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四百十一話 不安爆発
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(サポートと、逃げだけに集中すれば、なんとかなりそうだ、な!)
最奥の部屋までやって来るまでと比べて、現在の戦場では広さはあれど、明確にそれ以上は移動できない壁がある。
故に、ある程度の距離までであればアラッドによる糸のサポートが届く。
例によって魔力を纏うゾンビが多いため、サポートする糸にも魔力を纏わせなければならず、討伐開始からかなりの魔力を消費。
しかし、マジックポーションの準備はバッチリなため、重要な場面で魔力切れになることはない。
(ただ……あの研究者兼魔術師の奴、何者だ? 実力だけならBランククラス……もしかしたら、Aランクに片足突っ込んでるか?)
戦闘中なこともあり、チラ見でしか確認できないが、未だに討伐隊の戦闘者たちは黒幕の男に対して、一撃も攻撃を当てられていない。
黒幕の男の傍にレベルが一味違うゾンビたちがいるからというのも一つの理由だが、闇魔法の発動速度、タイミングは実際に対峙している戦闘者たちも悔しくはあるが、認めざるを得ないレベル。
(黒幕の男も厄介みたいだが、周囲のゾンビもヤバいな。他のゾンビと比べて高ランクの冒険者か! ってツッコみたくなるぐらい良い装備を身に付けてやがる)
CランクからBランクレベルの冒険者が装備するような武器、防具を身に付けているため、マジットたちの様な精鋭冒険者たちであっても、さすがに瞬殺とはならない。
「気圧されるな!! 何が何でもここで殺すんだ!!!」
「火魔法、もしくは聖水をぶちまけろ!!!」
「何か、知らねぇけど! 偶に転んだり、腕が切れる! その隙を見逃すな!!!!」
まだアラッドの手札を良く知らない者たちからすれば、目の前で起こった光景に、理解が追い付かない。
しかしそこはプロの戦闘者であり、味方の援護なのだと把握。
その突然の攻撃によって生まれる隙にゾンビの弱点である火魔法、光魔法、聖水をぶち込んでいく。
(……このままいけば、数の力ではこっちが優位に立てる……ただ、不安が消えない)
戦闘者たちの執念、初対面である者たちが多い中、初対面とは思えないコンビネーション。
そこに万全の装備やアラッドのサポートが加わり、戦況は討伐者たちに傾いている……そう思える状況ではあるが、アラッドの心から僅かな不安が一向に消えない。
「ふむ……やむなしか」
黒幕の男がそう呟くと、どこからともなく微かな悲鳴が聞こえた。
「悲鳴!?」
「どうゆうことだ!!!」
現在の戦場から聞こえる悲鳴ではない。
後方の戦場でも戦闘者たちは押されておらず、寧ろクロが暴れ回っていることもあり、戦況は非常に優勢。
そんな中、聴覚に優れた獣人族やエルフはその微かな……心の底から絞り出される悲鳴を聞き取った。
「どれだけ数を揃えようが、貴様らはここで死に、俺の研究材料となる」
「ッ!!!!!!!」
今まで……一番強大な不安がアラッドに襲い掛かる。
先程まで頭から離れなかった小さな不安が超大爆発、全身破裂するかの様なエクスプロージョン。
無意識に……アラッドの闘争本能が強化や疾風、剛力などの強化スキルを発動させた。
「ガァアアアアアアアアッ!!!!」
理性は残っていれど、その姿はまさに獣。
しかし、その判断の速さもあり、ゾンビたちが黒幕の男によって超強化する前に十体ほど撃破。
(クソッ!!!! やっぱり、全部撃破するのは無理だったか!!!)
ナイス判断の速さではあったが、まだ並み以上のゾンビが数十体以上残っており……それらが命を代償とする技により、更に強化された。
(ッ!!!??? これは、ヤバい!!! ふざけるなよ!!!!!!)
