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五百十一話 責任取れんのかよ
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「そこの二人、ちょっと良いかな」
(……この世界に、おそらく神はいるだろうな。でも……どう考えてもその神とやらは、この状況を見て楽しんでるだろう……きっとそうに違いない)
アラッドとスティームに声を掛けてきた人物は……アラッドの友人であるベルに似たイケメン優男フェイスを持つ青年。
「なんですか」
無視して逃げたらそれはそれで面倒になりそうなため、一応振り向いて応える。
「君たちがアラッド君とスティーム君で合ってるかな」
「えぇ」
「はい、そうです」
隠してこの場で騙せたとしても、ベル似の優男がギルド職員に問えば、直ぐに嘘だとバレる。
「そうか……それでは、君たちが二人だけで雷獣に挑もうといてる話も本当なのかな」
「えぇ、その通りです」
これに関しても隠せば面倒事に発展するのは目に見えている。
なので特に隠そうとも誤魔化そうともせず、正々堂々と答える。
「君たちが強いという話は聞いているが、まだ若いのに無茶をするものではない」
「……まだ若いという言葉は、そちらも同じだと思いますが」
声を掛けてきた主はまだ二十を越えていない、もしくは二十数歳であると見て取れる。
全体的な見た目が人族。
アラッドの予想は間違っていなかった。
「確かにそうだね。でも、僕たちは他の冒険者たちと組んで倒そうと考えている。だから、少数で戦うよりも被害を確実に抑えられる」
(理屈上の話では間違っていないが、でもそれは本当に理屈上の話だ。スマ〇ラのタッグ戦で味方へのダメージありの戦いをやったことがある俺には解る)
この世界に人間には少々何を言ってるのか解らない内容ではあるが、実践論で考えれば徒党組んで戦うのは時に本来の実力を発揮できない事態に繋がる。
簡単に言えば、戦闘力通りならスーパーサ〇ヤ人状態の悟〇とクリ〇ンが共闘すれば、クリ〇ンは悟〇の攻撃の余波で吹き飛ばされてしまう。
「……俺たちが俺たちだけで雷獣に挑むのを知ってるなら、何故二人だけで挑むのかも知ってますよね」
「雷獣の素材が欲しいから、だったかな」
「えぇ、そうです。なので、俺たちは二人で戦います」
「僕たちと一緒に戦うのであれば、必ず素材を分けると約束するよ。だから、無意味でリスクが高い行動は止めるんだ」
必ず素材を解かると約束する。
その言葉はアラッドとスティームの実力を評価しており、戦闘になればそれなりの活躍をしてくれるだろうと考えているから出て言葉である。
決して二人の実力を過小評価してるからという訳ではないのだが……その後が良くなった。
(このクソイケメン優男が……ぶっ殺してやろうか。無意味ってなんだよ、無意味って)
冒険者ギルド内とはいえ、やたら殺気を撒き散らすのは良くない。
そんな頭に残っていた常識が上手く作動し、クソイケメン優男を睨みつけるだけで、ギリギリ殺気を零さずに済んだ。
(うわぁ~~~~。この人、アラッドに向かってなんて命知らずなことを……無知って恐ろしいな~~)
その人物が取ろうとしている行動を無意味と評することは、それまでの努力までをも否定することになる。
完全否定出来るだけの理由があるのであればともかく……今回の場合はアラッドにとってそこそこ的外れな内容。
そもそも必ず素材を分けると約束されても、それが双剣を造れるだけの量なのか……とりあえず、色々とツッコみたいところが多い。
「はぁ~~~~……あんたさ、別に俺の友人や知人、親でもないだろ。俺やスティームの事を対して知りもしないくせに、勝手に解った気にならないでくれるか……不愉快なんだよ」
「「「「「っ!!??」」」」」
しっかりと殺気は出していない。
アラッドから殺気は零れていないが……ギルド内の冒険者たちに謎の重さが圧し掛かる。
「冒険者なら、貴重な素材は全部欲しいって思うものだろ」
「っ!!?? それは、君の我儘なんじゃないのかい。雷獣がこれ以上の被害を出す前に仕留めるには、討伐隊を組んで討伐するのが一番なんだ!!!!」
「……頼むから、あんたの考えを俺に押し付けないでくれるか」
「っ!?」
「それに、素材の分配に関しては仮に他の同業者たちと組んだ場合い、俺だって死にかけるまで、死ぬ思いをしてまで戦ったんだって言って素材を欲しがる奴らが現れるだろ」
「そ、それは……」
少し前までは推定Bランク……今はAランクにまで成長しているかもしれない。
「後……あんた、俺がうっかり他の冒険者を攻撃してしまったら、責任とれるのか?」
「ど、どういうことだい」
「遠距離攻撃を放てば、場合によってはそれが他の冒険者に当たることがあってもおかしくないだろ」
「っ!!!!!」
それは絶対にあり得ない話ではなく、過去に何度も起こり得た話。
相手がCランク程度のモンスターであれば、アラッドにも味方に飛んでしまった攻撃をどうにか出来る余裕がある。
しかし、Bランクモンスターが相手ともなれば、おそらく運悪く飛んでしまった攻撃を同行するのは非常に厳しい。
そして……Aランクモンスターという災害が人の形をした存在が相手となれば、確実に狂化を使用する。
そうなれば、確実に自身の不運な攻撃はどうしようも出来ない。
