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三百九十六話 後はお願いします
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「なぁ、本当にもう知ってることはないのか?」
アラッドからの問いに、口が動かせない裏の人間三人は、目でなんとか答えた。
その表情には……明確な恐怖が刻まれている。
体を内側から破壊するという攻撃方法は、主に徒手格闘で戦う者たちが使う技であり、決して珍しくない。
だが、体内と言うにはあまりにも細かい部分から壊される恐怖は……世の中で、殆どの者たちが体験したことのない恐怖だった。
(ちっ! 嘘を付いてる様子はないな)
三人は知っている情報について、全てアラッドに話した。
しかし、三人が持っていた情報は……全く今回の事件解決に繋がる内容ではない。
手に入った情報は、依頼者は黒衣を纏って顔を隠している。
三人の推測から、おそらく闇魔法の使い手という情報も得られたが、それだけでは解決の糸口にすらならない。
「……とりあえず、お前らの扱いはギルドに任せるか」
「「「っ!!??」」」
堪えられる事には答えたため、開放してもらえると思っていた三人は、目を大きく開きながら驚く。
そんな三人の様子に嘆息せざるを得なかった。
(なんで俺の問いに答えれば、解放さると思ってるんだ?)
何を考えてるんだこいつらはと思いながらも、アラッドはマリオネットで操りながら三人をギルドの方へ連れて行く。
「あれ、アラッドさん」
「どうも」
「えっと……後ろの三人はいったい」
「裏の連中で、誰かに依頼されて俺を殺しに来たみたいなんで、ギルドに引き渡そうと思って」
運良く仕事終わりのギルド職員と遭遇。
アラッドから簡潔に内容を伝えられ、受付嬢は仕事終わりなど関係無しにダッシュでギルドに戻り、同僚に事情を説明。
その後、アラッドも軽く説明した後……後は全てギルドに任せ、宿へ戻った。
(遠くから見てる人もいないし、とりあえず今日のところは安心、か)
自分に暗殺者を向けられたことを考えれば、全く持って安全ではない。
一般的な冒険者であれば恐怖でしかないが、アラッドは面倒だという感情を持ってはいるものの、恐怖感は一切なかった。
今までの経験から、今回襲撃してきた暗殺者三人。
暴走したオーガファイターに、腐食の効果を持つ戦斧を装備したミノタウロス。
それらの敵に襲われたところで、大した脅威ではないと思ってしまう程、恐怖感が狂っている。
加えて、マジリストンには特に親しい者はいない。
唯一それなりに気がしている存在であるマジットに関しては、そういった輩にどうこうされない力を持っている。
心配するだけ無駄だと思いながら、アラッドは沈むようにベッドへ倒れ込んだ。
「あっ、アラッドさん!」
「? どうも」
翌日、いつも通りギルドへ向かうと、クエストボードへ向かう前に声を掛けられ、足を止める。
声を掛けてきた人物は、先日偶々マリオネットで暗殺者三人を操り、ギルドに持ってきたアラッドと遭遇した受付嬢。
世間話もそこそこに、その受付嬢はとある依頼書をアラッドに見せた。
「あの、良ければこちらの依頼を受けてもらえませんか」
「……えっ」
依頼書の内容をざっと確認したアラッドは、無意識に変な声を漏らしてしまった。
依頼書に書かれている依頼内容とは、魔法学園での臨時講師を頼むもの。
そこには、アラッドのフルネームが書かれている。
簡単に言ってしまえば、指名依頼。
「すいません、お断りさせてもらいます」
「えっ!!!!」
断られると思っていなかった受付嬢は、アラッドと同じく変な驚き声が漏れてしまう。
指名依頼という、冒険者として確実にキャリアをステップアップ出来る依頼。
それに加えて、学園が提示した報酬金額も中々の額。
そして依頼期間は一か月もなく、そこまで長い縛りではない。
中々の好条件が揃ったこの依頼、普通は断る者などいない。
しかし、アラッドはその普通枠に当てはまる人物ではないため、この流れはある意味当然だった……のかもしれない。
アラッドからの問いに、口が動かせない裏の人間三人は、目でなんとか答えた。
その表情には……明確な恐怖が刻まれている。
体を内側から破壊するという攻撃方法は、主に徒手格闘で戦う者たちが使う技であり、決して珍しくない。
だが、体内と言うにはあまりにも細かい部分から壊される恐怖は……世の中で、殆どの者たちが体験したことのない恐怖だった。
(ちっ! 嘘を付いてる様子はないな)
三人は知っている情報について、全てアラッドに話した。
しかし、三人が持っていた情報は……全く今回の事件解決に繋がる内容ではない。
手に入った情報は、依頼者は黒衣を纏って顔を隠している。
三人の推測から、おそらく闇魔法の使い手という情報も得られたが、それだけでは解決の糸口にすらならない。
「……とりあえず、お前らの扱いはギルドに任せるか」
「「「っ!!??」」」
堪えられる事には答えたため、開放してもらえると思っていた三人は、目を大きく開きながら驚く。
そんな三人の様子に嘆息せざるを得なかった。
(なんで俺の問いに答えれば、解放さると思ってるんだ?)