聴覚が獣人やエルフ程優れていないアラッドには、黒幕の男がどんな方法を使って従えるゾンビたちを更に強化したのか分からない。
ただ……まだ残っているゾンビたちが、シャレにならない強さを得たことだけは理解出来た。
最奥の部屋までやって来るまでと比べて、現在の戦場では広さはあれど、明確にそれ以上は移動できない壁がある。
故に、ある程度の距離までであればアラッドによる糸のサポートが届く。
例によって魔力を纏うゾンビが多いため、サポートする糸にも魔力を纏わせなければならず、討伐開始からかなりの魔力を消費。
しかし、マジックポーションの準備はバッチリなため、重要な場面で魔力切れになることはない。
(ただ……あの研究者兼魔術師の奴、何者だ? 実力だけならBランククラス……もしかしたら、Aランクに片足突っ込んでるか?)
戦闘中なこともあり、チラ見でしか確認できないが、未だに討伐隊の戦闘者たちは黒幕の男に対して、一撃も攻撃を当てられていない。
黒幕の男の傍にレベルが一味違うゾンビたちがいるからというのも一つの理由だが、闇魔法の発動速度、タイミングは実際に対峙している戦闘者たちも悔しくはあるが、認めざるを得ないレベル。
(黒幕の男も厄介みたいだが、周囲のゾンビもヤバいな。他のゾンビと比べて高ランクの冒険者か! ってツッコみたくなるぐらい良い装備を身に付けてやがる)
CランクからBランクレベルの冒険者が装備するような武器、防具を身に付けているため、マジットたちの様な精鋭冒険者たちであっても、さすがに瞬殺とはならない。
「気圧されるな!! 何が何でもここで殺すんだ!!!」
「火魔法、もしくは聖水をぶちまけろ!!!」
「何か、知らねぇけど! 偶に転んだり、腕が切れる! その隙を見逃すな!!!!」
まだアラッドの手札を良く知らない者たちからすれば、目の前で起こった光景に、理解が追い付かない。
しかしそこはプロの戦闘者であり、味方の援護なのだと把握。
その突然の攻撃によって生まれる隙にゾンビの弱点である火魔法、光魔法、聖水をぶち込んでいく。
(……このままいけば、数の力ではこっちが優位に立てる……ただ、不安が消えない)
戦闘者たちの執念、初対面である者たちが多い中、初対面とは思えないコンビネーション。
そこに万全の装備やアラッドのサポートが加わり、戦況は討伐者たちに傾いている……そう思える状況ではあるが、アラッドの心から僅かな不安が一向に消えない。
「ふむ……やむなしか」
黒幕の男がそう呟くと、どこからともなく微かな悲鳴が聞こえた。
「悲鳴!?」
「どうゆうことだ!!!」
現在の戦場から聞こえる悲鳴ではない。
後方の戦場でも戦闘者たちは押されておらず、寧ろクロが暴れ回っていることもあり、戦況は非常に優勢。
そんな中、聴覚に優れた獣人族やエルフはその微かな……心の底から絞り出される悲鳴を聞き取った。
「どれだけ数を揃えようが、貴様らはここで死に、俺の研究材料となる」
「ッ!!!!!!!」
今まで……一番強大な不安がアラッドに襲い掛かる。
先程まで頭から離れなかった小さな不安が超大爆発、全身破裂するかの様なエクスプロージョン。
無意識に……アラッドの闘争本能が強化や疾風、剛力などの強化スキルを発動させた。
「ガァアアアアアアアアッ!!!!」
理性は残っていれど、その姿はまさに獣。
しかし、その判断の速さもあり、ゾンビたちが黒幕の男によって超強化する前に十体ほど撃破。
(クソッ!!!! やっぱり、全部撃破するのは無理だったか!!!)
ナイス判断の速さではあったが、まだ並み以上のゾンビが数十体以上残っており……それらが命を代償とする技により、更に強化された。
(ッ!!!??? これは、ヤバい!!! ふざけるなよ!!!!!!)
聴覚が獣人やエルフ程優れていないアラッドには、黒幕の男がどんな方法を使って従えるゾンビたちを更に強化したのか分からない。
ただ……まだ残っているゾンビたちが、シャレにならない強さを得たことだけは理解出来た。
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