アラッドは優しいので言葉にはしないが、並大抵の冒険者たちはアラッドにとって……足手纏いである。
(……この世界に、おそらく神はいるだろうな。でも……どう考えてもその神とやらは、この状況を見て楽しんでるだろう……きっとそうに違いない)
アラッドとスティームに声を掛けてきた人物は……アラッドの友人であるベルに似たイケメン優男フェイスを持つ青年。
「なんですか」
無視して逃げたらそれはそれで面倒になりそうなため、一応振り向いて応える。
「君たちがアラッド君とスティーム君で合ってるかな」
「えぇ」
「はい、そうです」
隠してこの場で騙せたとしても、ベル似の優男がギルド職員に問えば、直ぐに嘘だとバレる。
「そうか……それでは、君たちが二人だけで雷獣に挑もうといてる話も本当なのかな」
「えぇ、その通りです」
これに関しても隠せば面倒事に発展するのは目に見えている。
なので特に隠そうとも誤魔化そうともせず、正々堂々と答える。
「君たちが強いという話は聞いているが、まだ若いのに無茶をするものではない」
「……まだ若いという言葉は、そちらも同じだと思いますが」
声を掛けてきた主はまだ二十を越えていない、もしくは二十数歳であると見て取れる。
全体的な見た目が人族。
アラッドの予想は間違っていなかった。
「確かにそうだね。でも、僕たちは他の冒険者たちと組んで倒そうと考えている。だから、少数で戦うよりも被害を確実に抑えられる」
(理屈上の話では間違っていないが、でもそれは本当に理屈上の話だ。スマ〇ラのタッグ戦で味方へのダメージありの戦いをやったことがある俺には解る)
この世界に人間には少々何を言ってるのか解らない内容ではあるが、実践論で考えれば徒党組んで戦うのは時に本来の実力を発揮できない事態に繋がる。
簡単に言えば、戦闘力通りならスーパーサ〇ヤ人状態の悟〇とクリ〇ンが共闘すれば、クリ〇ンは悟〇の攻撃の余波で吹き飛ばされてしまう。
「……俺たちが俺たちだけで雷獣に挑むのを知ってるなら、何故二人だけで挑むのかも知ってますよね」
「雷獣の素材が欲しいから、だったかな」
「えぇ、そうです。なので、俺たちは二人で戦います」
「僕たちと一緒に戦うのであれば、必ず素材を分けると約束するよ。だから、無意味でリスクが高い行動は止めるんだ」
必ず素材を解かると約束する。
その言葉はアラッドとスティームの実力を評価しており、戦闘になればそれなりの活躍をしてくれるだろうと考えているから出て言葉である。
決して二人の実力を過小評価してるからという訳ではないのだが……その後が良くなった。
(このクソイケメン優男が……ぶっ殺してやろうか。無意味ってなんだよ、無意味って)
冒険者ギルド内とはいえ、やたら殺気を撒き散らすのは良くない。
そんな頭に残っていた常識が上手く作動し、クソイケメン優男を睨みつけるだけで、ギリギリ殺気を零さずに済んだ。
(うわぁ~~~~。この人、アラッドに向かってなんて命知らずなことを……無知って恐ろしいな~~)
その人物が取ろうとしている行動を無意味と評することは、それまでの努力までをも否定することになる。
完全否定出来るだけの理由があるのであればともかく……今回の場合はアラッドにとってそこそこ的外れな内容。
そもそも必ず素材を分けると約束されても、それが双剣を造れるだけの量なのか……とりあえず、色々とツッコみたいところが多い。
「はぁ~~~~……あんたさ、別に俺の友人や知人、親でもないだろ。俺やスティームの事を対して知りもしないくせに、勝手に解った気にならないでくれるか……不愉快なんだよ」
「「「「「っ!!??」」」」」
しっかりと殺気は出していない。
アラッドから殺気は零れていないが……ギルド内の冒険者たちに謎の重さが圧し掛かる。
「冒険者なら、貴重な素材は全部欲しいって思うものだろ」
「っ!!?? それは、君の我儘なんじゃないのかい。雷獣がこれ以上の被害を出す前に仕留めるには、討伐隊を組んで討伐するのが一番なんだ!!!!」
「……頼むから、あんたの考えを俺に押し付けないでくれるか」
「っ!?」
「それに、素材の分配に関しては仮に他の同業者たちと組んだ場合い、俺だって死にかけるまで、死ぬ思いをしてまで戦ったんだって言って素材を欲しがる奴らが現れるだろ」
「そ、それは……」
少し前までは推定Bランク……今はAランクにまで成長しているかもしれない。
「後……あんた、俺がうっかり他の冒険者を攻撃してしまったら、責任とれるのか?」
「ど、どういうことだい」
「遠距離攻撃を放てば、場合によってはそれが他の冒険者に当たることがあってもおかしくないだろ」
「っ!!!!!」
それは絶対にあり得ない話ではなく、過去に何度も起こり得た話。
相手がCランク程度のモンスターであれば、アラッドにも味方に飛んでしまった攻撃をどうにか出来る余裕がある。
しかし、Bランクモンスターが相手ともなれば、おそらく運悪く飛んでしまった攻撃を同行するのは非常に厳しい。
そして……Aランクモンスターという災害が人の形をした存在が相手となれば、確実に狂化を使用する。
そうなれば、確実に自身の不運な攻撃はどうしようも出来ない。
アラッドは優しいので言葉にはしないが、並大抵の冒険者たちはアラッドにとって……足手纏いである。
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