何を考えてるんだこいつらはと思いながらも、アラッドはマリオネットで操りながら三人をギルドの方へ連れて行く。
「あれ、アラッドさん」
「どうも」
「えっと……後ろの三人はいったい」
「裏の連中で、誰かに依頼されて俺を殺しに来たみたいなんで、ギルドに引き渡そうと思って」
運良く仕事終わりのギルド職員と遭遇。
アラッドから簡潔に内容を伝えられ、受付嬢は仕事終わりなど関係無しにダッシュでギルドに戻り、同僚に事情を説明。
その後、アラッドも軽く説明した後……後は全てギルドに任せ、宿へ戻った。
(遠くから見てる人もいないし、とりあえず今日のところは安心、か)
自分に暗殺者を向けられたことを考えれば、全く持って安全ではない。
一般的な冒険者であれば恐怖でしかないが、アラッドは面倒だという感情を持ってはいるものの、恐怖感は一切なかった。
今までの経験から、今回襲撃してきた暗殺者三人。
暴走したオーガファイターに、腐食の効果を持つ戦斧を装備したミノタウロス。
それらの敵に襲われたところで、大した脅威ではないと思ってしまう程、恐怖感が狂っている。
加えて、マジリストンには特に親しい者はいない。
唯一それなりに気がしている存在であるマジットに関しては、そういった輩にどうこうされない力を持っている。
心配するだけ無駄だと思いながら、アラッドは沈むようにベッドへ倒れ込んだ。
「あっ、アラッドさん!」
「? どうも」
翌日、いつも通りギルドへ向かうと、クエストボードへ向かう前に声を掛けられ、足を止める。
声を掛けてきた人物は、先日偶々マリオネットで暗殺者三人を操り、ギルドに持ってきたアラッドと遭遇した受付嬢。
世間話もそこそこに、その受付嬢はとある依頼書をアラッドに見せた。
「あの、良ければこちらの依頼を受けてもらえませんか」
「……えっ」
依頼書の内容をざっと確認したアラッドは、無意識に変な声を漏らしてしまった。
依頼書に書かれている依頼内容とは、魔法学園での臨時講師を頼むもの。
そこには、アラッドのフルネームが書かれている。
簡単に言ってしまえば、指名依頼。
「すいません、お断りさせてもらいます」
「えっ!!!!」
断られると思っていなかった受付嬢は、アラッドと同じく変な驚き声が漏れてしまう。
指名依頼という、冒険者として確実にキャリアをステップアップ出来る依頼。
それに加えて、学園が提示した報酬金額も中々の額。
そして依頼期間は一か月もなく、そこまで長い縛りではない。
中々の好条件が揃ったこの依頼、普通は断る者などいない。
しかし、アラッドはその普通枠に当てはまる人物ではないため、この流れはある意味当然だった……のかもしれない。
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