長した個体も確認されているほど恐ろしく、凶悪なモンスター……というのが世間一般的な常識。
「倒した雷獣はおそらく生まれてそこまで時間が経ってない個体と、成体の個体だ」
「に、二体も倒したんですか」
「偶々な。本当は一体を倒して終わりだと思ってたんだが、いきなりもう一体……成体の個体が現れてな。リン、とりあえず素材は今渡すぞ」
リンや他の鍛冶師たちが活動している工房へと移動し、テーブルの上に雷獣の牙や爪、骨と魔石を取り出す。
「ッ……凄い、っすね。良く倒せましたね」
「なんだかんだでクロがいるからな。あいつの力に頼るのは良くないのは解ってるけど……クロと俺たちがいれば、一応ある程度の状況には対応出来ると思ってる。まっ、Aランクのモンスターが同時に三体も四体も流石に対応出来ないけどな」
ドラゴンゾンビ、雷獣との戦いを乗り越え……また一つ強くなった。
それは事実だが、確実に一つ上のステージに上がった訳ではない。
アラッドにとって、Aランクという怪物は変わらず怪物的な存在である。
「それと、他の素材が必要なら、ここら辺のやつを使ってくれ」
そう言いながら……ギーラスが分けてくれた風竜、ストールの素材やドラゴンゾンビの素材などをテーブルに置く。
「「「「「「「「っ!!??」」」」」」」」
リンたちや鍛冶場で作業していた他の者たちは全員目を丸くしながら固まった。
「アラッド、様……こ、これは」
「ドラゴンゾンビや風竜、ストールの素材とかだ。武器に使う素材の相性とかまではそこまで詳しくない。だから、そこら辺はお前の感覚に任せるぞ、リン」
「よろしくお願いします、リンさん」
「ッ……勿論、任せてくださいっす!!!!」
二人から改めて頼まれたリンは胸を張って応え、そんなハーフドワーフを他四人は羨ましそうな目で眺めていた。
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